メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」


「平和な生活を送るために」    第一コリント書7章8−16節


 結婚はデリケートな問題です。特に、信者でない相手との結婚をどう考えたらよいかは、信仰者にとって悩ましい問題です。そのことについてパウロはこう語っています。「ある信者に信者でない妻がいて、その妻が一緒に生活を続けたいと思っている場合、彼女を離縁してはいけない。」その逆も同様である。なぜなら「信者でない妻は、信者である夫のゆえに聖なる者とされているから」であり、逆の場合も同様だから(12〜14節)、と言うのです。
信じる者は「主と一つの霊につながっている」(6章17節)ので、その者と結婚している者も、間接的ではあっても、主と結びついて「聖なる者」にされている、と言うのです。深く慰められることではないでしょうか。
 信仰は、夫婦といえども別で、神の御前における一人ひとりの信仰の決断が問われることは明らかですが(16節)、信じる者の主との交わりが伴侶の魂の救いにとって少しでも益となるなら、その結婚は大切にされなければならない、とパウロは言うのです。
 そのことを踏まえた上で、パウロは「夫であろうと妻であろうと、結婚に縛られてはいません。平和な生活を送るようにと、神はあなたがたを召されたのです。」(15節)と語るのです。「平和」とは、主キリストが与えてくださる心の平安のことです。その生活を本当に大切にするという立場から、人は結婚に「縛られていない」と言って、結婚に対する自由な態度を明らかにしているのです。結婚をしようがしまいが、「平和な生活」を送ることができるかどうかが、最も大切なことである、とパウロは語っているのです。