2025年1月1日 メッセージ要旨
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 新年礼拝 

 からし種に似た御国の力

                         マタイの福音書 13章31~32節
 
                                                                                                                                      
     
          天の御国はからし種に似ています
                                     マタイの福音書 13章31節
(抜粋)                 
           
 種は蒔かれることで芽を出します。大きく成長するからし種も、蒔かれなければ、小さな種のままです。私たちに与えられている種を、神の招き応じて蒔くことで、御国の力が芽を出し、私たちに働き始めます。
 5千人の給食の場面でアンデレは、「ここに、大麦のパン5つと、魚2匹を持っている少年がいます。でも、こんなに大勢の人々では、それが何になるでしょう」(ヨハネの福音書6章9節)と言っています。私たちもからし種のように小さく、「こんな小さな種を蒔いたところで、何になるだろう」と躊躇するかもしれません。けれども、からし種はどんなに小さくても、蒔けばどの野菜よりも大きくなって木となるのです(32節)。
 タラントのたとえの中で(マタイの福音書25章14~30節)、主人から預かったタラントを地の中に隠しておいたのは、1タラント預かったしもべでした。5タラント、2タラントに比べたら、1タラントは少なく思えたかもしれません。しかし、1タラントというのは決して小さな額ではなく、6千日分の労賃に相当するのです。小さなからし種に、どの野菜よりも大きくなって木となる未来が秘められているように、1タラントには色々な可能性が秘められているのです。
 それなのに、しもべはその賜物を地の中に隠してしまいました。しもべが「私は怖くなり」と言っているように、神の招きに応えることを難しくする背後に「恐れ」があります。神の求めておられることが、小さな自分を超えた大きなもののように感じて恐れてしまうのです。しもべも「あなた様は蒔かなかったところから刈り取り、散らさなかったところからかき集める」と言っています(マタイの福音書章25章24~25節)。
 しかし、神はそのような無理な要求をなさる方ではありません。草木がひとりでに生長するように、神の国は御力によりひとりでに生長します。私たちのすべきことは、ただ信じること、信頼して神の招きに応えていくことなのです。
 弟子たちは、神の国が劇的に、すぐに完成すると考えていたようです(使徒の働き1章6節)。しかし、からし種は一夜にして大きくなるのではありません。小さなからし種が大きく成長するには時間がかかります。神の国も小さく始まってゆっくりと広がり、成長し、やがて完成します。始まりが小さくても、思うように進まなくても、軽んじたり、がっかりしたりする必要はないのです。
 「天の御国はからし種に似ています」と、このみことばを今年の年間聖句に掲げました。小さなからし種が大きく成長するように、神の国も小さな私たちから他の人々へと広がっていきます。御国の力を味わうことができるように、神の招きに応じて種を蒔いてまいりましょう。