メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」


「教会の誕生」
                使徒言行録 2章 1-13節


 今日は、ペンテコステ、聖霊降臨日です。弟子たちの上に聖霊が降り、弟
子たちは燃えるような心を持って、主イエスの福音を宣べ伝え始めました。
主イエスが神から遣わされたまことのメシアであること、主イエスの十字架
はすべての人間の罪の赦しの出来事であり、主イエスの復活は人間を罪と死
から救う神の全能の御力が現わされた救いの出来事であること、天に昇られ
た主イエスが今や聖霊の働きの中で生きて働いていてくださることを弟子た
ちは力強く宣べ伝え始めたのです。こうしてキリスト教会が誕生したのです。
 聖霊は主キリストご自身の霊です。天に昇られた主イエスが信じる者たち
の魂のうちに臨み、信じる者を主の清き命に生かしてくださるという出来事
です。この出来事が与えられて、初めて私たちは信仰者として力を与えられ
るのです。聖霊を与えられることが主の命に与かって生かされることだから
です。聖霊が与えられなければ、私たちの信仰は一つの観念、思想にとどま
るのです。聖霊によって私たちの信仰は命を与えられるのです。そして聖霊
が与えられるために、私たちは深く祈らなければならないのです。
 教会生活で最も気をつけなければならない問題は、アナニアとサフィラの
問題(使徒言行録5勝1節以下)です。アナニアとサフィラは自分の土地を
売って教会に献金しましたが、そこに小さなうそがありました。売った土地
の一部を全部と言って、献金したのです。人間的には小さなうそであり、む
しろ良いことにさえ見えますが、それは「聖霊を欺く」(3節)ことだったの
です。人間的に良いことであっても、聖霊を欺くことであってはならないの
です。そこに真の命はありません。そこに、主の命に生かされる救いの喜び
はなく、罪と闘う力はありません。私たちはこのことをよく弁えなければな
らないと思うのです。