メッセージ  (説教より)
「創世記」

「ノアの箱舟」
                  創世記 9章 8-17節


 神さまがノアたちに言われた契約のしるしは、虹を大地の上に現わすというものでした。それは、生きとし生けるものをすべて滅ぼすことは決してない、という契約のしるしです。神さまが虹を見て、契約に心を留めるためです。この虹という言葉は、聖書の原語で弓という意味があります。神さまが虹を見て、すべてを滅ぼすことはないと誓われるということは、人間が弓を天において、つまり、戦いを放棄した時に神さまは祝福をしてくださると読むこともできるのです。
 神さまがイエスさまを私たちにお示しになられたのは、虹を見て、弓を持たない人の上に、あなたのことを滅ぼすことはないと、新しい約束をしてくださったのです。ですから、イエスさまは弓を持たない、貧しい人のなかに、弓ではなく網をおろす漁師たちのなかに、病の人たち、社会から虐げられている人たちのなかに現れてくださったのです。
 私がわたしがと自分の強さに、自分の弓にたよって生きている人にではなくて、弓を持たずに、自分を捨てて、自分の十字架を自ら背負って、罪を悔い改めるもっとも小さなもののなかに、主は来てくださるのです。