メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


「霊の賜物」    コリントの信徒への手紙一 12章4−11節

 「これらすべてのことは、同じ唯一の“霊”の働きであって、“霊”は望むままに、それを一人一人に分け与えてくださるのです」(11節)とあります。同じ唯一の神、主キリストの霊は、御自身が望むままに、信じる者一人ひとりの中に働いて、一人ひとりの賜物を生かしてくださるのです。それによって、主の体なる教会は、多くの賜物によって豊かに支えられ、形成されていくのです。「一人一人に“霊”の働きが現れるのは、全体の益となるためです」(7節)とある通りです。
 「望むままに」(11節)とあります。主の霊は、主の自由な憐れみの主権性の中で、一人ひとりに与えられるのです。私たち自身の考えや判断に従ってではないのです。それなら私たちは、この人はクリスチャンらしい、この人はクリスチャンらしくないと言って、人を裁くことは慎まなければなりません。私たち人間の判断を越えて、自由な憐れみの恵みの中で、神は一人ひとりに霊の恵みをお与えになるのですから。ただ私たちは感謝と恐れをもって、一人ひとりに分け与えられた賜物を受け入れ合うべきなのです。
「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである」(ヨハネ福音書3章8節)とあります。私たち自身になにか取り柄があるから、選ばれたのではないのです。ただ神が、私を憐れんで、主キリストの救いに生かそうとお望みになられた故に、主の僕として生きることが赦されているのです。この神の恵みに感謝しつつ、主の教会の交わりの中に生きていきましょう。