メッセージ  (説教より)
「エフェソの信徒への手紙」


「仕え合う家族」

       エフェソの信徒への手紙 5章21節- 6章 4節

 この手紙は、パウロがかつて3年の間エフェソに滞在し、育てた教会に宛てて獄中から書き送った手紙です。牢屋の中、時間はたっぷりとありますから、愛するエフェソの人たちへ、ゆっくりと思いを巡らせながら、綴った手紙です。その中で、家庭の一致を強く勧めています。それは、教会の中で、神の家族として共に歩むには、それぞれの家庭の平安が欠かせないことを、おそらくパウロは深く考えていたのでしょう。同時に家庭の平和を築いていくには、不断の努力が必要であることをも、当然分かっていました。
 主の愛によって、夫婦が互いに仕え合う姿は、理想であります。けれども、キリストに対する畏れがあるのならば、それは理想ではなく、主による恵みの業として豊かに与えられ、導かれるというのです。なぜなら、自分を愛する思いで、夫は妻を、妻は夫を無意識にも支配しようとしてしまう、親は子供を自分の所有物としてしまう、そのような罪をも主は贖い、キリストに対する畏れは、私たちを悔い改めへと導き、家庭内においても互いに仕え合うことが許されるからです。