メッセージ  (説教より)
「ヨハネによる福音書」

「真理の霊に与る」             ヨハネ福音書16章1−15節


「わたしが行けば、弁護者をあなたがたのところに送る」(7節)と言われています。「弁護者」(パラクレートス)とは、信仰の言葉(証し)を語って人の心(魂)を慰め励ます者、という意味の言葉で、天の神さまの御許に帰られた御子イエス・キリストに代わって、信じる者の心(魂)の内に送り与えられる聖霊(聖霊なる神さま)のことです。聖霊は、常に私たちの心の深みに働きかけ、私たちの信仰を励まし、弁護してくださるのです。
聖霊は、どのように私たちを励まし、弁護してくださるのでしょうか。
私たちは、日々の生活の中で、神さまのお言葉に聞くよりも、自分の思いと考えに従って行動しがちです。そして、自分の思い中心の生活の中で、人を傷つけ、自分を傷つけながら生きがちです。そういう自分のことを考えると、私たちは心が落ち込みます。自分はなんと心の弱い、不従順な、自分中心の人間なのだろう、こんな自分は神さまを信じる資格がないし、信仰者にふさわしくない、と言って心の中で自分を責めるのです。
その時聖霊は、そういうあなたのために神の御子イエスが十字架にかかり、そういうあなたの救いのために主イエスが復活の永遠の命を現わしてくださったのではないか。だから、自分を責めないで、いよいよ幼子のようになって(一人の罪人として)主イエスの十字架と復活の恵みに頼りなさい。そう聖霊は常に私たちの魂を弁護し、励ましてくださるのです。聖霊は、人を神の救いの真理へと導く「真理の霊」(13節)なのです。その霊に与る時、私たちは罪人でありながら、新しい勇気と力、望みに生きることができるのです。