【歌舞伎(かぶき)】
庶民層まで家紋の使用が盛んになった江戸時代、身分を問わずに人気を集めた娯楽が歌舞伎である。現在では伝統芸能として高尚なイメージが強い歌舞伎だが、当時は実際に起きた事件を題材にした大衆演劇であり、その猥雑さが生み出すエネルギーは見る者を熱狂させた。(宝島社「家紋と名字」)
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三升 四つ花菱 変わり揚羽蝶 重ね扇に抱き柏 隅切角に銀杏
成田屋 高麗屋 播磨屋 音羽屋 中村屋

丸に二つ引 桐揚羽蝶 八重沢瀉
松嶋屋 萬屋 沢瀉屋


** 関連 **
中村座
芝居小屋櫓紋
中村勘三郎
(六代)

【成田屋】 市川家(屋号は成田屋)は歌舞伎の市川一門の宗家であり、市川團十郎という名は、歌舞伎役者の名跡の中でも最も権威があるとされている。
「三升」は初代團十郎が贔屓筋から三つの升を贈られ、これを自分の家紋のデザインに取り入れたことだといわれている。理由は「(観客が舞台を)見ます」という駄洒落だけではなく、三升は「ますます繁盛」=二枡五合(升升半升=ますますはんじょう)をさらに上回って芝居小屋が大入りとなる、という願掛けも込められている。

【高麗屋】 松本幸四郎の屋号。本来は市川團十郎の弟子筋にあたる家だが、團十郎に跡継ぎがいない場合、高麗屋から養子に入って市川宗家を継ぐことが多い。一門には市川染五郎、市川金太郎など。


【播磨屋】 中村吉右衛門の屋号。3代目中村歌六の長男(二代目中村時蔵(養子・早世)を長男とみなせば次男となる)を祖とする。一門に中村歌六、中村又五郎など。名跡の歴史は新しい。

* この蝶は普通の揚羽蝶と少し違い、丸味の多いのが特徴です。紋ではこのようなものを「変わり」と呼んで普通の紋と区別しています。・・ほとんどが江戸中期から続く名門であるのに対し吉右衛門は初代で、父の名を襲ぎませんでした。昭和二十六年、歌舞伎俳優ではじめて文化勲章を受章しました(泡坂妻夫著「家紋の話」より)

【音羽屋】 尾上菊五郎の屋号。團十郎家に劣らず歴史を持つ名門で、怪談物や白浪物といった世話物を得意とする。一門に尾上菊之助、尾上松緑、尾上梅幸(現在空席)など。
家紋は「重ね扇に抱き柏」である。これは初代菊五郎が贔屓筋(信仰していた神社からという説もある)から扇にのせた柏餅を頂戴し、それを扇で受け取ったというエピソードにちなむ。


【中村屋】 中村勘三郎の屋号。もともとは江戸歌舞伎の劇場を興した猿若勘三郎を祖とする家で、中村座の座元の名跡でもある。一門に中村勘九郎、中村七之助など。


【松嶋屋】 片岡仁左衛門は上方系の名跡では最も歴史のあるもののひとつ。


【萬屋】 中村歌六の屋号。初代中村錦之助ら小川家一門が播磨屋から独立する形で名乗るようになった。一門に中村獅童など。

【沢瀉屋】 市川猿之介と市川段四郎の屋号。市川團十郎の門弟を祖とする家で、現在では伝統の枠にとらわれない「スーパー歌舞伎」で知られる。一門に市川中車、市川右近など。

以上、宝島社「家紋と名字」より

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