メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


「信仰に基づいてしっかり立ちなさい」 コリントの信徒への手紙一16章13−24節


「目を覚ましていなさい。信仰に基づいてしっかり立ちなさい。雄々しく強く生きなさい。何事も愛をもって行いなさい。」(13〜14節)
これは、パウロがコリントの信徒への手紙一を閉じるにあたって、最後に語っている言葉です。たくさんのことを語った後で、最後に、信仰者の基本的な生き方について語っているのです。
「目を覚ましている」とは、心の目が主キリストの救いの働き(霊的臨在)に対して、目覚めている、ということです。私たちの心は、すぐに日々の思い煩いや自分自身の思いに囚われ、支配されて、主イエスの救いのお働きに対して心を閉ざし、「眠り込んで」しまうのです。不信仰の「暗闇に追いつかれ」(ヨハネ福音書12章35節)、無力な信仰の歩みになりがちなのです。
それに対して、パウロは「目を覚ましていなさい」と言うのです。主イエスの救いに対して目覚め、主イエスの霊のご臨在の恵みに与り、「信仰に基づいた」堅固な歩みに励みなさい、と言うのです。この世の不信仰の誘惑が内からも外からも迫ってきて、私たちの信仰の歩みを弱めるのです。その中で、目覚めて、主の救いに頼ることによって、心強められ、信仰に堅く立つので す。そして、主の救いに与る時、私たちは信仰の確信に燃え、どんな状況の中でも「雄々しく強く生きる」力を与えられるのです。
しかし信仰は、ただ「雄々しく強く生きる」だけでは、足りないのです。それが「愛」(アガペー)の生き方によって表わされなければ、本当ではないのです。どこまでも健全なパウロの信仰の説き証しであることを思います。