メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」


「要塞をも破壊する神の力」 コリントの信徒への手紙二10章1−11節

「わたしたちの戦いの武器は肉のものではなく、神に由来する力であって要塞も破壊するに足ります」(4節)とパウロは言います。
 要塞をも破壊する神の力とはどういう力でしょうか。それは、主イエス・キリス卜の十字架の死に示された神の愛と赦しの力です。
 主イエスの十字架の愛を「破壊する」力(現実)は存在しません。どんなに主イエスを憎んで、あらゆる力をもって主イエスを否定しても、あなたの罪は私が十字架で担って、すべて赦しているから、あなたは私の復活の命によって生きる者となりなさい。私を拒む限り、罪(悪)を克服することはできない。私の愛を受け入れ、私の復活の命に与って生きる者となりなさい。そうすれば、あなたは罪から救われて生きることができる。そう言って、主イエスは私たちを招き続けることを止めないのです。
 主イエスを拒めば拒むほど、主イエスの愛は闇に輝く光として、ひときわ美しく輝いて、私たちを強く招くのです。
この主イエスの十字架の愛と赦しこそ、「要塞をも破壊する神の力」です。この力をもって、パウロは主イエスの福音を宣べ伝え続けたのです。
「わたしたちは理屈を打ち破り、神の知識に逆らうあらゆる高慢を打ち倒し、あらゆる思惑をとりこにしてキリストに従わせ」(4〜5節)、とパウロは後に続けて語ります。神の救いに生きる道はただ一つ、理屈を捨て、あらゆる高慢と思惑を捨てて、主キリストの愛の招きに服するのです。その時、私たちは主キリス卜の命の恵みに豊かに生かされるものとなるのです。