メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」






「天に上げられた」      使徒言行録 1章1−14節

 復活された主イエスは、40日間にわたって復活のご自身を弟子たちに示されました(3節)。主イエスの復活顕現が40日間にわたって行われたことに驚かされます。そのこと自体が、弟子たちに対する主イエスの配慮でした。
 この世の現実の中で、弟子たちは、繰り返し主イエスの復活を「疑う」者だったからです。復活の主イエスに出会いその交わりを喜んでも、次の瞬間には弟子たちは、この世の現実の中で、主イエスの復活は本当のことだろうか、夢、幻ではないだろうか、と疑うのです。主イエスの復活はそれほどに人間の理解を超える出来事だったからです。
 それ故に主イエスは、40日間にわたって繰り返し復活のご自身を弟子たちに示され、主イエスが神の御子、救い主として、人間の罪と死の真の勝利者として生きて働いておられることを弟子たちの心に刻みつけてくださったのです。そして、40日後、主イエスは弟子たちに、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、・・・地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(8節)という「聖霊の約束」を残して、「天に上げられ」(11節)父なる神の御許に帰って行かれたのです。
 主イエスが「天に上げられる」とは、もはや主イエスの復活の姿を見ることができないということです。どんなにお会いしたくても。しかし弟子たちは、復活の主イエスとの40日間の交わりの故に、心から主イエスを「信じる」者とされたのです。主イエスを信じて、聖霊の約束に頼る者とされたのです。この日のために、復活の主イエスは弟子たちを備えてくださったのです。