メッセージ  (説教より)
「ルカによる福音書」


「主イエスの洗礼」  
            ルカによる福音書 3章15-22節

 主イエスの公生涯のはじまり、今日がその公現日です。それは、言い換えれば、イエスさまが十字架の死を覚悟する日、十字架の苦しみをも耐え抜き、それでも神の愛のうちに生きぬくことを固く決意した日であります。友のために命を捨てる事、これ以上にまさる愛はない、そのことを、身をもって示さねばならない。ヨルダン川の岸辺で、今、神の御子が自分自身を聖別されるのです。
 地上でもっとも低い土地を流れる川辺で、もっともいと高き神の祝福がありました。「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえてくるのです。地上では川のせせらぎの音が聞こえます。地上でもっとも低い場所へ水が流れている。いや、主イエスが、地上でもっとも低くされる、卑しめられ、辱められ、苦しみを味あわせられる。屠(ほふ)り場に引かれる子羊のように、毛を切る者の前にものも言わない羊のように。ヨルダン川で主が洗礼をお受けになられた。
 川の向こう岸へ、新しい人の方へ、私たちも近づいてゆきたい。新しい年を迎え、ヨルダン川を越えて、主の道をみなさんと共に雄々しく歩んで参りたいと願います。