メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」





 忠実な管理者として          第一コリント書4章1−5節

 「キリストに仕える者」(1節)とあります。キリストに仕えると言うと、私たちはすぐ、キリストのために何か良いことをする、と考えがちです。しかし、そうではないのです。私たちがキリストのために何かを行う前に、主キリストご自身が私たちのために「仕えて」くださるのです。キリストご自身が、私たちの罪を憐れみ赦しつつ、私たちを受け入れ、私たちがキリストご自身の聖き命に与って生きることができるように、聖霊の恵みによって私たちの中に生きて働いてくださるのです(ガラテヤ2章20節)。
 そのキリストご自身の奉仕を、まず私たち自身がしっかりと「受ける」のです。キリストご自身の救いのお働きを、私たち自身が十分に自分の身に受けることができるようにするのです。そして、そのために私たちに求められているただ一つのことが「忠実である」(2節)ことなのです。「忠実である」という言葉は、「信仰深い」という意味の言葉でもありますが、何より「誠実である」「真実である」という意味の言葉です。
 主キリストが、聖霊の恵みをもって私の中に生きて働いてくださいます。その「神の秘められた計画」(神の救いの奥義 1節)を、どこまでも従順に受け入れていくのです。その点で「忠実な管理者」となるのです。そのことが、キリストに仕える者にとって最も大切なことなのです。
 そのようにして主キリストの救いの恵みに深く与り、主が共にいてくださる(インマヌエル)の恵みに生かされる時、初めて私たちは主の僕として、主のために良き働きをすることができるのです。