メッセージ  (説教より)
「サムエル記下」


「ダビデに油を注ぎ」
                サムエル記下 5章 1~ 5節

 新しく王をたてるときに、イスラエルでは油注ぎが行われました。ダビデは三度も、サムエルから、ユダの人々から、そしてイスラエルの全長老たちから油が注がれました。大切なことは、油を注ぐものがだれであろうと、その権威は注ぐものではなく、全て神に帰せられると言うことです。油注ぎは主の御心です。だから油注がれた者のことを、メシアと呼ぶのです。
 そして、メシアのことを新約聖書のギリシャ語でキリストといいます。イエスさまへの油注ぎは、預言者からでも、祭司からでもありませんでした。ベタニアで一人の女性から油が注がれました。高価なナルドの香油です。そこは重い皮膚病の人シモンの家でありました。きらびやかな王宮のなかではなく、人々から忌み嫌われて、だれも近づかないシモンその人の家の中で、高価なナルドの香油が入った石膏の壺が割られ、かぐわしい香りが、貧しいシモンの家のなかいっぱいに広がりました。私たちの主は苦難のメシアであられます。重荷を背負ってくださるメシアです。贖罪(しょくざい)のキリストです。その権威は油を注ぐ私たちにではなく、全てが神に帰せられるのです。