メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙一」





「キリストとの交わりに入る」    第一コリント1章4−9節

「キリスト・イエスによって神の恵みを受けた」(4節)とあります。神の恵みとは、主イエス・キリストご自身のことであり、「主イエス・キリストとの交わりに招き入れられ」(9節)ることです。
 パウロは、コリントの教会の人々が、聖霊の働きの中で、その神の救いの恵みの中に招き入れられたことを感謝すると共に、その恵みの中にいよいよ深く生かされることによって、「神の教会」に「召されて聖なる者とされた」(2節)人間にふさわしく生きることを願っているのです。
「キリストについての証しがあなたがたの間で確かなものとなった」(6節)とあります。「キリストについての証し」とは、主キリストご自身が聖霊において私たちの魂に臨んでくださり、私たちの魂をあらゆる思い煩いや肉の囚われから守って、「主にある平安」(3節)の中に生かしてくださることです。
そのキリストの救いの働きがコリントの人々の中で「確かなもの」として信じられるようになったのだから、いよいよその恵みに与って、信仰における「あらゆる言葉、あらゆる知識」(5節)において豊かにされつつ力強く生きてほしいと、パウロは願っているのです。
主キリストの救いの恵みが私たちの中で「確かなもの」とされ、その恵みに生かされるただ一つの道は、神の御前に自らの罪を言い表す謙遜な「砕かれた心」(詩編51編19節)を献げることです。この恵みは日々新しく豊かに生かされることが、すべての信仰者の願いなのです。