メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」


「慰めの神」       コリントの信徒への手紙二 1章1 −7節

「神は、あらゆる苦難に際してわたしたちを慰めてくださるので、わたしたちも神からいただくこの慰めによって、あらゆる苦難の中にある人々を慰めることができます」(4節)と記されています。
背景にある事情はこうです。パウロがコリン卜の手紙一を書いた後に、コリント教会にパウロに批判的な指導者が入り込み、それによってパウロとコリント教会の信頼関係が悪化したのです。パウロはそのことを憂い、信頼する同労者テトスをコリント教会に派遣したのです。そのテトスの派遣が功を奏し、再びパウロとコリント教会の間に信頼関係が回復されたのです。
「神に感謝します。神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます」(2章14節)という言葉は、その時に献げられた神への感謝の言葉です。パウロが語る「苦難」と「慰め」は、そういう背景の中で語られているのです。
「苦難」に直面した時、パウロはどうしたでしょうか。「キリストの苦しみ」(5節)に逃れたのです。主イエスが、私の救いのために十字架の苦しみを忍び、復活の命を明らかにしてくださった、その主イエスのもとに逃れたのです。苦しみが大きければ大きいほど、パウロはいよいよ深く主キリストのもとに逃れたのです。すると、そこから不思議な「慰め」が与えられ、再び生きる勇気と力を与えられたのです。神はそういう「慰め」を与えてくださる のです。その「慰めの神」にパウロはより頼んで生きたのです。