メッセージ  (説教より)
「マタイによる福音書」


「東方の博士たち」  
                マタイによる福音書 2章 1-12節

 博士たちは、はるばる遠くの東から旅してきました。やっとのこと、星の下の幼子を探し当てたのです。私たちも礼拝に集うとき、喜びにあふれて教会の扉をくぐり中に入ります。そこには主がおられます。博士たちはひれ伏して、幼子を拝みました。私たちも同じ思いで礼拝に集います。それは主の前で自分を捨てることです。自分を中心とするのではなく、主を私のなかにお迎えするということです。
 そして、博士らは宝の箱を開いて、黄金、乳香、没薬を贈り物として主に献げました。それらは、どれも高価な宝物で、占星術を執り行う時に用いる商売道具でもあったといいます。博士たちは、主の前に、自らの宝を、自らの仕事の大切なものをお献げしました。主を礼拝するということは、自分自身をお献げするということなのです。
 私たちは自分の宝に固くカギをかけて、誰の目にもふれないように隠します。宝の箱はいつでも閉じたままです。けれども、今こそ、自分の宝の箱を開けて、神さまからいただいた、私たちのそれぞれの賜物を、自分のためだけに用いるのではなくて、主のために用いる者と変えられてゆくのです。