◆災害時の支援体制◆
佐伯区に視覚障害者当事者グループ誕生
佐伯区にはこれまで、朗読グループなど視覚障害者を支援する
ボランティアグループなどはあったが、当事者グループはなかった。
このたび同区在住の保森俊文さんを中心に、佐伯区にも初めて
当事者団体が設立された。
2月14日に40名が集まりスタート。
3月、4月と話し合いを重ね、会の名前も『白い三輪車』と決まった。
保森さんはボール投げで国体に出ようとねらっている58歳。
そのトレーニングのために来ていた光町障害者センターで捕まえて
インタビューした。以下、そのまとめである。
保森さんは34歳で網膜色素変性症と診断されたが、50代になるまでは
日常生活に何の支障もなかった。
2度の大病を経験し、平成17年に視覚障害2級の手帳を受け、
平成20年55歳で急に見えなくなった。
仕事もやめ、落ち込んで家に閉じこもっていた。
平成22年、友人が白杖歩行訓練の申請書を持って来てくれて、
道が開けた。
歩行訓練士の馬屋原さんから、外出支援制度のこと、市内各区の当事者グ
ループのこと、その他いろいろの情報を得た。
「野菊の会」、「歩みの会」、「カナリアの会」等を見学させてもらうと
どの会も参加者がみんな、なんと元気で、明るいことか。
手帳交付時に、こうした情報を知らされていれば、
家の中で落ち込んでいることはなかったのに、と悔やまれる。
中途視覚障害者の自立は、1日も早く同じ視覚障害者との出会いが大切で、
それがないと自立し始めるのが大変遅くなってしまう。
昨年5月、佐伯区社協に相談に行き、このたびの『白い三輪車』設立へと
繋がった。
●『白い三輪車』は@当事者A家族B支援者の3つの輪をあらわす。
また@1日でも1回でも多く外に出るA1人でも多くの人と関わる
B1つでも多くの情報を知る、などの意味も含む。
参加者の投票で決まった。白は言うまでもなく白杖である。
今後は、傷害を受け入れない、外に出れない、近所の人たちには秘密に
したい、等の悩みを抱えている人たちに連帯していきたい。
区の障害福祉課や社協と連携しながら働きかけて行きたい。
啓蒙活動の方法なども効果的なことを考えて行きたい。
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