メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」


「主から推薦される人」   コリントの信徒への手紙二10章12−18節

「わたしたちは限度を超えて誇らず、神が割り当ててくださった範囲(限度)内で誇る」(13節)、「わたしたちは、他人の労苦の結果を限度を超えて誇るようなことはしません」(15節)など、「限度」(度合い、程度)という言葉をパウロは多く用いています。
 これと同じ言葉をパウロはローマ書12章3節で用いています。「自分を過大に評価してはなりません。むしろ、神が各自に分け与えてくださった信仰の度合い(限度、程度)に応じて慎み深く評価すべきです。」
「信仰の度合い」という考え方は、少しわかりにくいのですが、私たちの信仰には「度合い」(限度、程度)というものがあり、それをわきまえてこそ、信仰の「成長」(15節)がある、と言っているのです。
 信仰の「度合い」とは、私たちがどれだけ主キリストに対して自分を委ねて、主の救いに生かされているか、その「度合い」(限度、程度)のことです。自分を主に委ねる「度合い」が深まれば、それだけ豊かに、様々の囚われや思い煩い、恐れから解放されて、主にある平安(命、力)の中に生かされるのですが、なかなか自分を主に委ねようとしない現実があるのです。その、不従順の現実をよくわきまえるのです。その事実を踏まえながら少しでも自分を主に委ねる信仰の従順に励むのです。そこに、より豊かに主に生かされる信仰の成長があるのです。そのように自分の信仰の「度合い」(限度)をわきまえつつ主に頼る者こそ、「主から推薦される人」であり、信仰の「適格者」(確かな信仰に生きる人)である(18節)、とパウロは言うのです。