メッセージ  (説教より)
「出エジプト記」


「四十曰四十夜山にいたモーセ」       出エジプト記24章1—18節

「モーセは雲の中に入って行き、山に登った。モ一セは四十日四十夜山にいた」(18節)と記されています。十戒(20章2-17節)と「契約の書」(20章22—23章33節、そして25章1—31章17節を含む)を心に刻み、それを人々に提示し、人々が神との契約を結ぶために、モーセはそうしたのです。
 四十日四十夜山におり、しかも「パンも食べず、水も飲まなかった」(34章 28節)とは、•生存の限界状況まで山にいたということでしょう。なぜそこまでしなければならなかったのでしょうか。神の言葉を深く、正確に心に刻み、誤りなく人々に伝えるために、そのことが必要だったのです。
 人問は生来わがままで、自分中心であり、神の言葉を従順に聞くことが難しい存在です。神の言葉にすぐに抗弁したり、自分の意見を差しはさみたくなるのです。そういう人間が、誤りなく神の言葉を聞いて、正しく人々に伝えることができるために、モーセは四十日四十夜山にこもり、神との祈りの交わりを持ち、神の言葉を「心の板」(コリント二3章3節)に刻み、それを「石の板」(12節)に書き記して人々に提示する必要があったのです。神の言葉を「石の板」に書き記して、永遠に廃棄されない契約を神と結ぶためです。
 この契約を真実に果たし、イスラエル人だけでなく、すべての人間の救いを実現してくださったのが、イエス•キリストです。この主の救いの事実を深く心に刻み、その救いに豊かに生かされるために、私たちも真剣な神との祈りの交わりを持つ必要があるのです。