メッセージ  (説教より)
「ヨハネによる福音書」

「まことの羊飼い」
             ヨハネによる福音書10章 7−18節

 

 イエスさまのまなざしは、閉じられたひとつの民族(ユダヤ)にだけ向けられているものではありませんでした。神さまの愛は、広く全世界におよぶものです。囲いの外にいる羊をも導かなければならないとおっしゃるイエスさま。そして、その外にいる羊たちもイエスさまの声を聞き分け、従うのです。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れとなるのです。そのために、囲いの外の羊をも導くために、まことの羊飼いである主は命をお捨てになられました。イエスさまこそが、わたしたちのまことの羊飼いなのです。
 そして、同じようにイエスさまにとって、父なる神さまが、まことの羊飼いであると示されます。主の十字架のご受難とご復活は、神の定めであるとおっしゃるのです。「わたしは自分で命を捨てる。」ヨハネ福音書において、主は決して弱くて無力なお方ではありません。イエスさまは、羊のために体を張って猛獣と勇ましく戦い、自ら進んで命を落とすまことの羊飼いなのです。