メッセージ　　(説教より） 「コリントの信徒への手紙一」

　「勝利を賜る神に感謝しよう」　　　　　　　　コリントの信徒への手紙一15章50−58節

　「死は勝利にのみ込まれた。死よ、お前の勝利はどこにあるのか。死よ、お前のとげはどこにあるのか。」（54〜55節）と言われています。人間の最後の敵である死に対する主イエスの力強い勝利について語られた言葉です。
　死に対する主イエスの勝利は、主イエスが十字架の死からよみがえられた復活の出来事において明らかにされました。確かにその主イエスの復活こそ、主イエスの決定的な勝利です。でもそれは、ある意味ではまだ隠された勝利なのです。信じる者たちにのみ明らかにされた勝利なのです。
　その主イエスの復活の勝利が、すべての人の目に明らかになる時が来るのです。「わたしたちは皆、眠りにつくわけではありません。わたしたちは皆、今とは異なる状態に変えられます。最後のラッパが鳴るとともに、たちまち、一瞬のうちにです。」（51〜52節）と言われています。すべての人間が主イエスの復活の命に与り、死の眠りから目覚めさせられ、改めて真に神の御前に立たされる時が来るということではないでしょうか。そのようにして主イエスの復活がすべての人の身に及ぶのです。その時こそ、主イエスの復活の勝利がだれの目にも明らかな仕方で示されるのです。
　神は主イエス・キリストによって私たちに勝利を与えてくださるのです。そうであれば、「動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励む」信仰の生活が勧められているのです。「主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならない」ことを、私たちは知っているからです（58節）。神は、決して「主に結ばれている」者をお見捨てになることはないからです。