メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」


「愛を知ってもらうために」  コリントの信徒への手紙二 1章23−2章4節

「わたしたちは、あなたがたの信仰を支配するつもりはなく、むしろ、あなたがたの喜びのために協力する者です」(24節)とパウロは言っています。
「支配する」という言葉は、主人としてふるまう、という意味の言葉です。パウロは、コリント教会の人々の信仰に対して、上から指図して主人のようにふるまうつもりはない、と言うのです。
主イエスを信じる信仰は、どこまでも主体的なものです。人から指図されてするものではありません。自分自身が心から主イエスを信じ、受け人れ、主イエスに自分を委ねていくのです。その私の中に主イエスが聖霊をもって臨んでくださり、私を主の復活の聖き命に生かしてくださるのです。そこに、主が共にいてくださるインマヌエルの救いの喜びがあるのです。
自分を主に委ねることが、信仰の戦いです。私たちは、自分を主に委ね、主の命に生かされることよりも、自分の知恵と力で生きることを優先しがちなものです。主の救いを拒んで、自分の力によって生きてしまうのです。それが、主イエスを拒む不従順の罪です。そういう不従順な自分を主イエスに委ね、主の命に生かされる救いの喜びを、生涯を通して深めていくのです。
この信仰の取り組みは、人に指図されてできることではありません。自分の責任において、自発的に取り組む以外にないのです。パウロは、コリント教会の人々が、主イエスへの従順を深めて、主の救いの喜びにより豊かに生きることができるように、「協力する者」、助けつつ共に生きる者、であると言うのです。そこに、コリント教会の人々に対するパウロの愛があります。