メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


「霊的な賜物」          コリントの信徒への手紙一12章4−11節


 少し先の個所に「目が手に向かって『お前は要らない』とは言えず、また、頭が足に向かって『お前たちは要らない』とも言えません」(21節)とあります。教会の枝に連なる一人ひとりが、教会にとって必要不可欠な構成要素なのです。一人ひとりがかけがえのない「霊的な賜物」を与えられているのです。
 教会の中で特別な奉仕をせず、ただ主の日の礼拝を守るだけであっても、礼拝を守ること自体が神に対する「最大の奉仕」(礼拝自体が神奉仕)ですから、尊いことに違いなのですが、それだけでなく、教会に連なる一人ひとりの存在自体が、教会にとって不可欠の構成要素なのです。「あなたは要らない」と言うことは決してできないのです。
 教会に連なる一人ひとりがキリストの「香り」(第二コリント2章14節)を放っており、それによって教会を支えているのです。主キリストご自身が一人ひとりを通して御自身の香りを放っていてくださるのです。その意味で、一人ひとりの存在が教会にとってかけがえのないものなのです。
 もし私たちが、わたしはあなたからキリストの香りをかぐことができない、と言うなら、私たち自身の信仰が問われているのです。私たち自身の心の高ぶりが問題なのです。主イエスを信じ主の教会に連なる人は、その人の信仰がどんなに小さなものであるとしても、その人を通してキリストの「香り」が放たれているのです。キリストご自身がその人を用いてくださるのです。その意味で、私たちは「へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え」(フィリピ2章3節)なければならないのです。