メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」





「キリストの勝利の行進」    Uコリント書2章14−17節

 使徒パウロは「神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます。」(14節)と語っています。新年に当たって、このパウロの言葉を覚えたいと思います。
主キリストは、常にこの世とすべての人間の業に先立って「勝利の行進」をしていてくださるのです。その行進に与るのです。その時、私たちも「勝利」に生きる者となるのです。
 「勝利」とは、信仰の勝利です。主イエスが「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(ヨハネ福音書16章33節)と語られた、あの「勝利」です。十字架の死に向かって歩まれる主イエスも深い不安と恐れ、逡巡の誘惑にさらされたのです。しかし主イエスは、その不安や恐れ、逡巡のすべてを父なる神に言い表すことによって、「神共にいます」インマヌエルの平安に守られ、その平安の中に十字架の死を全うされたのです。その信仰の勝利に私たちも与って生きることができるのです。
 主キリストは、十字架の限りない赦しと復活の永遠の命を持って、すべての人間の、いや、この世の勝利者としてすべてのことに先立って歩んでいてくださいます。この主を覚えるのです。この主のもとに立ち返ってすべての重荷を下すのです。その時、私たちもキリストの勝利に与って生きることができるのです。この1年が、主キリストの「勝利の行進」に連なり、「キリストの香り」を放ちつつ歩む1年であることができますように。