メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」






「パウロの第2回宣教旅行」         使徒言行録15章36−16章5節

 使徒言行録15章36節以下に、パウロの第2回宣教旅行のことが記されています。この宣教旅行において、初めて福音がパウロによってヨーロッパにもたらされました。フィリピ、テサロニケ、コリントの町々に教会が建てられ、そこに宛ててパウロの手紙が書かれ、それらの手紙が福音の書として読まれることを通して、ヨーロッパのキリスト教文明が花開いて行ったことを思う時、パウロの第2回宣教旅行の重要さを改めて思わされます。
 「アジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられ」(16章6節)、「ビティニア州に入ろうとしたが、イエスの霊がそれを許さ」ず(7節)、トロアスに下ったその夜、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」(9節)という幻を見た時、パウロは「マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだ」と確信して、直ちにマケドニアへ向けて出発したのです(10節)。不思議な神の導きを思います。
 福音宣教の中心は、主イエス・キリストの出来事が、神の救いの出来事として私たちの魂に刻み込まれることです。その時、私たちの魂の「武装」が取り除かれ、キリストの真理が心の中心を占めるようになるのです。そのようにして一人ひとりの魂が、聖霊の働きの中で福音によって捕えられるのです。それが「救われる」ことです。パウロ自身が福音によって捕えられ、その中で福音を語る時、そこに聖霊が働いて、パウロの福音を聞く人々の心の中にキリストが伝えられ、キリストによって捕えられた魂が生まれるのです。そのようにして福音は一人ひとりに伝えられて行くのです。