メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


「朽ちるべきものが朽ちないものを着る」   コリントの信徒への手紙一155058

「この朽ちるべきものが朽ちないものを着、この死ぬべきものが死なないものを必ず着ることになります」(53節)と記されています。これは、「最後のラッパが鳴る」(52節)主キリストの救いの完成の時に与えられる神の救いの恵みのことを言っています。「朽ちるべきもの」「死ぬべきもの」である私たち罪人が、主キリストの復活の命に与って、「朽ちないもの」「死なないもの」、即ち、永遠の命に生きるものに変えられるのです。
 
ただこの恵みは、主キリストの救いの完成の時に与えられるだけではなく、罪の世の現実の中に生きている私たち自身の身に、今、神の聖霊の働きによって与えられる恵みなのです。ガラテヤの信徒への手紙522節で「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です」と言われている「聖霊の実」がそれに当たります。「聖霊の実」とは、復活の主キリストが、今、聖霊によって私たちの身に行われる救いの働きの結果(実)なのです。
 
この世は人間の罪にみち、死の現実に満ちています。しかし、その現実の中に、復活の主キリストが働いてくださるのです。そして「聖霊の実」にあふれた命の世界を与えてくださるのです。それが、新約聖書の世界であり、今日に至るキリスト教会の世界なのです。キリストの教会の中には罪も働きますが、何よりも罪に勝利する神の命、キリストの復活の命が働いているのです。死に勝利されたキリストは罪にも勝利されたお方です。その復活の主キリストが今も聖霊において力強く働いておられるのです。この主キリストに望みを置いて生きていきましょう。