【洲浜(すはま)紋】
洲浜とは三角州にできる洲渚(しゅうしょ)のことで、文様となったのは仙人が住むという蓬莱(ほうらい)山の仙境を模して祝賀の際に作られた台である。「紫式部日記」には「弁の内侍の、裳に白銀の洲浜、鶴を立てたるしざま、めづらし」と載る。初見は「太平記」で比叡山を攻める足利軍の中に洲浜紋がみえる。洲浜台は後世に至っても祝賀の席などにも使用され瑞祥的な意義により文様から家紋になったと考えられる。(高澤等著「家紋の事典」)

「平安紋鑑」「紋之泉」は”須浜”と表記しているが、ここでは「紋典」「紋章大集成」等の表記に従った。
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比翼洲浜 丸に洲浜 洲浜
紋典版
洲浜
平安紋鑑版
石持ち地抜き
洲浜


洲浜は真田家(真田幸村で有名)の副紋(替紋)でもある。
海野一族・真田家の守護神「白鳥神社」(北国街道 海野宿)→ こちら
この白鳥神社の神紋が洲浜である。
洲浜の作図例

洲浜の紋割り図はどの紋帖にも掲載がない為、これらの完成図案から逆算して、紋割り法を検討してみた。
(2016.1.18)
平安紋鑑 紋典 比較図
「紋典」に酷似している洲浜は、「定紋の研究」「大名家の家紋」
まずは「平安紋鑑」掲載の洲浜。
・まず基本垂線(赤線)を引く
次に赤線上に中心を持つ基本円(赤円)を描く
・基本円を六つ割する。
中心:基本円と基本垂線の交点(上下二ヶ所)
半径:基本円と同じ
・基本対角線を引く ・基本円と対角線に内接する赤円を描く
・次に基本円の同心円(破線)を描く。
中心:基本円と同じ
半径:その赤円の中心(矢印)まで
・赤円を描く
半径:先と同じ
中心:対角線と同心円の交点(矢印)
(三つ星の完成)

洲浜の作図はこの「三つ星」紋の割り方を利用して取り掛かる。
・まず同心円(破線)と対角線の交点を結ぶ(赤線)
・次に赤円を描く
中心:赤線と基本垂線の交点(o)
半径:三ツ割補助線と同心円の交点まで(矢印)
・三つ星の各円が対角線と内接する点を通過する垂線(水色)を二ヶ所引く
・赤円を描く
中心:点oを通過する水平線とその垂線の交点
半径:対角線に内接する点まで
・洲浜の輪郭線 ・輪郭線の内部を塗る(洲浜の完成) ・その輪郭線を「平安紋鑑」の洲浜を重ねる

次に「紋典」版(同じく「三つ星」をベースにする)
・赤の水平線を引く
・斜めの赤線を引く
・赤円を描く
中心:基本垂線と赤い水平線の交点(矢印)
半径:中心から三つ星の上の円と斜めの赤線との交点まで
(すなわち、斜めの赤線に接する円を描く)
・基本円の同心円を描く(赤円)
中心:基本円と同じ
半径:基本円の中心から三つ星の任意の円が基本対角線と接する点まで
・次にこの同心円と基本対角線との交点を結ぶ垂線(水色)を二本引く
・基本対角線と先の斜め線の交点を結ぶ水平線(赤色)を引く
・これらの垂線と赤の水平線との交点(矢印)を中心に赤円を描く
中心:矢印が示す交点
半径:三つ星の中央円と基本垂線の交点(矢印)まで
洲浜の輪郭 その輪郭線を「紋典」の洲浜に重ねる

「平安紋鑑」作図と「紋典」作図での「紋帖・文献」による比較検討図

掲載図は以下の順。なお、これらは製本された厚みのある本からのものゆえ、真上の真正面から正確に撮影できていない為、歪曲や天地のズレが多少ある。
・紋帖または文献掲載写真
・紋典版作図の洲浜を重ねる
・平安紋鑑版作図の洲浜を重ねる
平安紋鑑 紋典 大名家の家紋 定紋の研究 江戸紋章集 紋の志をり 紋章大集成

以上の結果からは、圧倒的に「紋典」タイプの洲浜が多いことがわかる。
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