メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」


「神の言葉に専心する」    使徒言行録6章1-7節

「わたしたちが、神の言葉をないがしろにして、食事の世話をするのは好ましくない。それで、兄弟たち、あなたがたの中から、“霊”と知恵に満ちた評判の良い人を七人選びなさい。彼らにその仕事を任せよう。わたしたちは、祈りと御言葉の奉仕に専念することにします。」(2~4節)
 このような考えのもとに、貧しい人々への食事の世話など、教会の様々な実務を担当するために、7人の「執事」が選ばれました。教会の進展に伴い、新しい職務が必要になったのです。その職務につく者は、「“霊”と知恵に満ちた評判の良い」人でなければなりませんでした。細々とした教会の実務を誠実に、公平に行うためには、しっかりと信仰に立って判断し行動することができる人でなければならなかったからです。
 教会にとって最も重要な働きは、神の言葉を語る「説教者」の務めです。この務めのために説教者は、教会の実務からできるだけ解放されて、「祈りと御言葉の奉仕に専念する」ことが求められるのです。
 神の言葉を語ることができるためには、説教者自身が神の御前に心砕かれ、神の言葉によって捕えられ生かされた者とならなければなりません。そのために説教者は、時間をかけて神の御前に祈り、御言葉と一つに結び合わされなければならないのです。そのようにして始めて、神の言葉を語る者とされるのです。労多き務めです。しかし、教会が主キリストの教会として歩み続けるためには、なくてならない務めなのです。この務めのために説教者は、できるだけ教会の実務から解放されて、御言葉に専心する必要があるのです。