メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」


「神の御心に適う悔い改め」   コリントニ 7章2-13節

「あの手紙によってあなたがたを悲しませたとしても、わたしは後悔しません。…たとえ後悔したとしても、今は喜んでいます。あなたがたがただ悲しんだからではなく、悲しんで悔い改めたからです。あなたがたが悲しんだのは神の御心に適ったことなので、…」(8~9節)と言っています。パウロの心情溢れる言葉です。
「悔い改め」とは、メタノイアという言葉で、「心の方向転換」を意味します。常に自分のことそしてこの世のことに囚われがちな私たちの心を、絶えず新しく神の方に、主キリストの方に向けるのです。そして、主が共にいてくださる恵みの中に生かされることによって、私たちは自分中心の罪の生き方から解放されるのです。この心の方向転換(メタメイア)は、日々新しく、常に新しくなされなければなりません。なぜなら、私たちはすぐに自分中心の生き方になり、神、主キリストの救いを無視する人間だからです。
 パウロはコリント教会の人々に厳しい叱責の言葉を語ったのです。彼らを愛する故に。そのパウロの言葉にコリントの人々は傷つき、深い悲しみを味わったのですが、自分たちの過ちに気づき、悔い改め、再びパウロへの信賴を新たにしたのです。そのことにパウロは深い感謝を覚えたのです。
「世の悲しみは死をもたらす」(10節)とあります。神への方向転換をもたらさない悲しみのことです。その悲しみは果てしなく、最後は死(滅び)をもたらすのです。この世は悲しみに満ちています。その悲しみの中から「神への方向転換」(メタノイア)に導かれることを神は願っておられるのです。