しかし、主の使いが夢に現れ、恐れずにマリアを妻として迎えるようヨセフに命じます。そして、聖霊によってマリアの胎に宿っているその子の名をイエスとつけるよう命じます(20～21節)。

　ヨセフは困惑したことでしょう。しかし、彼は、この御告げが神のみこころであると信じて、主の使いが命じたとおりにマリアを迎え入れます(24節)。

　神がヨセフにお与えになった役割は、実の子ではない救い主を胎に宿す妻を迎え入れるというものでした。それは、本来彼が望んでいたマリアとの暮らしとは、大きく異なっていたことでしょう。ヨセフは複雑な気持ちを抱いたのではないでしょうか。しかし、彼は、救い主誕生のご計画が成就するために組み込まれたその役割を引き受けたのです(22節)。

　インマヌエル（神が私たちとともにおられる）という名は(23節)、神の臨在を人々にもたらすイエス様の使命を示しています。イエス様は、神の臨在から引き離している罪から私たちをお救いくださり(21節)、私たちに神の臨在をもたらしてくださいました。

　イエス様は、私たちが罪赦され、神との親しい交わりを得るために、十字架の上で私たちの罪を負われました。ゲツセマネで、「父よ、みこころなら、この杯をわたしから取り去ってください」と祈られるほど、イエス様にとって十字架は、できれば避けたいことだったのです。しかし、「わたしの願いではなく、みこころがなりますように」と仰せになり(ルカの福音書22章42節)、十字架の御苦しみをお受けになりました。イエス様は私たちを罪から救う使命を果たすために、御父のみこころに従われたのです。

　私たちにも神のご計画が成就するための役割がそれぞれに与えられています。困惑するようなことがあったとしても、ヨセフのように神の導きに従って、与えられた役割を担ってまいりましょう。神が私たちのために立てておられる計画は、わざわいではなく、将来と希望を与えるためのものです(エレミヤ書29章11節)。十字架の向こうには必ず復活があります。私たちは神の幸いな救いの計画の中に組み込まれているのです。そのご計画が成就するために、主の導きに従い、備えられた道を歩んでまいりましょう。