メッセージ (説教より) 「コリントの信徒への手紙一」 |
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「サタンの誘惑から守られるために」 第一コリント書7章1−7節
「あなたがたが自分を抑制する力がないのに乗じて、サタンが誘惑しないともかぎらないからです」(5節)とあります。性的な欲望によって心が支配され、それによって主キリストの救いに生きる信仰の生活が妨げられ、信仰から離れることがないように、そのためには結婚生活を大切にして、精神的にも肉体的にも落ち着いた安定した生活をすることが大切である、とパウロは語るのです。あまりの現実的な話に驚かされますが、確かに信仰生活にはそのような面があるのではないでしょうか。
主キリストを信じる信仰生活において大切なことは、自分を主キリストに委ねることです。キリストに自分の重荷を下ろすのです。すると、憐れみの主が全能の御手をもって私の中に生きて働いてくださり、それによって私は主が共にいてくださる信仰の平安と喜びの中に生きることができるのです。
ただ、自分を主のものとして主に献げる(委ねる)ことが難しいのです。それが救いの道なのですが、自分の重荷や思い煩いに心が捕えられて、自分を主に献げることができないのです。性の囚われも、そうなのです。
そこでパウロは、そのような囚われから解放されて、心から主に頼ることができるように、結婚生活を大切にしなさい、と言うのです。
結婚生活は、「キリストと教会」(エフェソ5章32節)を証しするという最も大切な意義があるのですが、同時に、落ち着いた信仰生活をするために必要であるというきわめて現実的な意味も持っている、とパウロは語るのです。他方で、結婚しないで主に仕える信仰生活の尊さ(1節、7節)を語りながら。