メッセージ  (説教より)
「出エジプト記」


「神の御言葉、十戒」       出エジプト記20章1 一21節

「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隸の家から導き出した神である」(2節)と十戒の序文に記されています。この序文が決定的に重要なのです。その後に記されている神の御言葉、十戒を行う上で。
 この序文の意味は、わたしイスラエルの神は、あなたがたイスラエル人をエジプトの国、奴隸の家から救い出した全能の恵みの神である、このわたしの憐みの恵みの御手に頼って、十戒(律法)を行いなさい、ということです。
言い換えれば、自分の力で十戒を守ろうとしても、できない、うわべではできても本当にはできない、わたしの恵みの御手に頼りつつ、わたしの赦しと助けの中で、十戒を守るように努めなさい、ということなのです。
 イスラエルの人々はエジプトを脱出しましたが、後ろからはエジプトの軍隊が迫り、眼前には紅海の海が広がるという絶体絶命の状況に追い詰められました。まったく無力な状態に置かれたのです。その時、モーセは「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見 なさい」(14章13節)と言って、手を海に差し伸べた時、紅海は二つに割れ、 乾いた道が現れ、その道を通ってイスラエル人は救われたのです。不可能な海の中に、一筋の可能な道が拓かれたのです。
 その神の救いの御手に頼って、十戒を行いなさい、と言われるのです。一つひとつの戒めの中で、神の救いの御手に頼るのです。主キリストの救いの御手に頼るのです。主キリス卜の救いの中で、私たち自身が新しく造り変えられるのです。その時、私たちは喜んで神の戒めを守る者とされるのです。