メッセージ  (説教より)
「創世記」





「神は天地を創造された」         創世記1章1-2章4a節

 「初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。」と創世記の初めに記されています。神が無から「天地」を創造された時、地は「混沌」であり、「深淵」であり、「闇」がその面を覆っていたが、しかし「神の霊」もまた活発に活動していた、と読むことができます。
 神の被造世界の初めは、「混沌」であり、深い水のような「深淵」であったというのです。ということは、「混沌」も「深淵」も、神が常に「神の霊」をもって良き「秩序」へとお導きくださる「被造物」である、ということです。
 それなら私たちは「混沌」を恐れる必要はない、ということです。混沌が何か「悪い」「非存在」のようなものとして恐れることはないということです。むしろ私たちは、自らの「混沌」の現実を見つめ、見据え、そこで真の「光」(4節)なる神、主キリストの霊の助けを祈り求めていくべきなのです。その時神は、創造の御手をもって「混沌」から良き秩序を与えてくださるのです。
 そうであるならばまた、私たちは「秩序」をも恐れず、それを再び「混沌」へともたらし、いや、その混沌たる本質を見つめ、その中から、新しいより良き秩序へとお導きくださる御神、主キリストの救いの御手に頼っていくべきなのです。混沌から秩序へ、これが創造主なる主なる神の御心なのです。そうであるなら、すべての被造物、何より「神にかたどって創造された」(27節)人間は、一日一日の歩み、一週ごとの歩みの中で、神の御手に頼りつつ「混沌から秩序へ」の歩みに励んでいくのです。