メッセージ  (説教より)
「ヨハネによる福音書」

「初めに言があった」    ヨハネ福音書1章1−5節

 「初めに言があった」(1節)とあります。この「初めに」は、天地万物の創造の初めに、と理解するのが一般的ですが、それだけでなく、すべての物事の初め、言い換えれば、物事の本質(意味)を現わす意味における「初めに」と理解することができるのではないでしょうか。
 すべての物事の本質を現わすものとして、神の言葉がある、すべての物事を真に意味あるものとするものとして、神の言葉がある、ということです。そして、クリスマスの出来事の本質こそ、神の言葉であった、クリスマスの出来事こそ、神の言葉そのものの出来事、いや、神ご自身の到来(出現)の出来事であった、ということではないでしょうか。
クリスマスの出来事は、神の言葉である神の御子が人間の姿を取って、人間の現実のただ中においでくださった、いや、神ご自身が人間の現実の中に入り、人間(罪人)と共に生きてくださった出来事である、ということです。
クリスマスの出来事が起こる前の旧約聖書の時代においても、神は常に人間の現実に関わってくださいましたが、今や、神ご自身が親しく人間の現実のただ中においでくださり、人間の現実のただ中に生きてくださったのです。そして、人間のすべての罪を赦しつつ、すべての人間が神の救いに与って生きることができるように、救いの道を開いてくださったのです。その意味でクリスマスの出来事は前代未聞の、驚くべき、決定的に新しい、人間に対する限りない神の愛を現わす出来事なのです。それ故にクリスマスの出来事は、どんなに祝われても祝われ過ぎることのない真に尊い出来事なのです。