メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


「あなたがたはキリストの体」 コリントの信徒への手紙一12章27-31節

 「神は、教会の中にいろいろな人をお立てになりました。第一に使徒、第二に預言者、第三に教師、次に…」(28節)とパウロは言っています。
 教会の中ではどんなに小さな働きも、どんなに弱い生き方も決して排除されることなく、一人ひとりが重んじられ、「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶ」(26節)交わりこそ、「キリストの体」なる教会の真の姿であることを強調した上で、パウロは、教会の中での信仰の指導者の働きの大切さについても語っているのです。
 信仰の指導者の最も大切な働きは何でしょうか。それは、教会を主の教会として守ることです。主キリストがいつも教会の中心にあって、豊かに生きて働いてくださるように守るのです。人間的な肉の思いが教会の中を支配しないようにするのです。そして、そのために大切なことは、常に正しい信仰の理解に立つことです。そのように教会を導くのが、信仰の指導者の働きなのです。
 一つの例を挙げます。主イエスとはどのような方なのでしょう。主イエスは、マリアの子供としてお生まれになった私たちと全く同じ一人の人間です。ただ、主イエスは「アッバ、父よ」と祈る中で、聖霊に満たされ、あらゆる人間の肉の働きから守られた「聖い」お方なのです。そのお方が十字架の死を真実に愛と赦しの中に受け抜いてくださることによって、主イエスの死がすべての人間の罪を贖う力を持ったのです。天の父なる神が主イエスの十字架の死を、人間の罪を贖う死であると認めてくださったからです。それ故に、主イエスの死の体に神の全能の御力が働くことによって、主イエスは罪と死に勝利する復活の命に生きるお方となられたのです。この主イエスを信じることによって、私たちもまた主イエスの復活の聖き命に生かされ、そこに、「キリストの体」なる教会のこの世にはない真実の交わりが形成されるのです。