メッセージ  (説教より)
「出エジプト記」


「旅路を導かれる神」            出エジプト記40章1-38節

「雲は臨在の幕屋を覆い、主の栄光が幕屋に満ちた。・・・雲が幕屋を離れて昇ると、イスラエルの人々は出発した。・・・雲が離れて昇らないときは、離れて昇る日まで、彼らは出発しなかった」(34-37節)。神の住まいであり礼拝の場である「幕屋」を中心に、先立ちたもう神に導かれて信仰の旅路を続ける神の民イスラエルの麗しい、従順な姿が描かれています。
 しかしこの民は、決して従順なだけの民ではありませんでした。シナイ山に上ったモーセの帰りが遅いことに不安を覚えたイスラエルの人々は、もう一人の指導者アロンに頼んで、金の子牛の像を作り、それによって神の臨在の保証を得ようとする、重大な偶像礼拝の罪を犯したのです。神ヤハウェが激しく怒り、この民と共に歩むことを断念しようと決意した時、モーセの必死の執り成しと遥かに計画されていた御子キリストの十字架の死の故に、その決意を翻した神でありました(32章-34章)。
 そうした罪の現実を抱えてのイエスラエル人の信仰の歩みであったのです。祭壇では罪の赦しのために動物の犠牲が献げられました。幕屋においては香がたかれ、イスラエル人の罪を執り成す祈りが祭司によって献げられました。罪の赦しと救いを求める真剣な礼拝が、日々献げられていたのです。
 神はこの民を深い愛をもって受け入れ、昼は先立つ雲によって、夜は雲の中に現れる火によってご自身の臨在を証しつつ、神の民イスラエルの信仰の旅路を支えてくださったのです。この神が、今、御子キリストの計り知れない恵みをもって、私たちの信仰の旅路を導いていてくださるのです。