メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」


「神に望みをおく」   コリントの信徒への手紙二 1章8−11節

「わたしたちは耐えられないほどひどく圧迫されて、生きる望みさえ失ってしまいました。わたしたちとしては死の宣告を受けた思いでした」(8〜9節)とパウロは言っています。
福音宣教の歩みの中で、まったく絶望的な状況に置かれたのです。その時、パウロはどうしたのでしょうか。「自分を頼りにすることなく、死者を復活させてくださる神を頼りにするようになりました」(9節)と言っています。
「死者を復活させてくださる神」に頼るとは、私たち罪人を主キリス卜の復活の命に生かしてくださる救いの神に頼る、ということです。
私たちは、すぐに「自分」が出てしまうのです。福音宣教の名のもとに、信仰の名のもとに、「自分」を押し出し、それによって人を傷つけ、躓かせてしまうのです。正しい、良いことをしているつもりなのですが、かえって人を苦しめてしまうのです。
どうしたらよいのでしょうか。福音の名のもとに、信仰の名のもとに主張される「自分」に気づくことではないでしょうか。そういう「自分」ではなく、主キリストの復活の命によって、救われ、清められた「自分」として生きることに心掛けるのです。そのためにまったく「死者を復活させてくださる神」により頼むのです。いよいよ深く復活の主キリストの救いの御手に頼るのです。すると、不思議に道が開かれ、絶望的な状況の中にあっても新しく生きる勇気と力が与えられるのです。神がそのように導いてくださるのです。パウロは、ひたすらその神に望みをおいて生きたのです。