メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」






「ペトロの幻」  使徒言行録10章34−43節

 異邦人であるカイサリアの百人隊長コルネリウスに対するペトロの福音宣教が使徒言行録10〜11章にわたって丁寧に記されています。このペトロによる異邦人伝道を契機に、教会は本格的な異邦人伝道へと導かれていくのです。
 この個所で強調されていることは、異邦人も福音を受け入れ、聖霊の賜物を受けることができる、ということです。ペテロたちは、改めてその事実に目を開かれたのです。「ペトロがこれらのことをなおも話し続けていると、御言葉を聞いている一同の上に聖霊が降った。割礼を受けている信者で、ペトロと一緒に来た人は皆、聖霊の賜物が異邦人の上にも注がれるのを見て、大いに驚いた。」(44〜45節)とあります。
ペトロたちは、「神は人を分け隔てなさらない」「どんな国の人でも、神を畏れて正しいことを行う(主の福音を受け入れる)人は、神に受け入れられる」(34〜35節)ことを身をもって実感したのです。
38節以下に福音の原型(ケリュグマ)が語られています。「ナザレのイエスのことです。神は、聖霊と力によってこの方を油注がれた者となさいました。イエスは、方々を巡り歩いて人々を助け、悪魔に苦しめられている人たちをすべていやされたのですが、それは、神がご一緒だったからです。…」
神と共に歩み、聖霊に満たされつつ「汝の隣人を愛せよ」を十字架の死に至るまで実践された主イエスの真実は、誰の心をも揺さぶり捕らえるのではないでしょうか。そして、主イエスが神から遣わされたすべての人間の救い主であると信じて、主の救いに生かされる者となるのではないでしょうか。