メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」






「聖霊によるバプテスマを授ける」       使徒言行録1章3−11節

「イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。」(3節)とあります。
主イエスの復活のお体は、弟子たちと「食事を共にする」(4節)ことができる、私たちと全く同じ肉体をもった実在ですが、その主のお体の中に人間の罪と死に勝利された神の復活の命が宿っている故に、人間の時間と空間を越えた存在でもあります。そのような復活の主イエスの存在は、私たちには非現実のように思われますが、主イエスの復活の命に与らなければ、私たちが真に罪に勝利することができないことを知る時、主イエスの復活のお体の方が本当の実在であって、私たち人間の現実の方が、それ自体では本当の意味と力をもたない「非現実」であることを知ることができるのです。
弟子たちは、復活の主イエスとの40日間の交わりの中で、そのことを深く理解することができたのです。時間と空間を越えて、自由にご自身を「啓示」される主イエスこそ、本当に「生きている」お方であること、その主の復活の命に与ることが、神の救いに生かされることであり、そのような主イエスによる救いこそ「神の国」(神の統治・支配)の働きであることを弟子たちは心から信じることができたのです。
「父の約束されたものを待ちなさい。…あなたがたは間もなく聖霊による洗礼(バプテスマ)を授けられるからである。」(4〜5節)と主は言われました。聖霊によるバプテスマによって、主イエスによる「神の国」の御業が始められるのです。