どういうときに整形外科?

 

「『整形外科』っていったいどんな症状があるときにかかる診療科なの?外科と整形外科の違いってなに?内科とか外科とかってどんな症状のときに受診するの?」という疑問を抱いたことがあるのではないのでしょうか。大学病院のような総合病院ではそれぞれ専門の科の診察に特化し、基本的に他科の診察は行いませんが、小さなクリニックでは外科であっても整形外科的な診療・処置を行ったり、内科であっても外科的な診療・処置を行ったりすることは多々あります。また、病気・疾患によっては完全に「○○科」と明確に分けられるものではなく、いくつかの診療科にまたがっている(=各診療科で専門治療としての治療が可能)ものもあります。医師は医師研修時に一旦全ての診療科の勉強を行っていますし、その後の勉強・経験などから他科の診察を行うことも可能ではありますが、やはり第一選択(ファースト・チョイス)はその分野の専門医の診察を受けることがお勧めです。

整形外科の専門分野は大きく分けて以下の6つがあります;

 関節の痛み・変形

 肩・肘・手首、股関節(足の付け根部分)・膝・足首・足など全身の関節トラブルに対処します。

*典型的なリウマチ初期症状として; @40歳以上の女性、A両手の指が朝に硬くなって痛い、という症状が見られます。リウマチは血液検査、レントゲン検査によって診断可能ですので、心配な方は一度検査をされることをお勧めします。早期に治療を開始することにより、将来の関節変形を予防し症状を抑えることができます。

 腰痛、首の痛み、肩こりなど

 ある程度年齢を重ねると「肩が凝る」「腰が痛い」といった症状は多くの人に見られることですが、「手がしびれる」といった症状は頚椎(首の骨)に問題があることも多く見受けられます。レントゲンで確認することにより脊髄狭窄などの原因を確認することが出来ます。適切な検査を行い、必要に応じてリハビリテーション、薬物治療を行います。MRIなど更に精密検査が必要な時は近隣の医療機関に依頼して撮影をしてきていただきます。

 けが全般

 打ち身、ねんざ、骨折が整形外科の専門分野であることは良く知られてことと思いますが、 手足の皮膚、筋肉、神経などの切り傷、化膿した傷の治療も整形外科の専門です。

 *頭部の打撲・骨折は脳外科の専門分野になります
 *顔面部の切り傷、顔面部の化膿した傷は形成外科皮膚科の専門分野となります

 骨粗しょう症

 骨がスポンジのようにスカスカになってしまう症状のことです。骨粗しょう症になると骨がもろく 骨折しやすくなります。この症状は特にホルモンバランスの関係で女性に多く見られる症状です。 50歳を過ぎた女性、過去に骨折したことがある方は骨密度測定、血液・尿検査を行い、骨粗 しょう症のチェックをすることをお勧めします。 当院では名古屋市の骨粗鬆症検診を行っております。詳しくは窓口でお尋ねください。

*治療を行うことにより、将来の骨折の可能性を減らすことが証明されています。

 手足の機能障害

 転びやすくなった、手・足がしびれるといった症状は整形外科的な病気が考えられます。ご自身の現在の骨や筋肉の状態をきちんと把握するためにも、診察を受けることをお勧めします。

 皮膚の下のしこり、腫瘍

 皮膚の下にコリッとしたしこりを感じたり、一見何ともないけれど痛い、痛いほどではないが気になる、だんだん大きくなってきている、という症状がある場合は早めに受診することをお勧めします

 

*整形外科はよく形成外科や美容外科と混同されます。形成外科は体の醜形(生まれつきのものやヤケド・ケガなどでの)を治すのを主たる目的とする医学の一分野です。美容外科は、主として形成外科医が行なう機能的には問題がない醜形(病気とは言えないもの)を扱う診療科です