メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


 「死者が復活しないとしたら」        コリントの信徒への手紙一15章29−34節

 死者の復活は、あくまで主イエスの復活を念頭に置いて言えることなのです。そして主イエスの復活は、主イエスの十字架の死の真実によったのです。主イエスが真実に人間の罪を負う十字架の死を全うしてくださったことを、天の父なる神ご自身がご覧になり、それを喜ばれた故に、全能の神の御力が主イエスに加えられ、主イエスは死からよみがえらされたのです。
 主イエスの十字架の真実が、神の全能を明らかにしたのです。主イエスの十字架の真実が、それを喜び、祝福し、全能の御力をもって死人の中からの復活を行ってくださる神がおられることを、明らかにしたのです。そして、主イエスの復活の故に、すべての人間が死人の中からよみがえらされ、改めて神の御前に立たされるという事実が、明らかにされたのです。
 主イエスの真実が、神の御前に正直に祈り、罪を言い表すことを喜ばれる神がおられることを、明らかにしたのです。そういう神がおられることを知る故に、私たちは人に知られないところで祈り、謙遜に生き、聖霊の助けに頼りつつ生きることに喜びを見出すことができるのです。そういう神がおられることを知る故に、困難を耐え忍び、信仰のために「危険を冒す」(30節)ことも辞さない勇気と力を与えられるのです。
 そういう神がおられず、死者が復活しないとしたら、「食べたり飲んだりしようではないか。どうせ明日は死ぬ身ではないか」(32節)という思いに、誰もが誘われるのではないでしょうか。しかし、事実、そういう神がおられることを主イエス・キリストご自身が明らかにしてくださったのです。