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東亜日報紙:元慰安婦3人、欧州議会で初証言
  韓国紙東亜日報電子版8日付によれば、ベルギー・ブリュッセルの欧州議会・人権民主主義分科委員会で6日に初めて開かれた日本軍元慰安婦聴聞会で、韓国のキル・ウォンオク(79)、オランダのエレン・パン・ザ・プレグ(84)、フィリピンのメネン・カスティヨ(78)さんの3人の被害者が出席し、日本帝国時代の蛮行を告発した。 この聴聞会には、欧州議会の緑の党や自由同盟グループのラウル・ロメバ・ルエダ(スペイン)議員をはじめ、各国の議員や議会関係者、人権団体会員、マスコミ関係者など50人あまりが出席した。 席上、被害者の女性たちは、日本軍の強制的な売春行為で経験したさまざまな苦労や侮辱を、泣き声をまじえて打ち明ける一方、公式的な謝罪を避けている日本に、ヨーロッパの各国がプレッシャーをかけるよう訴えた。 聴聞会を主宰したルエダ議員は、「来週、フランスで開かれる分科委の本会議に慰安婦決議案を議題として上程するための議論を行っている」としたうえで、「議題として上程されれば、難なく可決成立するだろうと期待している」と述べた。同氏は欧州連合(EU)の執行委員会にも書簡を送り、軍慰安婦の被害者たちへの日本政府の謝罪や補償を促すよう求めたと付け加えた。 今回の聴聞会は、国際アムネスティーの仲介で、軍慰安婦被害者たちが欧州の国々を訪問し、慰安婦問題の真実を語る、欧州地域「スピーキング・ツアー」の日程のひとつとして行われたものである。キルさんなど被害者たちは8日、ドイツのベルリンに続き、12日にはロンドンで議会や人権団体などを訪れ、慰安婦関連の世論を喚起する予定である。
韓国政府、安倍首相のパール判事称賛演説を非難
 韓国中央日報紙日本語電子版24日付は、トップ記事で「政府、安倍首相の戦争責任否認趣旨発言は遺憾」との見出しで、安倍首相が22日、インド国会での演説で、極東軍事裁判で裁判官中ただ一人日本のA級戦犯無罪論を展開したインド国籍のパール判事を「極東国際軍事裁判で気高い勇気を示されたパール判事は、たくさんの日本人から今も変わらぬ尊敬を集めている」と称賛したことにつき、韓国政府が「遺憾の意を込めた論評」を公表したことを伝えている。
 同記事によれば、韓国政府は外交通商部報道官名義で論評をだし、そのなかで「政府は、安倍首相が、過去の日本の侵略戦争に対する法的責任を認めた極東軍事裁判の結果を否認するものと解釈されうる発言をしたことに対し、深い憂慮と遺憾を表す」とのべており、また、「韓国政府は、日本政府が過去の過った行為を否定しようという試みを即時中断し、正しい歴史認識を土台に世界の平和と安定のために真摯に努力することを求める」と強調している。 
ベネズエラ、社会主義憲法改革案、第1読会で満場一致承認される
 カラカス21日発プレンサ・ラティーナ電によれば、ベネズエラ国民議会は21日、ベネズエラに社会主義を建設することをめざす憲法改革案を、その第一読会(*)で満場一致承認した。
 同改革案は8月15日、ウーゴ・チャベス大統領によって議会に提出されたが、350項目の憲法のうち社会・経済・軍事・民族・領土の各分野にわたり33項目の改革を含んでいる。
 国民議会議長シリア・フローレスの予測によれば、草案は9月初旬に最終的に承認され、12月初めにも国民投票(レファレンダム)が実施されるとのこと。
 憲法修正条項には、公共財産(国有)の優位性(ただし私有財産を排除せず)、軍を反帝国主義軍隊とする規定、住民自治組織(estructuras comunales)に基礎をおく人民権力の樹立、大統領任期の6年から7年への延長(再任制限なし)などが含まれている。
 ウーゴ・チャベス大統領は、貧困と失業を根絶するには社会主義以外に選択肢はないと主張しており、新自由主義反対・グローバリゼーション反対の立場で知られている。2003年1月25日、ブラジル・ポルトアレーグレで開かれた世界社会フォーラムでの記者会見でも、「私は、貧困をなくす唯一の方法は、貧者に施しをすることではなく、貧者に権力を与えることだと信じている。彼らに、独自の解決方法、参加型民主主義、経済民主主義の新しいモデル、国富の公平な分配の新しいモデルを決定し促進する権限を与えることだ」(伊高浩昭翻訳・解説『ベネズエラ革命 ウーゴ・チャベス大統領の戦い』、現代書館、257ページ)とのべており、今回の憲法修正はその具体化として注目される。

* 「第一読会」:印刷技術の未発達だった頃、イギリスの議会で議案を書記官に三回朗読させたことに由来する呼称。日本でも明治憲法時代の帝国議会では、第一読会で議案の大体について討議し、第二読会では逐条審議のうえ修正があれば修正案を議決し、第三読会で重ねて議案全体の可否を議決した。
北東アジア歴史財団が慰安婦問題で英文冊子発刊
 ソウル16日発韓国聯合通信によれば、韓国の北東アジア歴史財団は16日、日本軍慰安婦問題を国際社会に正しく知ってもらうため、英文の小冊子「日本軍慰安婦の真実」を発刊したと明らかにしたという。
 冊子は、▼慰安婦とはだれか▼慰安婦か、性奴隷か▼募集に強制はなかったか▼単なる売春婦にすぎなかったのか▼日本の謝罪と補償は十分だったか▼なぜわれわれは慰安婦を忘れてはならないのか――の6章で構成されており、強制連行を否認し、慰安婦は単なる商業上の売春婦だったとする日本政府の主張に反論する内容も盛り込まれているといわれる。財団は1000部を発刊し、海外の公館や関連機関、内外の研究者に配布するほか、ホームページでもダウンロードできるようにする方針である。
韓国中央日報紙、慰安婦決議案全文を掲載
 韓国中央日報紙電子版8月1日付は、アメリカ下院議会で採択された「慰安婦決議案」全文を以下のように報じた。
 日本政府は1930年代から第2次世界大戦が終わるまで、帝国軍に性的サービスを提供する目的で‘慰安婦’として知られる若い女性を動員することを公式委任した。
 日本政府による強制軍隊売春制度の慰安婦は、集団強姦、強制流産、羞恥、身体切断、死亡および自殺を招いた残虐性と規模の面で前例がない20世紀最大規模の人身売買中の一つだ。
 しかし日本の学校で使用されている新しい教科書は慰安婦の悲劇や第2次世界大戦中に日本が犯した戦争犯罪を縮小している。
 また最近、日本の公共および民間の関係者には、慰安婦の苦痛に対する日本政府の真摯な謝罪が込められた93年の‘河野談話’を撤回または希釈しようという意図がみられる。
 日本政府は1921年、女性と児童の人身売買禁止協約に署名し、00年には武力紛争が女性に及ぼす影響に関連した「女性・平和・安保に関する国連安全保障理事会決議1325号」を支持している。
 下院はこうした日本の努力を評価している。日本の高官や民間人の努力で95年に民間レベルのアジア女性基金が設立された点も評価している。アジア女性基金は570万ドルを集め、日本人の贖罪の意を元慰安婦らに伝えた後、07年3月31日に活動を終了した。

 以下は米下院の共通した意見。
 (1)日本政府は1930年代から第2次世界大戦が終わるまで、アジア諸国と太平洋諸島を植民地化したり占領したりする過程で、日本帝国主義軍隊が強制的に若い女性を‘慰安婦’として知られる性の奴隷にした事実を明確な態度で公式的に認めて謝罪し、歴史的な責任を負わなければならない。
 (2)日本首相が公式声明を通じて謝罪をすれば、従来発表した声明の真実性と水準をめぐる疑惑を解消するのに役立つはずだ。
 (3)日本政府は、「日本軍が慰安婦を性の奴隷として人身売買をした事実はない」といういかなる主張に対しても、明確かつ公開的に反論しなければならない。
 (4)日本政府は国際社会が提示した慰安婦関連勧告に基づき、現世代と未来世代を対象に、この残忍な犯罪について教育しなければならない。
慰安婦:ホンダ議員「参院選の結果に関わらず決議案採択を」
 朝鮮日報電子版26日付は、日本の時事通信が、旧日本軍の「従軍慰安婦」問題に関する決議案を米国下院に提出したマイケル・ホンダ議員が「参院選の結果にかかわらず、決議案の採択を進めていく」という意向を明らかにした、26日報じた旨伝えている。ホンダ議員は時事通信の電話取材に対しこのように表明し、「今月30日に下院本会議で決議案を採択することになるだろう」と述べたといわれる。なお、同紙は、「現在、日本の歴代首相の中でも最悪といわれる支持率の低下にあえいでいる安倍首相は、与党自民党が参院選で敗北した場合、退陣を余儀なくされるという見方が強まっている」とも報じている。
朝鮮日報紙:慰安婦問題で日本の極右学者ら「金を稼ぐための売春行為」
 朝鮮日報電子版14日付は、チョン・グォンヒョン(鄭権鉉)東京特派員電により、日本の国会議員13人や学者、ジャーナリストなど保守派の知識人約200人が13日、駐日米国大使館の前で抗議デモを行い、「米国下院外交委員会を通過した決議案は、歴史的事実とは完全に異なる、誤った情報に基づくものだ」と主張、旧日本軍の「性奴隷」である慰安婦を「売春婦」と呼び、米国による原子爆弾投下こそが大量虐殺につながる人権問題だと訴えたと報じている。同特派員電は、上智大の渡部昇一名誉教授は、「米国はこの問題を“人権問題”と主張し続けるが、だったら(第2次世界大戦中に)東京などに対して行った無差別爆撃は何だというのか。原爆投下は何だというのか。あれこそ一般市民を計画的に殺害する大量虐殺にほかならない。これに対して戦場での“売春行為”は単なる商行為に過ぎない」という主張を展開、渡部氏らは、米国大使館宛てに送った書簡で「日本軍による“性奴隷”は存在しなかった。“慰安婦”だったと主張する女性たちは、実際には金を稼ぐために売春行為をしていた」と述べていると伝えている。
中国初の「慰安婦」被害調査報告公表される
 人民日報電子版人民網7月3日付が、「京華時報」の報道として伝えるところによると、中国初の「慰安婦」被害事実調査報告が2日、公表され、旧日本軍が廟宇まで慰安所として接収した事実や、山西省では少なくとも日本敗戦後の1947年まで慰安所が存続していた事実が明らかになった。それによると、中国元「慰安婦」被害事実調査委員会は昨年9月に調査に着手、今年3月に第1次調査を終えた。同委員会は、現在も山西省の4県に16人、海南省のある県に1人の生存者がいることを確認した。17人の被害者は旧日本軍の手で兵営内、あるいは兵営付近の建物に連行され、性的な蹂躙を受け続けた。最年少は当時12歳、最年長は21歳だった。同調査によると、旧日本軍は民間の会館、民家、仮設建築などに慰安所を設置し、雲南省騰沖県では廟宇まで接収。日本の敗戦後もなお、中国に残留した日本軍が従軍「慰安婦」制度を維持していたことも明らかとなった。1945年の日本投降後、一部の残留日本軍は閻錫山の国民党軍地方部隊に編入されたが、独立編成を維持。このうち「保安第6大隊」は、山西省太原に慰安所を設置したことを、残留日本兵に日本語で告知していた。この調査結果は、日本軍が設立した、女性を迫害対象とする「慰安婦」制度が、少なくとも1947年以降まで一貫して続いていたことを実証するものである。
朝鮮日報社説:米議会「慰安婦は20世紀最大の人身売買」
 米下院の国際関係委員会が26日、第2次世界大戦の際に日本軍が慰安婦を強制動員したことについて日本政府の公式な謝罪を供給する決議案121号を、賛成39票、反対2票という圧倒的な支持を得て採択したことに関し、韓国各紙はいずれも大きく報じているが、朝鮮日報紙は「米議会、『慰安婦は20世紀最大の人身売買』」と題し、次のような社説を掲げた。
 ・同決議案は「慰安婦」について「日本政府による強制的な買春制度」とするとともに、「残虐性や規模の面において20世紀最大の人身売買の1つ」と規定した。また日本政府に対しても「事実を明白かつ確実に認める姿勢で臨み、公式に認定して謝罪することで歴史的な責任を取るべきだ」と要求した。
 ・同決議案は7月中旬に下院本会議でも採決が行われる見込みだ。下院議員の3分の1にあたる149人がすでに支持する意向を表明しており、ベロシ下院議長は「決議案を下院本会議でも可決すべきだ」との支持声明を発表している。また国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルの米国支部も「人間性を蹂躙する犯罪」と規定している。
 ・慰安婦決議案は1997年から何度も米議会で論議されてきたが、その度に日本政府の執拗(しつよう)なロビー工作により霧散してきた。今回11年目にして決議案が採択されたのは、日本政府の歴史上の過ちを覆い隠そうとする無分別な態度が米国社会の反発を呼んだためだ。今年3月、安倍首相は「軍慰安婦問題に関する決議案は事実に基づいたものではないため、米下院で採択されても謝罪することはない」とした。アジアやヨーロッパの元慰安婦女性らが米下院の聴聞会で生々しい証言を行った直後のことだった。このため、ニューヨークタイムズ紙をはじめ主要メディアは一斉に安倍首相のこの発言を批判した。
 ・それにもかかわらず、日本の国会議員45人と一部の知識人らはワシントンポスト紙に慰安婦決議案が「事実を歪曲している」と主張する全面広告を出した。この広告が米国内の世論を決定的に悪化させる結果をもたらしたという話が出ている。
 ・慰安婦問題に対する日本政府の態度が引き起こした国際社会の反感は、日本の豊富な資金をもってしても鎮められない規模にまで拡大してしまった。日本政府はこれ以上国際社会から後ろ指を指されないためにも、歴史的事実を認めるとともにその責任と向き合い、懸命な判断を下すべきだろう。
韓国中央日報紙:米、下院委で慰安婦決議案が圧倒的多数で通過
 韓国の中央日報紙電子版27日付によれば、第2次世界大戦当時、日本軍の従軍慰安婦強制動員に対して日本政府の公式謝罪、日本の首相による謝罪を勧告する決議案が26日(現地時間)午後、米下院外交委員会で公式採択された。米下院外交委はこの日全体会議を開いて日系3世の民主党マイケル・ホンダ議員が発議した従軍慰安婦決議案(HR121号)にトム・ラントス外交委員長の意見が反映された修正決議案を上程、表決に入って賛成39、反対2票の圧倒的多数で通過、下院本会議に移った。
 この日、外交委を通過した「ホンダ決議案」は1930年から2次世界大戦期間、日本軍の従軍慰安婦強制動員に対して日本政府が公式的に是認、謝罪し、歴史的責任を受け入れることを要求する内容を記している。特に2次大戦の中で日本政府が行った従軍慰安婦制度は20世紀最大の人身売買事件の中のひとつと規定した。また、集団性的暴行と強制堕胎、精神的侮辱、性的虐待などで身体的障害や虐殺または自殺が含まれた前代未聞の残忍な重大事件であることを指摘し、日本政府が過去の犯罪行為を否認あるいは縮小していると批判している。
 今回の決議案通過を主導したホンダ議員は決議案通過後「7月第2週、下院本会議に上程されるものと予想する」とし「外交委で、39対2で処理された事実から本会議でも通過される良い機会を迎えたと思っている」と強調した。全下院議員435人のうち3分の1を超える計149人が決議案を支持、共同発議者に署名した。下院外交委で慰安婦決議案が通過したのは昨年9月13日に続き、今回が2度目だ。
 決議案はまた日本政府に対して▽日本政府が公式的に従軍慰安婦の存在を認めて謝罪すること▽日本首相が首相の資格で公式謝罪すること▽日本政府が従軍慰安婦の存在を拒否、あるいは美化しようとする主張を拒否すること▽従軍慰安婦に対する事実を現在と未来の世代に教育すること――などを促している。
中国外交部報道官、「一部日本人の歴史抹殺の企みは、国際的非難の対象に」
 人民日報電子版22日付によれば、中国外交部外交部秦剛報道官は21日の定例会見で、「日本の一部議員は、中国の抗日戦争記念館にある抗日戦争写真の入れ替えを要求し、今度はまた南京大虐殺を確認できないとして、中国に犠牲者30万人という数字の修正を求めている。『七七事変(盧溝橋事件)』70周年を前に、日本の右翼はしきりに活動を行っているが、中国はこれをどう受け止めるか」との質問に、以下のように答えた。

 南京大虐殺は日本軍国主義が中国侵略戦争中に犯した残虐な罪であり、鉄の証拠は山の如くあり、国際社会でもとうに定説となっている。日本国内の極少数の人間が当時の歴史を抹殺し、覆い隠そうとする企みは、国際正義と人類の良知に対する公然たる挑発であり、また、彼らには歴史を正視する勇気がないことを暴露するものである。  南京大虐殺では悲惨にも30数万人の中国同胞が殺戮された。彼らは無辜ながら非業の死を遂げた30数万の亡魂であり、これらの亡魂は、南京大虐殺の罪の歪曲、言い逃れ、否定を企む人間を見逃しはしない。
 特に強調しておきたいのは、今年は南京大虐殺70周年であるということだ。われわれは、日本側が「歴史を鑑(かがみ)とし、未来に向かう」精神に真に基づき、真摯で責任ある態度で、歴史問題に正しく対処し、適切に処理することを望む。
 慰安婦の強制徴用も日本軍国主義が侵略戦争中に、中国を含むアジアの被害国人民に対して犯した深刻な罪の一つであり、言い逃れは許されない。われわれは、日本側が歴史に責任を負う姿勢で、正しく、適切にこの問題を処理することも望む。
 中国には「うまくやろうとしてかえってしくじり、隠せば隠すほど悪事は露見する」という諺(ことわざ)がある。日本の極少数の人間が演じているこの茶番劇は、彼らには正しい歴史観がなく、罪深い歴史と決別する勇気のないことを暴露するだけであり、国際社会からの幅広く、一致した非難に遭うだけだ。
韓国聯合通信:慰安婦決議案の満場一致採択も、米情報誌が報道
 韓国聯合通信電子版21日付ワシントン発電は、ワシントンの情報誌ネルソンレポートが20日、匿名を希望する議会と国務省消息筋の言葉を引用し、日本の国会議員らがワシントン・ポストに全面広告を出し、慰安婦の動員に日本政府や軍の強制はなかったと主張したのに続き、南京大虐殺も否認する姿勢を示していることで、米国内で日本の歴史歪曲(わいきょく)を非難する世論が高まり、下院の慰安婦決議案が満場一致で採択される可能性もあると報じたと伝えている。同電によれば、国務省消息筋は南京大虐殺には多数の歴史的証拠があると指摘しているほか、米国のある軍事歴史家は自身が保有する歴史的証拠物を挙げ、「日本人は南京大虐殺に対し再び歴史を作ろうとしている」と非難したといわれる。同電はまた、下院外交委員会のトム・ラントス委員長は、日本の大規模な反対ロビー活動にもかかわらず、慰安婦決議案を26日の下院外交委員会本会議に上程する方針を明らかにしており、ネルソンレポートはこれについて、ワシントン・ポストへの全面広告が直接の契機になったとの見方を示したと報じている。
慰安婦:日本側の強制性否定広告に米国内で不快感
 韓国の保守系紙朝鮮日報電子版18日付は、イ・ハウォン(李河遠)ワシントン特派員電で、米国ワシントンの消息筋が16日、日本の指導者層63人が最近、旧日本軍による「従軍慰安婦」の強制連行はなかったという内容の広告を米国紙ワシントン・ポストに掲載したことに対し、同国の政府・議会が不快感を示しており、これについて問題提起していく可能性が大きいと語ったと報じている。同記事は、 特に日本側の広告が「多くの国は、軍人が一般市民に対して強姦(ごうかん)行為を働くのを防ぐため、売春街を設置している」とし、その例として、米国が1945年に日本を占領した後、日本政府に「慰安所」の設置を要請した、と明記している点について米国が異議を申し立てていくことが予想されんると指摘している。同記事はまた、今年初めに日本を訪問した際、日本の歴史問題が東アジアの安定の障害になってはならないという意向を伝えていたディック・チェイニー副大統領が、この広告に不快感を示し、状況の把握を指示したと述べている。同記事は、日本側の今回の広告によって、米国下院に提出されている、従軍慰安婦問題で日本に謝罪を求める決議案が採択される可能性がむしろ高まるのではないかとの見通しも出ていると伝えている。
韓国人の8割が日本に不信感持つ、米世論調査
 韓国聯合通信電子版5月31日付が、ワシントン発電で伝えるところによると、韓国人の8割が日本に対する不信感を持ち、6割が対日関係が悪化しているとの認識を持っていることがわかった。シカゴ・グローバル問題評議会と世論調査機関のワールドパブリックオピニオンによる共同世論調査の結果によるもので、調査は15カ国を対象に行われた。韓国人回答者のうち、30%が日本を「まったく信頼していない」と答え、51%が「あまり信頼していない」と答えており、合わせて81%が日本に不信感を持っていた。日本に対する不信感は、中国の79%、タイの60%、フランスの40%、イスラエルの32%、米国の24%などに比べ高い割合となった。米国に対する不信は53%、中国に対する不信は61%だった。対日関係では、改善しているとの認識は6%にとどまり、悪化しているとの認識は61%に達した。対米関係では「改善している」が10%、「悪化している」が34%、対中関係では「改善している」が38%、「悪化している」が15%だった。
米議会調査局研究員、「日、慰安婦否定は戦争犯罪無効化の下心」
 韓国紙中央日報30日付電子版によれば、米国議会調査局研究員ラリー・ニクシュ博士は29日、ソウル北東アジア歴史財団大講堂で財団研究員を対象とし、日本軍慰安婦問題が日米関係に及ぶ影響と20世紀初めから中ごろの日本の歴史に対する認識問題を中心に1時間ほど講演し、このなかで、「慰安婦問題で日本政府が攻勢的に対応する裏には、20世紀初めから中ごろ、日本がおかした戦争の罪の責任を無効にしようとする意図がある」と指摘した。ニクシュ博士は「日本国内の歴史修正主義者たちの目標は第2次世界大戦中の日本による戦争犯罪の責任を消してしまおうとすること」だと批判し、「慰安婦問題のようにこれが一定の線を超えたら米国内で否定的な反応を起こすだろう」と述べた。ニクシュ博士は慰安婦問題に対する日本政府の公式謝罪を要求する米議会のホンダ決議案に関し、「6月開催予定の米国会外交委員会案件には含まれていないが、トム・ラントス委員長の権限で上程される余地はある」と付け加えた。
米下院、慰安婦決議案、来月処理の見通し
 韓国の東亜日報紙電子版26日付によれば、米下院の日本軍による慰安婦強制動員の糾弾決議案採択キャンペーンを繰り広げている在米韓国人各有権者団体は、23日に予想された決議案の外交委員会への上程が延期されたのを受け、200余りのアジア系の有権者団体を含む連帯機構の結成を推進し議会への圧力を強めている。ニューヨーク・ニュージャージーの韓人有権者団体協議会の関係者は、「マイク・ホンダ議員をはじめ決議案を主導する議員らは、23日の外交委の審議案件から決議案が抜けているが、6月中には処理されるものと見ていると述べた」と伝えた。外交委の上程権限を持っているトム・レントス外交委委員長のある補佐官は最近、ワシントン汎同胞対策委員会の指導部との面談で、「決議案上程時期について考えており、通過のために努力している」と話した。これまでにも、レントス委員長側は「決議案を共同発議する議員数が120人を超えると、正式に上程する」と話したことがあり、現在、共同発議した議員は129人に達している。
黒竜江省・チチハル市で旧日本軍の毒ガス弾2発を発見
 人民日報電子版18日付が新華社のウェブサイト「新華網」によって伝えるところによれば、中国東北部黒竜江省・チチハル市でこのほど、旧日本軍の遺棄した毒ガス弾2発が発見された。迅速な処理を行ったため、けが人・死亡者はいなかった。専門家の鑑定により、これらの砲弾は旧日本軍の遺棄したイペリットガス(マスタードガス)弾(「75」式化学弾)であることが明らかになった。砲弾の直径は7.5センチ、長さは35センチ。呼吸困難や肌のただれを引き起こす強力な毒ガス弾である。現在、専門家が密封処理を行い、専用の倉庫で保管している。イペリットガス弾はかつて、2003年8月4日に同市で起こったイペリットガス漏えい事故の原因となっている。同事故では1人が死亡、43人が負傷している。
韓国中央日報紙、国民投票法通過で、「軍隊保有の道へ?」と報道
 韓国中央日報紙電子版15日付は、イェ・ヨンジュン東京特派員特派員電で、国民投票法案の参議院通過を「憲法改正の第一幕が上がった」と報じ、「永遠の戦争放棄と軍隊保有禁止条項(第9条)を盛り込んだ現行憲法(別名平和憲法)は3日で施行60年を迎えた。安倍首相は7月、参議院選挙で憲法改正論議を選挙争点として浮上させ、憲法改正作業の速度を上げていくという立場だ」と伝えた。
ポーランド憲法裁、非共産主義化法の大部分に無効判決
 仏紙ル・モンド電子版11日付によれば、ポーランドの憲法裁判所は、11日、公職に就く場合、共産主義時代に公安組織に対し密告等の秘密協力をしたかどうか宣誓する義務を課している非共産主義化法に関し、その大部分を無効とする判決を下した。同裁判所のヤヌス・二エムチェビッチ副長官は、同法の一連の条項全体についてこれを違憲だと宣言した。野党社民党が異議申し立てをした46項目中ごく一部だけが合憲だと言明された。同法の適用対象は70万人にのぼり、無効とされた条項は、ジャーナリスト、学校長、大学学長などに関わるものである。3月15日に発効した同法は、これらの人びと以外に、政治家・裁判官・行政官らが、1989年に崩壊した共産主義体制時代、秘密警察(SB)に協力したことがあるか無いか宣誓することを義務づけており、違反すれば職を失うことになっている。憲法裁判所は、また、SBのかつての非公式協力者の氏名すべてをインターネットに公表する条項についても無効と宣言した。ポーランドは中道右派の「法と正義」を中心とする連立政権が支配しているが、双子の兄弟レフ・カチンスキ(弟)とヤロスラフ・カチンスキ(兄)が、それぞれ大統領と首相の座を占めている、世界でも珍しい国であり、イラク戦争では、米英に協力して最初から部隊を派遣し、「アメリカのトロイの馬」と称された。
東亜日報報道:慰安婦決議案、米下院外交委に今月中の奇襲上程も
 韓国紙東亜日報電子版12日付によれば、米国下院に提出されている日本軍慰安婦決議案に対する支持署名議員が117人を記録し、今月中にも下院外交委員会で処理される可能性が高まっているという。 ニューヨーク・ニュージャージー韓国人有権者センター(金ドンソク所長)などの韓国人団体によると、マイケル・ホンダ議員が1月31日に提出した決議案121号への支持署名者として下院事務局に登録した連邦下院議員が10日午後(現地時間)現在、117人に増えた。 韓国人団体では現在、追加で7人の議員たちから支持署名への約束を取り付けた状態で、21日ごろ、署名議員数は目標値の120人を上回るものと見られる。 下院外交委員会のトム・ラントス委員長室では、これまで支持署名議員が120人以上なら、外交委への上程を本格的に推進すると明らかにした。 昨年、エバンス議員が提出した決議案の場合、常任委員長だったヘンリー・ハイド議員が日本側の反対ロビーを憂慮して、決議案上程方針を採決二日前まで極秘に付したことを勘案すれば、今回も奇襲上程する可能性を排除できないとみられている。いっぽう、加藤良三在米日本大使がラントス委員長との面談を粘り強く求めているなど、日本も最後のロビー攻勢に乗り出している。加藤大使は先週、ラントス委員長に面談を求めたものの、受け入れられなかった。日本大使館側では、11日、再びラントス委員長との面談を推進している。
韓国政府「安倍首相の靖国神社供物奉納は遺憾」
 ソウル発8日の韓国聯合通信によれば、韓国政府は8日、日本の安倍晋三首相が靖国神社の例大祭に合わせ内閣総理大臣名義で供物を奉納したことに対し、遺憾の意を示した。外交通商部当局者が同日発表した論評は、「過去の侵略戦争を美化し戦争犯罪者を合祀している靖国神社に安倍晋三首相首相が供物を奉納したことは、域内平和と安定の根幹となる正しい歴史認識に逆行するもので、たいへん遺憾に思う」と述べている。
朝鮮日報社説社説「頭がおかしい安倍首相、話にならないブッシュ大統領」
  朝鮮日報電子版4月30日は、「頭がおかしい安倍首相、話にならないブッシュ大統領」と言う社説を掲げ、27日にキャンプデービッドでおこなわれた日米首脳会談での慰安婦問題に関する両者のやりとりについて、「安倍首相はブッシュ大統領に『慰安婦の方々を非常に困難な中でつらくて苦しい状況に追いやったことに対して、人間として首相として、心から同情しており、申し訳ない思いだ』と謝罪した。これに対してブッシュ大統領は『(謝罪を)受け入れる』と応えた。日本の首相はなぜ慰安婦の人々ではなく米国の大統領に謝罪し、米国大統領は何の資格があってその謝罪を受け入れるというのか」と厳しく批判している。同社説は、「第2次大戦当時、日本軍に連行され集団で性暴行にあい、強制的な堕胎、電気拷問などの蛮行を受けた被害者はブッシュ大統領でもなく米国国民でもない、韓国や中国などアジアの女性20万人だ」とのべ、「安倍首相は官房長官だったときに日本軍慰安婦について、『虚構であり、マスコミが作り上げた話』と語っていた。首相になってからは『慰安婦を強制的に連行したという証拠がない』と語った」と安倍首相のこれまでの言動と今回の「謝罪」とのあいだの矛盾を具体的に指摘している。また、同社説は「ブッシュ大統領は『(安倍首相の)率直さを評価する』と述べたが、安倍首相は慰安婦を強制連行した証拠がないとの立場から事実上1歩も退いていない」「安倍首相が真に言いたいのは、『慰安婦というのはカネを稼ごうとして自発的に出てきたもの』ということだろう。彼は10年前に『歴史教育を考える若手議員の会』の事務局長だった当時、慰安婦問題について、『韓国には元々キーセンハウスが多い』と言ってのけた人物だ。このような安倍首相の本心が変わったという証拠はどこにもない。だとすればブッシュ大統領が見た安倍首相の率直さはどういったものだったのか」と強い疑問を投げかけている。
中国外交部、戦争賠償条項への日本の勝手な解釈は違法・無効
 人民日報電子版28日付によると、中国外交部劉建超報道官は27日、日本の最高裁判所が「西松建設」損害賠償請求訴訟に最終審の判決を下したことについて取材に応え、「中国政府が『中日共同声明』で日本国への戦争賠償請求放棄を宣言したのは、両国人民の友好的共存に目を向けた政治的決断だ。われわれは日本の最高裁が中国側の度重なる掛け合いを顧みず、この条項を勝手に解釈したことに対して強い反対を表明する。 日本の最高裁が『中日共同声明』に下した解釈は違法であり、無効だ。われわれは日本政府に対し、中国側の懸念に真剣に対応し、適切にこの問題を処理するようすでに要求している。日本が中国侵略戦争期に中国人民を強制連行・労働酷使したことは、日本軍国主義が中国人民に対して犯した重大な犯罪であり、今なお適切な処理がなされていない現実的に重大な人権問題でもある。中国は日本に対し、歴史に責任ある態度で適切に関連問題を処理するよう要求する」とのべた。
朝鮮日報、慰安婦デモで汚点残した安倍首相の訪米
 朝鮮日報電子版28日付は、チェ・ウソク(崔宇晢)ワシントン特派員電により、安倍晋三首相の米国訪問について、「慰安婦デモで汚点残した安倍首相の訪米」と報じた。同特派員電は、安倍首相が26日にペロシ下院議長、上院のリード民主党院内総務、共和党のマコネル院内総務ら上院と下院を代表する10数人の議員と会い、日本軍の慰安婦(性奴隷)について「個人として、また首相として、困難日米首脳会談:慰安婦デモで汚点残な状況にあった人たちに心から同情する。とりわけつらい状況に置かれた点については申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と述べたことに関し、「『申し訳ない気持ちでいっぱいだ』という表現は安倍首相がこれまで用いてきた表現であり、女性を強制的に動員したのが誰だったのかについては言及しなかった。つまり過去の発言と同様、安倍首相は第2次大戦当時、日本軍が女性を強制的に動員した点を認めなかったというわけだ。安倍首相のこの表現は、議会指導者たちに英語で”sense of apology”と伝えられた。これは慣用的に使われる表現ではない」と批判している。また同特派員電は、ホワイトハウス前の広場やニューヨーク、シカゴでは、安倍首相に日本軍による慰安婦強制動員の事実を認めることと公式の謝罪を要求する集会が同時に開かれたこと、ワシントンのホワイトハウス前では日本軍慰安婦決議案通過を求めるワシントン地域の汎韓国同胞対策委員会(ソ・オクジャ会長)と国際アムネスティがデモに参加したことを伝えている。また、ジョンズホプキンス大学のフランシス・フクヤマ教授もニューヨークタイムズとのインタビューで、「歴史問題で二つに分かれたアジアで日本の味方はいない」と断言し、「米国は日本との盲目的な同盟関係を結んでいるが、問題は日本が歴史的に誤った方向にあるという事実を米国が悟っていない点だ」と指摘したと伝えている。
慰安婦問題でワシントン・ポスト紙に日本の謝罪求める広告
 朝鮮日報電子版26日付によると、高麗大博士課程のソ・ギョンドクさんは安倍首相の訪米に先立ち、米紙ワシントン・ポスト17日付の本紙2面広告欄に、「日本政府は、日本軍慰安婦強制動員の事実を認め、世界の人びとの前で心からの謝罪をしなければならない」との広告を出した。安倍首相の訪米を知り、「その前に米政界や市民らの間に日本軍慰安婦強制動員に対する世論を喚起したかった。現在、米下院の日本軍慰安婦決議案採択を阻止しようと日本の国会議員らが東奔西走しているが、一方で最も多くの被害を受けた韓国の対応が余りにも手ぬるいのでもどかしかった。この広告が日本軍慰安婦決議案の採択を少しでも後押しできればと思う」と広告の意図を語っている。ソ・ギョンドクさんは、また「今年2月、米下院で日本軍慰安婦被害者を呼ぶ聴聞会が開かれ、日本軍慰安婦強制動員は世界的な問題になった。ところが、安倍首相は依然として強制動員の事実を否定し、前文部大臣は“慰安婦は大金を稼いでいた”などとでたらめな妄言を吐くので、はらわたが煮えくり返った」と広告を出すに至った心境を語っている。なおソ・ギョンドクさんは、広告が掲載された4月17日付ワシントン・ポストを435部購入し、「米下院の日本軍慰安婦決議案採択を支持してほしい」と記した手紙を同封の上、米下院の全議員あてに送る予定だという。
韓国中央日報紙、安倍首相、慰安婦強制動員は「知らん振り」
 韓国の中央日報紙電子版22日付は、安倍首相が21日、米時事週刊誌ニューズウィークとの会見で、第二次大戦当時の旧日本軍従軍慰安婦問題に関連、「首相としての責任」「日本の責任」に初めて触れ謝罪した問題を取りあげ、就任後初めての米国訪問(26日)を控え、「米国との同盟の確認」「拉致問題への支援の要請」という外交日程に狂いが生ずるかもしれないとの懸念からのものであり、安倍首相のコメントは、「慰安婦の強制動員を認めその責任を痛感する、との意味には受けとめがたい。安倍首相は同日の会見でも『強制動員』の点ではなく、とにかく結果的に慰安婦被害者が感じた苦痛に対し謝罪し責任を感じる」と述べているだけでだと批判している。
盧大統領、日本に過去の歴史反省と実践求める
 韓国聯合通信電子版15日ソウル発電によると、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は15日、「日本がこれまで示してきた過去の歴史に対する反省の意をそのまま受け入れるとしても、これに相応する実践が伴わなければ真剣さを疑われることになる」と述べた。盧大統領は、また、外交通商部の下に設けられた非営利財団の東アジア財団が発行した英文ジャーナル「グローバルアジア」に特別寄稿文を寄せ、その中で、「日本自ら良識と合理的な知恵をもって過去の歴史問題を前向きに解決すると信じ、この問題を公式議題や争点として提起しなかったが、そうした期待は実現しなかった」と述べている。同大統領は、日本軍の従軍慰安婦問題についても、「日本の指導層の一部が最近公開的に否定するなど、これまでの反省までを覆す言行が韓国の国民をいたたまれなくしている」と言及し、「国際社会が批判するのは、日本のこうした動きが人類の普遍的な価値を否定し未来を暗くするからだ」と指摘している。また、「過去の歴史に対し反省せず歴史をゆがめれば、排他的な民族主義をもたらし、国と地域を紛争の渦に巻き込む可能性もある」とし、「逆に、歴史に対する正しい理解は開かれた民族主義を可能にし、周辺国との和合と協力の共感を築く」と強調している。
朝鮮日報、慰安婦:安倍発言で米日関係に異常な兆候
 朝鮮日報電子版13日付がチェ・ウソク(崔宇晢)ワシントン特派員電で報ずるところによると、米議会調査局(CRS)アジア外交・国防・貿易委員会のエマ・チャンレット・エーバリー分析官は11日、ワシントンの米戦略国際問題研究所(CSIS)で、「最近ワシントンでは、安倍晋三首相の日本軍慰安婦問題に関する発言のため、日本人拉致被害者問題に対する同情が消えつつあり、米日関係に異常な兆候が生まれている」との見方を示したといわれる。同電によれば、エーバリー分析官は「米国の人々の間で、日本政府が少数の自国民拉致問題を強く訴えながらも、数万人に及ぶ慰安婦問題に関する責任を回避しようとするのはダブルスタンダードではないかとの見方が出ている。そのため、(慰安婦および拉致被害者問題などが)米日両国の戦略的同盟に対する脅威になり得るとの懸念が示されている」と指摘している。エーバリー分析官は、また、「米国はこれまで北朝鮮による日本人拉致問題に対し、人権重視の観点から日本の主張を支持してきた。しかし米国は、最近北朝鮮との核問題解決に乗り出し、米日関係が複雑になり始めた。特に日本が拉致問題を理由に対北支援への不参加を宣言し、6カ国協議のスケジュールを進める上でも障害となっているため、米政府の一部でこうした懸念が示されている」と説明したという。
慰安婦強制動員の裏付文書、ソウル大鄭教授チームが発見
 韓国中央日報紙電子版12日付は、ソウル大の鄭鎮星(チョン・ジンソン、社会学)教授チームが12日、「1946年7月5日、オランダ軍情報部隊が日本軍の慰安婦強制動員と慰安所運営について作成した文書を確保した」と明らかにしたことを報じている。それによると、これまで、オランダ政府記録物保存所に保管されてきた「日本海軍占領期にオランダ領東インド西ボルネオであった強制売春に関する報告書」と題されたこの文書は、「日本の特別海軍憲兵隊が路上の女性を連れて行き、強制的に身体検査をさせた後、慰安所に入れた」「慰安所は厳格に統制・隔離された」など、日本軍の蛮行を記録しているという。また「女性が慰安所を脱出したという理由で母親が殺害されたケースもあり、慰安所の女性は脱出も考えられなかった」などと明らかにしている。報告書は「1943年、日本海軍駐屯軍司令官はこの地域の日本人に対し、インドネシア・中国の女性と親しくするなという命令を下した。その代わりに公式的な慰安所を設置しろという命令も出された」と記述している。報告書によると、慰安所は当時、海軍専用と民間用の2つが運営され、 民間用慰安所は日本軍司令官の指揮で日本人事業者協会が運営責任を預かったとされている。
朝鮮日報紙:慰安婦:「日本政府・軍の強制動員関与、証拠は明白」
  朝鮮日報電子版10日付は、チェ・ウソク(崔宇晢)ワシントン特派員電により、米国議会調査局が、最近、旧日本軍の「従軍慰安婦」に関する報告書をまとめ、そのなかで「日本政府と旧日本軍が慰安婦の強制動員に関与した証拠は明白であり、旧日本軍が慰安婦の募集から慰安所の運営に至るまですべての段階に関与していた」という見解を示したと報じている。同報告書は、米軍がビルマ(現ミャンマー)で発見した約20人の韓国(朝鮮)人慰安婦らの証言や、ホレース・アンダーウッド博士が1942年に日本政府によって韓国から強制追放された直後、韓国の女性が日本軍の慰安婦として強制動員された事実について米国政府に報告した記録などを基に、このような見解をまとめたもので、米国議会の議員らに配布された。同特派員電によれば、今回の報告書は、昨年作成した11ページにわたる報告書の内容を23ページまで大幅に補強したもので、昨年の報告書では、旧日本軍の従軍慰安婦問題については客観的な事実についてのみ記載していたが、今年の報告書では「日本政府・旧日本軍の過ち」について詳細に指摘していると言われる。同報告書はまた、「証言によると、日本当局が女性たちをだまして慰安所に連れていった。彼女らの大部分が慰安所に強制的に抑留されたという点については疑いの余地はない」と記しており、同特派員は「これは日本の安倍晋三首相が『慰安婦を強制動員したという証拠は十分ではない』と述べたのに対する公式な反論だといえる」と指摘している。
韓国国会議員47人、安倍首相に謝罪を要求する公開書簡
 韓国中央日報紙電子版4月3日付によれば、ウリ党の蔡秀燦(チェ・スチャン)議員は3日午前、国会で記者会見を行い「公開書簡で『安倍首相と日本政府は日本軍の性的奴隷動員の強制性を明確に認めなければ関連当事国が参加する共同調査団を構成し、日本は性的奴隷になった女性たちに国家の名で謝罪して賠償しなければならない』と促した」と明らかにした。 公開書簡にはハンナラ党とウリ党、民主党、統合新党の会、民生政治の会の所属議員47人が署名している。
中央日報紙、日本は「慰安婦」強制動員問題で証言を無視
 韓国中央日報電子版31日付は、許 英蘭(ホ・ヨンラン)国史編纂委員会編史研究士の日本軍「慰安婦」問題に関する論評を掲げ、この問題で日本側が「文献証拠ない」と主張し、明確な証言を無視している態度を厳しく非難した。同論評の全文は以下のとおり。

 日本帝国主義強点期に日本軍慰安所に連行し、組織的に性的奴隷を強要された女性たちを日本軍「慰安婦」と呼ぶ。このような戦争犯罪に対して日本政府は官憲や日本軍による強制動員を裏付ける「直接的証拠」はないと主張してきた。「直接的証拠」とは明示された文献記録をいう。文献記録の不在は歴史的事実の不在を意味するのか。
 学界では日本軍「慰安婦」制度が1932年、中国上海駐屯日本軍によって始まったものとみている。民間人女性に対する兵士たちの大規模な性的暴行を防止し、性病が広がることを阻むために施行された。以後、中国と東南アジアなどで日本軍が運営した慰安所には多くの国籍の女性が10万人以上供給されたものと見ている。
 日本軍の性的奴隷にさせられた大部分の女性は、自分が経験した無惨なことを墓場まで持って行った。しかし、1990年代以後「慰安婦」だった女性たちの証言が出てから、その事実が本格的に知られ始めた。国際社会では「慰安婦」という名称が加害者の観点で付けられたことだとし、「日本軍による性的奴隷」と言わなければならないという主張も出ている。
 ところで日本政府はその証言が日本政府と軍隊によって選別され、歪曲された文献より直接的なものではないと主張するのだ。彼らの歴史意識を問わざるを得ない状況だ。過去を通じて何を学ぶか、どんな未来を追い求めるかを決めるのが現在の歴史意識だ。日本政府を国際社会が非難する理由は、そうした歴史意識を助長する国家とともに果たして平和と共存の未来を模索することができるかという深刻な懸念によるものであるだろう。
韓国中央日報紙:慰安婦問題で世界各国から日本非難の声
 韓国の中央日報電子版30日付は、鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)東京特派員で、「日本軍の従軍慰安婦問題に関し、日本政府による強制連行を否定する発言を強く批判する声が、米国のみならずドイツやカナダからも上がっており、日本政府を糾弾する世論は世界各地に広がっている」と報じた。同特派員電の全文は以下のとおり。
 カナダ議会では従軍慰安婦への謝罪はもちろん、賠償を要求する決議案が推進されている。新民主党所属のウェイン・マストン議員が提出したこの決議案は、 27日にカナダ下院の外交・国際開発委員会傘下にある人権小委員会の票決で賛成4票、反対3票で可決され、常任委員会に付された。決議案を提出したマストン議員は「第2次世界大戦当時、性の奴隷として虐待された数万人の女性たちに対し安倍首相は謝罪し、賠償プログラムを整えるよう圧力を加えるべき」と主張した。
 ドイツの日刊紙「Sueddeutsche Zeitung」は28日、「安倍首相は内政での失点を挽回(ばんかい)するため、日本軍がアジアで性の奴隷を搾取した事実を公の場で否定した」と非難した。同紙は「歴史的怠慢」というタイトルのコラムで、「支持率が急落している安倍首相は、かつて性の奴隷となった高齢の女性には心の傷を負わせながらも、日本国民の半数には民族主義的な発言が支持されるだろうという卑劣な計算をしている」と書いている。
 一方、ニューズウィーク誌アジア版最新号に、タカ派の外交評論家・加瀬英明氏が「1944年の米陸軍記録によると、慰安婦は“娼婦(しょうふ)”と明記されている」と事実を歪曲(わいきょく)したコラムを掲載したことについて、同誌に「編集者を解雇せよ」「購読中止・不買運動」といった読者の抗議メール・電話が殺到していることを聯合ニュースが伝えている。
 45年5月の米戦略事務局(OSS)の報告書には、「中国雲南省昆明で日本の部隊から脱出、中国軍に投降した韓国人女性25人は全員“明らかに強要と詐欺により”性の奴隷になった」と明記されている。しかし加瀬氏は報告書の全体的な内容を無視し、あたかも韓国人女性が自主的に従軍慰安婦になったかのように歪曲している。
韓国中央日報紙、慰安婦問題で米国務省の態度変化を報ずる
 韓国中央日報電子版28日付は、李相逸(イ・サンイル)ワシントン特派員電で、米国務省が26日、慰安婦問題に関する日本政府の態度に対し失望感を表明し、「日本政府に‘率直かつ責任ある態度(in a forthright and responsible manner)’を見せるよう求めた」と報じた。同特派員電は、これについて「慰安婦問題は当事国間で解決する懸案」としていたアメリカが、安倍首相の就任後初めての訪米を来月に控え、これまでの「態度を変えた」と述べ、ケイシー米国務省副報道官の「日本が犯罪の重大さ(the gravity of the crimes)を認める率直かつ責任ある態度でこの問題を扱うことを望む」とのブリーフィングを紹介している。同特派員電は、「米国が明確な語調で日本政府が責任を認めるよう促したのは初めて」「日本政府がどう反応するかが注目される」とコメントしている。
朝鮮日報、慰安婦問題で『韓日交流の歴史』研究者の安倍首相批判 を報道
 朝鮮の保守系紙朝鮮日報電子版27日付は、ユ・ソクジェ記者署名の記事で、25〜26日、『韓日交流の歴史』を主題としてソウルで開かれたシンポジウムに参加した韓日共通歴史教材『韓日交流の歴史』の日本側執研究者の一人、東京学芸大の君島和彦教授が、『韓日交流の歴史』はのなかで、「日本の軍人、憲兵、官吏、私設業者などが8万人から20万人と推定される韓国人女性を戦場に動員し、日本軍“慰安婦”として酷使した」(309ページ)と明記している点にふれ、「韓国と日本の学界の研究成果を反映し、日本政府の報告書など、事実に立脚したわれわれの正確な研究の結果、8万人から20万人と具体的な人数を記述することができた。こうした事実は、韓日両国の生徒が皆知るべき事実」と強調し、「慰安婦の強制動員は明らかな事実だ。安倍晋三首相の責任回避は正しいことではない」と厳しく批判したと伝えている。なお『韓日交流の歴史』は、ソウル市立大と東京学芸大を中心とする韓日の教授・教員36人が10年間の作業の末、共同執筆した副教材。全時代を対象とした初の韓日共通歴史教材として、韓日両国が共感することのできる歴史記述の先例を作ったという点で注目を集めている。
朝鮮日報紙、「靖国神社は世界でも論難の多い聖地」
 韓国の保守系紙朝鮮日報電子版21日付は、アメリカの外交安保分野専門誌フォーリンボリッシュが、20日、「太平洋戦争A級戦犯14人を含み250万人が合祀されている日本の靖国神社が世界でも論難の多い聖地」として挙げたことを報じている。同誌は、「政治と宗教は最も破壊的で致命的結合になる」とのべ、靖国神社とアメリカの強硬保守キリスト主義の象徴であるボブ・ジョーンズ大学、ユダヤ教とキリスト教、ムスリムなど3大宗教の聖地であるテンプルマウント、チベット仏教の聖地であるポタラ宮、インドのヒンズー教の聖地であるアヨーディヤーなどを挙げ、「日本首相の靖国神社訪問が日本帝国主義侵略の痛みを経験した韓国や中国など近隣諸国を怒らせている」と伝えるとともに、「安倍晋三首相が韓国と中国の架け橋の役割をするとして神社訪問を慎んでいるが、強硬派である自民党は靖国神社訪問を要求すると見通しだ」と報じている。
朝鮮日報社説、「背筋寒くなる安倍首相のアジア蔑視」
 韓国の保守系紙朝鮮日報電子版3月6日付は、「背筋寒くなる安倍首相のアジア蔑視」と題する社説を掲げ、日本軍従軍慰安婦問題について米下院が日本政府に謝罪を求める決議案を審議していることに関し、安倍首相が、「決議案は客観的事実に基づいていない」とし、「議決されても謝罪することはない」と語ったことをとりあげ、「アジアを見下す彼の態度には、むしろアジアを侵略した100年前の日本の態度、いやアジアの女性を性的奴隷として戦場に連行した70年前の日本の官憲や官営業者に対するのと同じくらい、背筋が寒くなるものを感ずる」と厳しく批判した。同社説は、「国連人権委員会や国際労働機関(ILO)などの国際機構も、この問題を調査し、何度も報告書を提出している。米国の国立公文書記録管理局(NARA)が保管している第2次世界大戦に関する米軍文書にも、中国や東南アジアで徴用された慰安婦の証言が含まれている。安倍首相はこうして数十年の歳月をかけて明らかにされた歴史的真実を無視している」と指摘している。
盧大統領「日本に誠意さえあればいくらでも解決可能」
 韓国紙朝鮮日報電子版3月1日付によれば、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が、1日午前、ソウル世宗文化会館で開かれた第88周年3・1節(独立運動)記念式に出席し、「(韓日両国は)これから両国関係を越え、北東アジアの平和と繁栄に共に貢献しなければならないときだ」と前置きした上で「そのためにはなによりも歴史的真実を尊重する態度と、これを裏付ける実践が必要だ」「歴史教科書・従軍慰安婦・靖国神社参拝のような問題は誠意さえあればいくらでも解決可能な問題」と指摘した。 同大統領は、とくに「誤った歴史を美化したり、正当化しようとするのではなく、良心と国際社会で普遍性を認められている先例に従い、誠意を尽くすよう望む」「これが国際社会から尊敬と信頼を受ける道となる」と強調した。
北部イタリア、米軍基地拡張反対で10万人がデモ
 ルモンド紙電子版18日付が1面トップで報ずるところによると、イタリア北部の町ビチェンツァで、警察の厳重警戒下、米軍基地の拡張に反対して10万人以上(警察発表4万人)のデモ行進がおこなわれた。デモ隊は、赤、虹色(極左)、緑(環境派)などの旗を掲げ、「基地はノー」「アメリカ、ノーサンキュー」「基地は米国内に」などの横断幕を掲げて行進した。ビチェンツァの米軍は、現在ドイツのバンブルク、シュベインフルトなどに駐留する旅団の移駐により、2375名から4500名に増員されることとなっている。
慰安婦問題、「日本政府が公式謝罪するまで戦争は続く」
  朝鮮日報電子版18日付は、ワシントン特派員電で、15日午後、第2次世界大戦で従軍慰安婦となった人びとの証言を聞く米議会史上初の聴聞会が下院外交委員会のアジア太平洋・地球環境小委員会で開かれたことを報じ、アジア太平洋・地球環境小委員会のファレオマベガ委員長が「日本軍の性奴隷は、日本政府が犯した20世紀最大の人身売買事件であり、集団強姦・強制堕胎・精神的侮辱・性的虐待などによる身体障害と虐殺などを伴う前例のない残忍かつ重大な事件」と規定したとのべている。同特派員電によれば、この日の聴聞会には、韓国人の金君子(キム・グンジャ)さん(80)、李容洙(イ・ヨンス)さん(79)、オランダ人のヤーン・ルーフ・オヘルンさん(84)ら3人と、今回の決議案を提出した民主党のマイケル・ホンダ下院議員、ワシントン従軍慰安婦対策協議会の徐玉子(ソ・オクチャ)会長、アジア政策ポイントのミンディ・コトラー所長らも証言台に立った。オヘルンさんは「わたしたちにとって戦争はまだ終わっていない。日本政府が公式に謝罪するまで戦争は続く」と主張した。この日、聴聞会が開かれたレイボーン・ビル2172号室には、韓国や日本の取材陣、人権団体関係者ら400人余りが詰めかけたと言われる。
チャベス大統領、スーパマーケットの国有化警告
 仏紙ルモンド電子版15日付によると、「21世紀の社会主義」を掲げるベネズェラのチャベス大統領は、14日、新聞紙上で、生活必需品を公定価格以上で販売しつづけているスーパーマーケット、食肉処理場、冷凍業者を国有化すると警告した。同大統領は、「わたしはこれまで辛抱してきた。…何回も生産者、食肉処理業者、冷凍業者、食料品業者に警告してきた。しかし、かれらは人民の利益、憲法、諸法規を侵し続けてきた。わたしはかれらから冷凍所、スーパーマーケットを取りあげ、国有化し、その管理を地方議会にゆだねるだろう」とのべたもの。
マイク・ホンダ米下院議員、慰安婦問題:「過去の謝罪に遅いということはない」
 朝鮮日報電子版11日付は、元日本軍従軍慰安婦問題についてのマイク・ホンダ米下院議委員とのインタビューを特派員電で報じた。同インタビューのなかで、日系3世で日本政府に対する慰安婦謝罪要求決議案を米議会に提出したマイク・ホンダ下院議員は8日、「日本政府の明快ではっきりとした公式の謝罪」を促すとし、「過去の過ちを謝罪し和解するのは、いくら遅れても決して遅くはない」と指摘している。ホンダ議員は1942年、米国と日本が戦争中に日系という理由で家族とともに収容所に入れられた。この経験から教師時代に「過去に起こった事実を学生たちに教えるべきだ」と悟ったという。「そのためには過去の事実をそのまま認め、そのすべてを教えなければならない」とも語っている。また1988年にレーガン大統領が日本人の強制収容について米国を代表し公式に謝罪した事実を引き合いに出し、「日本は自らの過去に対して首相が認めるなど、他のやり方で謝罪したと主張するが、謝罪のための日本政府の真の努力はなかった」と指摘している。決議案が下院を通過しても日本の首相が謝罪しなければどうするのかとの質問に対しては、「私自らが喜んで日本に行き、議員たちとこの問題について討論する機会を持ちたい」と答えた。日本側は今回もワシントンの著名なロビー専門の法律会社や前職の下院議長などを動員して通過阻止のために必死の努力を傾けているという。
北京で14.5度を観測 同期では50年来の最高
 人民日報の電子版「人民網」10日付が報ずるところによれば、北京市南郊観象台は9日、最高気温14.5度を観測した。この時期としては新中国建国以来の最高を記録で、北京では3日に12.8度を記録、以後7日間であわせて3回、過去最高の記録を更新した。 同気象台の専門家は最近の気温上昇について、地球温暖化の影響と大気の流れの安定、暖気団が動いていないことなどを原因に挙げている。さらに北風が絶えず吹き付けていることから、同市では今年になってから強い冷え込みがなく、昼間は日光も十分に当たり、その放射効果も気温を高める一因となっているといわれる。
元日本軍従軍慰安婦のオランダ人女性が米下院で証人に
 韓国中央日報紙電子版9日付がワシントン特派員電で伝えるところによると、米国下院外交委員会アジア太平洋地球環境小委は15日、下院で日本軍従軍慰安婦聴聞会を開くが、これには、第2次世界大戦当時、慰安婦として連行されたオランダ人女性が証人として出る。オーストラリアに住むヤーン・ルーフオヘルンさん(84)が主人公で、彼女は「慰安婦問題に対して日本政府が公開で謝罪しなければならないという内容の慰安婦決議案が米国下院で成立してほしい」とし、下院外交委の証人出席要請を快諾した。
朝鮮日報紙、「6カ国協議:拉致にこだわれば日本は孤立する」
 韓国の保守系紙朝鮮日報電子版7日付は、「日本が北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議で自国民の拉致問題を議題化することに固執すれば、国際社会で孤立する可能性もある、と専門家らは指摘している」と指摘している。同記事は、「8 日から始まる6カ国協議は、北朝鮮が2005年の6カ国協議共同声明の精神にのっとり、核廃棄の初期措置履行に合意する可能性が高い」との明るい見通しをのべるとともに、「だが6カ国協議で実質的な成果が望める状況で、日本が拉致問題により協議の進行にブレーキをかけたら、関連諸国の支持を得るのは難しい」との見方を伝えている。
日系米下院議員、従軍慰安婦問題で決議案を提出
 韓国の東亜日報2日付電子版によれば、米下院の唯一の日系議員マイケル・ホンダ氏 は、1月31日、同僚議員6人の共同署名で日本軍の従軍慰安婦への蛮行を強く糾弾する決議案を下院に提出した。ホンダ議員は、決議案とともに提出したナンシー・ペロシ議長に送る書簡形式の声明書のなかで、「同決議案の目的は、日本に恥をかかせ叩こうとするものではない。残酷な蛮行に耐えて生きてきた女性たちに正義を取り戻すことが、同決議案の目的だ」と強調している。また、ホンダ議員は、声明の最後の部分で、「慰安婦というくび木を抱いて生きてきた残り少ない生存者たちが、力尽きつつある。彼女たちが少しでも心の平和を得るように助けなければなりません。米国は、正義を渇求する彼女たちの声を聞き、支持しているということを示さなければなりません」 と訴えている。
ドイツ法相が提言 ナチスの虐殺否定を犯罪行為に
 人民日報電子版「人民網」1月16日半によれば、ドイツのブリギッテ・ツィプリース法務大臣は14日、「ドイツ政府は今後、ナチスがユダヤ人に対して行った虐殺を否定するすべての言行をEUにおいて犯罪行為とする新規定の可決に向け努力していく」ことを明らかにした。
西欧世論はイラク撤退を圧倒的に支持(ル・モンド国際週刊版)
 
近着のル・モンド国際週刊版2006年12月30日号が、フランスの国際テレビジョン「フランス24」が初めてフランスなど西欧5ヵ国とアメリカとでおこなった世論調査の結果として伝えるところによると、「イラク駐留連合軍の撤退に賛成するか」との問いに対し、フランス人の90%、イギリス人の83%、スペイン人の84%、ドイツ人の82%、イタリア人の73%、アメリカ人の66%が「賛成」と回答している。これについて、同誌は「国際世論調査、イラクからの撤退を圧倒的に支持」との見出しで大きく報じている。
中国、貧富の差さらに拡大 8割が要改善と認識
 中国人民日報電子版「人民網」12月25日付が中国青年報の報道として伝えるところによると、中国青年報社会調査センターが、このほど新浪網ニュースセンター・北京華通明略情報諮訊公司題客調査網と共同で、1万250人を対象に実施したアンケート調査の結果、調査対象者の89.3%が中国における貧富格差の問題は非常に深刻だと認識していることが明らかになった。調査の結果、貧富格差が主に見受けられるのは、「弱者と特別な利益獲得者」の間と答えた人が72.4%、「権力を持つ者と持たない者」の間が67.5%、被雇用者と雇用者の間が50.1%だった。今回の調査では、人びとの一般通念として、学歴の高さ・知識の豊富さは裕福さと決して同義ではなく、「知識があるかないか」と「お金を持っているかいないか」との相関関係は疑わしいと認識されていることが判明した。調査によると、大卒学歴者とそうでない人あるいは「外国語が出来る人と出来ない人」の間で貧富格差はさほど大きくないと考えている人はそれぞれ約95%だった 。また調査対象者の80.7%が、貧富格差が拡大しつつある社会は「必ず変えるべきだ」としたが、同時に14.1%は「騒ぎ立てて変える必要はなく、自然に任せるべき」と答えた。今回の調査対象者は、新浪網オンライン読者、題客調査網会員、中国青年報読者から抽出され、年齢は20〜30歳、学歴は短大卒または大学学部卒、月収は1000元-3000元が大部分を占めた。
中国外交部報道官、旧日本軍の遺棄化学兵器問題の早急な解決求める
  中国人民日報電子版「人民網」12月22日付によると、中国外交部の秦剛報道官はで21日の定例会見での質問に答え、「日本の遺棄化学兵器問題は、日本軍国主義が中国侵略期に犯した深刻な犯罪、中日間に残された重大な問題であり、今なお中国の関係地域の人民の生命と財産と安全、生態環境に、重大で現実的な脅威と危害を及ぼしている」とのべ、日本側が、両国政府が1997年7月に署名した「中国における日本の遺棄化学兵器の廃棄に関する覚書」にもとづき「この問題を早急かつ真剣に解決することを望む」と言明した。
6ヵ国協議中国代表団報道官、「拉致問題は2国間対話で」
 中国人民日報電子版「人民網」12月21日付によると、6カ国協議中国代表団の姜瑜報道官は20日午後、2回目の記者会見を開き、席上、日本側のいう「拉致問題」についてコメントを求められ、「関係各国は9・19共同声明の精神に基づき、2国間対話を通じて互いの懸念を解決し、適切な段取りを経て相互関係を改善すべきだと考えている」とのべた。これは「拉致問題」を6ヵ国協議の議題にしようとする日本側の意図に対し、基本的に日朝間で解決されるべき問題であるとの立場を示したものと考えられる。
中国代表団報道官、「拉致」問題作業部会設置、なお検討が必要
 中国人民日報電子版「人民網」12月19日付によると、6カ国協議中国代表団の姜瑜報道官は、18日午後、記者会見で、「日本の外務副大臣は、作業部会を設置して『日本人拉致』問題などを処理する考えを示したが」との質問に答え、「その問題について、中国は朝日両国が協議によって適切に解決することを希望する。各国代表団は18日午前に、共同声明の履行に向けた具体的な措置と段取りについて各自の立場を詳述し、いくつかの構想も提示した。作業部会の設置も、共同声明の履行に関する提案の1つだ。作業部会設置の必要性の有無、作業部会の形態については、なお各国の踏み込んだ検討が必要だ」との見解を表明した。
韓国統一部長官、「北朝鮮制裁は短ければ短いほど有効」
 朝鮮日報紙電子版15日付がソウル発聯合通信電で伝えるところによると、韓国の李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官は14日、北朝鮮核問題の解決策と関連し「国際社会が制裁と対話路線を掲げているが、制裁は短ければ短いほど有効だ」と述べた。 これは、同長官がソウル・統一教育院で開かれた、第1期統一未来指導者課程修了式に出席し述べたもの。李長官は、制裁そのものが目的ではなく、究極の方法は対話を通じ平和を実現することだと強調した。原論的な発言ではあるが、李長官が北朝鮮核問題の解決策について意見を述べたのは11日の就任以来これが初めて。来週再開される6カ国協議にも触れ、「最も重要なのは互いに合意し約束したことを地道に守りながら信頼関係を築くこと」との認識を示した。安倍政権が、拉致問題の解決に絡ませ、制裁それ自体を目的としているのとはまことに対照的な発言である。
韓国行動委、靖国合祀取り下げ求めて来年3月訴訟
  韓国紙中央日報電子版8日付によると、「靖国反対共同行動」韓国委員会は8日、「来年の三一節(独立運動記念日)に合わせて、韓国人の靖国神社無断合祀を取り下げるよう日本東京地裁に訴訟を起こす考え」と明らかにした。韓国の遺族が日本政府ではなく靖国神社を相手に訴訟を起こすのは今回が初めて。 01年、太平洋戦争に動員された韓国人の生存者と遺族は日本政府を相手取り同じ趣旨の訴訟を起こしたことがあり、昨年8月には台湾と日本の遺族が靖国神社を相手取り合祀取消訴訟を大阪地裁に起こしている。 裁判に出席する原告団は太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表のイ・ヒジャ氏をはじめ遺族10人で、合祀取り下げの対象は靖国神社に合祀された韓国人犠牲者2万1000人余となる。
韓国真相究明委、「親日反民族行為者」106人の名簿確定
 韓国紙朝鮮日報電子版12月8日付が報ずるところによると、韓国の親日反民族行為真相究明委員会は6日、日本の侵略や植民地支配に協力した「親日反民族行為者」106人の名簿を確定、青瓦台(大統領府)と国会に提出した。「親日反民族行為者」については、これまでにも民間レベルで調査・発表したことはあるが、政府レベルで名簿を確定し発表したのは今回が初めてである。
 同委員会の報告書には、1904年の日露戦争開戦時から、1919年の3・1運動までの植民地時代初期における「親日反民族行為者」の名簿が掲載された。「乙巳五賊」(1905年の第2次日韓協約に賛成した5人の大臣)のうち、権重顕(クォン・ジュンヒョン)、朴斎純(パク・ジェジュン)、李根沢(イ・グンテク)、李完用(イ・ワンヨン)の4人は名簿に掲載されたが、李址鎔(イ・ジヨン)については関係者への通知手続きが行われている最中であるため掲載されなかった。一方、中枢院(旧大韓帝国末期の政府機関)の副参議を務めた呉悌泳(オ・ジェヨン)、義兵を弾圧した警察官僚の崔鎮泰(チェ・ジンテ)、東洋拓殖会社の設立委員になったペク・ワンヒョク、親日団体「一進会」会長の李容九(イ・ヨング)、『血の涙』で知られる小説家で、朝鮮総督府直属の機関に所属した李人稙(イ・インジク)、朝鮮総督府の機関紙「毎日申報」発行人を務めた鮮于日(ソンウ・イル)なども名簿に掲載された。親日反民族行為真相究明委員会は2004年3月に制定された特別法に基づき、昨年5月31日に大統領直属機関として発足し、2009年5月30日まで活動することとされている。
ル・モンド・ディプロマティーク編集総長、安倍政権発足で論評
 ル・モンド・ディプロマティーク誌11月号は、安倍政権の発足に関し編集総長イグナシオ・ラモネによる論評をかかげ、「元外相を父に持つ安倍氏は、きなくさい過去を持つ右派の政治家一族の一員であり、その過去と距離を置こうとしはしていない」と述べ、安倍氏の祖父・岸信介が東条陸軍大将の戦時内閣の閣僚で、東京軍事裁判の戦犯容疑者であった事実を紹介し、「戦争犯罪に関して公式には謝罪をしていない国にあって、安倍晋三はこのような一族の過去を否認したことはない」と指摘している。また、同論評は、「自民党の中でも最も右の派閥に属する安倍氏は、金日成時代の北朝鮮工作員による拉致事件の生存者の行方を追及することによって、政治家としての地位を確立した。北朝鮮に対するより強硬な姿勢とさらなる制裁措置が必要であると声を上げたが、そこに大衆扇動的な面がなかったわけではない。蔑視的な反朝鮮感情に訴え、多くのメディアがそれに追随した。このようにして安倍氏は支持を得た」と評している。
イラク駐留韓国軍部隊の撤収論、韓国政界で急浮上
 韓国聯合通信11日発電によれば、米国の中間選挙で共和党が惨敗した結果を受けて、韓国政界では、与党開かれたウリ党と民主労働党を中心に、イラクに駐留する韓国軍部隊の撤収を主張する声が高まったいる。同電によれば、韓国軍のイラク派兵延長に反対するウリ党議員は、来週から撤収を求め署名運動を展開することを予定しており、韓国軍部隊の撤収問題が政局の新たな争点に浮上するものと見込まれている。また、民主労働党も、米中間選挙によりイラク撤収に関する世論作りに有利な局面に入ったと判断し、派兵延長に否定的な与野党議員と足並みをそろえ、駐留部隊の撤収決議案を通常国会期間中に提出する方針を固めたといわれる。 
「中国・アフリカ協力フォーラム」、サミット宣言・行動計画を採択
 中国人民日報電子版「人民網」11月6日付によると、「中国・アフリカ協力フォーラム」北京サミットは5日、円卓会議を開き、北京サミット宣言と北京行動計画(07〜09年)を採択した。サミット宣言は重大な国際問題に対する双方の見解と主張を重点的に反映し、双方の新たな戦略的パートナーシップの構築と発展を宣言。北京行動計画は主に、今後3年間の双方の社会協力の計画と内容を明らかにしている。胡錦涛国家主席は会議を総括して、「世界平和の維持や共同発展の促進への過程において、中国は常に、アフリカ諸国を含む数多くの発展途上国とともにある」とのべ、@第1に、中国は永遠に、アフリカの平和と安定を促進する、信頼できるパートナーである、A第2に、中国は永遠に、アフリカの発展と繁栄を実現する、信頼できるパートナーである。中国は対アフリカ協力の強化と自国の発展をさらに緊密に連携させ、アフリカに対する市場開放、投資、援助、技術移転、人材育成を一歩一歩拡大していく、B第3に、中国は永遠に、国際問題へのアフリカの参与を支持する、信頼できるパートナーである。中国は国際問題でアフリカが一層の役割を発揮することを支持し、アフリカとの調和と協力を強化し、世界の政治・経済・貿易・金融体制の、さらに公正で合理的な方向への発展を共に促進していく。中国はこれまでと同様に、アフリカ諸国が正当な権益を守ることを支持し、国際社会がアフリカへの関心と投資を強化するよう、積極的に促していく、と強調した。
中国外交部、「6カ国協議再開は朝鮮半島情勢の緩和にプラス」
 中国人民日報電子版「人民網」11月1日付によると、中国外交部の劉建超報道官は、10月31日の定例記者会見で、「日本は、6カ国協議に朝鮮が核保有国として参加することは認められないとしている。中国も同じ見解か」との質問に答え、「当面の急務は、6カ国協議を早期に再開し、6カ国協議を通じて朝鮮半島の非核化を実現し、関係各国の懸念を解決することだと考える。6カ国協議の再開自体が、現在の朝鮮半島情勢の緩和に有益だ」との見解を明らかにした。
中国強制連行被害者・遺族の代表団86人が訪日へ
  中国人民日報電子版「人民網」29日付が報ずるところによると、戦時中の強制連行被害者と遺族の代表団86人が28日、北京で会合を持ち、4つの対日賠償請求訴訟に訪日して参加することとなった。これほど多くの強制連行被害者が裁判のために訪日するのは今回が初めて。 これには、20数人の被害者本人と約60人の遺族のほか、弁護士や通訳らが同行する。被害者の平均年齢は84歳を超えており、最も若い人でも80歳という。 弁護士団の中国側弁護士・康健氏によると、被害者・遺族代表団は訪日期間中、▽日本の各政党への訴状提出▽最高裁判所前でのアピール活動▽鹿島建設など加害企業への交渉提案▽当時の現場での集会――など一連の活動を予定している。康弁護士によると、日本政府にはドイツと同じような賠償基金をできるだけ早く設立するよう、すでに要求を出しているという。
韓国紙報道、昨年の扶桑社歴史教科書採択率2001年の10倍
 韓国の保守系紙中央日報電子版10月28日付は、外交通商部が、27日、国会統一外交通商委に提出した国政監査資料によると、昨年、扶桑社版歴史教科書は日本の1万960中学校のうち81校で採択され、採択率は0.739%、生徒数基準では119万2千人のうち4千840人(0.406%)が扶桑社の歴史教科書を使っており、日本右翼団体である「新しい歴史をつくる会」が刊行、過去の歴史歪曲で波紋を投げかけた扶桑社版歴史教科書採択率がここ数年間で急増したことわかったと伝えている。 昨年度の扶桑社歴史教科書採択率は2001年の採択率と比べ、学校数で10.4倍、学生数で7.5倍であるとそれぞれ明らかになったという。
ル・モンド・ディプロマティーク、朝鮮半島情勢で論評
 国際問題の論評で定評のあル・モンド・ディプロマティーク誌10月号は、朝鮮半島情勢に関する同誌編集総長イグナシオ・ラモネの論評を掲載したが、このなかで、同編集長は、「北朝鮮によれば、アメリカ政府は外交的な解決を探ろうとせず、唯一の目的を北朝鮮体制の転覆に定めているという。韓国の首脳の一部にはこの意見に同意する者もいる」と指摘している。また、金大中前大統領との会見について触れ、「彼は今回のミサイル発射を是認しないが、アメリカ政府は事態の沈静化になんら手を打っていないと見る」とのべ、「アメリカのネオコンたちは朝鮮半島の平和を望んでいないのです」「彼らは教条的です。……彼らはアメリカの利益を守ろうとしているわけでもなく、制裁というイデオロギーにとらわれ続けています。キューバに対しても、イラクに対しても、アフガニスタンに対しても、イランに対しても、うまくいかなかったのに。彼らは日本政府に圧力をかけて、同じように制裁をやらせようとしていますが、そのせいで地域内の軋轢が深刻化しています。こうした事態が日本の右派にとって、再軍備を主張する格好の口実となり、それに対して、中国が警戒を強めている。まったく危険な悪循環にほかなりません」という金大中氏の見解を伝えている。
金大中前大統領、「制裁に武力抵抗の可能性も」
 韓国聯合ニュース電子版がソウル22日発電で報ずるところによると、韓国の金大中(キム・デジュン)前大統領は21日、北朝鮮が国連の制裁措置に対抗して武力を行使する可能性があると警告するとともに、北朝鮮を孤立化させるよりも包容政策により国際社会に招き入れるほうがよいとの考えを示した。これはAP通信とのインタビューで述べたもので、北朝鮮の船舶に対する貨物検査を行う場合には武力で抵抗する恐れがあり、南北境界でも若干のトラブルが起きる可能性があると指摘した。その上で、こうした小さな紛争が将来的にどのように拡大するかはわからないと懸念を示した。金前大統領はまた、北朝鮮への圧力を強めることに反対の姿勢を明確に示すとともに、米国と北朝鮮による2国間協議を行い譲歩を通じて北朝鮮の核問題を解決すべきだと強調した。さらに、南北間の和解の努力に進展がないことを批判し、その原因は米国にあると指摘した。太陽政策は成功したが、完全な成功を得られなかった理由は米国と北朝鮮の関係が膠着(こうちゃく)状態に陥ったためだとしている。
中国外交部報道官「中国の対朝援助は正しい政策」
 中国人民日報紙の電子版「人民網」21日付によれば、中国外交部の劉建超報道官は19日の定例会見で、「『人民日報』」海外版の社説は、朝鮮が引き続き核実験を実施した場合、中国は朝鮮への穀物とエネルギーの提供を停止するとしているが、これは中国の政府としての立場か」との質問に答え、「メディアがどのような観点を発表するかは、彼らの権利だ。中国の対朝援助の問題に関しては、すでに繰り返し言明してきたが、中国は長年来、朝鮮人民の生活を改善し、朝鮮の経済困難の克服を支援するために、可能な限りの援助を提供してきた。われわれはこれは正しい政策で、朝鮮の人道状況の改善にも役立つと考えている」と答えた。
中央日報紙、北核問題など、潘基文次期国連総長の構想を報道
 韓国中央日報紙電子版16日付によれば、13日に次期国連事務総長に選出された潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官は、その直後の韓国特派員との一問一答で、北核問題などに関し要旨次のとおり答えた。
−−北核解決のための構想は。
「国際社会ですでに決まった6カ国協議という解決メカニズムがうまくいくように促進剤の役割をする考えだ。国連憲章99条によって総長としてイニシアチブを持つことができるので安保理理事国はもちろん6カ国協議参加国とも会って協議する」
−−訪朝の意思はあるか。
「事態の進展と多くの状況を見ながら考える問題だ。ただ金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が招待してくれば北朝鮮を訪問することができる」
−−対北制裁決議はかなり弱いという指摘があるが。
「そうではない。国連憲章7章41条で言及されており、この条項は武力制裁以前に外交的制裁を意味する。また大量破壊兵器とミサイル関連物品および部品に対する制裁も加えられる」
−−日本の常任理事国進出は周辺国の反対で難しいという意思を表明したことがあるが。
「われわれが日本の進出を反対するように思われているが、安保理改革に対する韓国の政府の原則を言っただけで、安保理改編には賛成するが、代表性のある会員国がならなければならないという意味だ」
中央日報、北核実験の原因は「米日の対北朝鮮制裁政策」49.9%
 韓国中央日報紙電子版14日付は「風向計」欄に、北核実験の主要原因は「米日の対北朝鮮制裁政策」にあるとする世論調査の結果を紹介した。これはジョインスドットコムがメディアダウム・リサーチ&リサーチと共同で11日、成人男女700人を対象に調査した結果で、「米国・日本の対北朝鮮制裁政策が原因」という回答が49.9%に達した。 「韓国の対北朝鮮包容政策」のためという回答は19.6%、「北朝鮮の内部要因」は17.0%だった。「解決に向けた韓国政府の対応策」を問う質問では、「政府が外交的に対応すべき」という回答が53.4%で最も多く、外交的対応後の「経済的対応」が28.0%、「軍事的対応」が6.5%だった。「外交的に対応すべき」という意見は20歳代(67.6%)、高学歴(大卒以上、60.6%)、高所得(月350万ウォン以上、61.5%)でとくに高かった。 今回の調査は済州道(チェジュド)を除いた全国満19歳以上の成人男女700人を対象に電話面接調査方式で実施された。誤差範囲は95%の信頼水準で±3.7%ポイント。
金大中前大統領、「太陽政策見直し」を批判
 朝鮮日報紙電子版12日付によれば、金大中(キム・デジュン)前大統領は11日、北朝鮮に対する「太陽政策」を見直すとの意思を表明した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対し、遺憾の意を伝えた。 金前大統領はこの日、全南大で行われた講演で、かなり強い語調で太陽政策への批判に対する反論を行った。金前大統領は「ここ最近、とてもおかしな理論が出回っている。太陽政策が失敗だったというものだが、記憶の糸をたどってみても、太陽政策のために北朝鮮が核開発をすると言ったことはない」と述べた。そして「なぜ罪のない太陽政策に罪をなすりつけようとするのか。太陽政策が甘かったという主張は、妥当な主張ではない。太陽政策が寄与した面については正しく評価するべきだ。ない罪をあると騒ぎ立てるのはおかしい」と訴えた。 さらに、金前大統領は「太陽政策は南北関係にとって明らかにプラスであり、さらにプラスとなりうるものなのに、米朝関係のせいでうまく機能しなくなったものだ。太陽政策の誤りを宣言し、金剛山観光や開城工業団地の事業を中止すれば、南北関係はさらに悪化する。金剛山観光や開城工業団地の事業で、多くの韓国人が北朝鮮の領土内に入ることができた。休戦ラインがそれだけ北に動いたものだ」と述べた。また、「米国に戦争を遂行する力はほとんどない。中東で足踏み状態が続き、米国内でも戦争を支持する人はいない。経済制裁もその効果が疑問視されている。今や残された道は対話だけだ」とも述べた。
中日両国の「共同コミュニケ」概要
 中国人民日報紙の電子版「人民網」9日付けによれば、8日北京で発表された中日両国の「共同コミュニケ」の概要は以下のとりである。
(1)安倍晋三日本国内閣総理大臣は温家宝中華人民共和国国務院総理の招きを受け、2006年10月8日〜9日、中国を公式訪問した。中国の胡錦濤国家主席、呉邦国・全国人民代表大会(全人代)常務委員会委員長、温家宝総理はそれぞれ安倍首相と会談を行った。
(2)中日両国は、▽国交正常化以来34年間にわたり各分野での交流・協力関係が絶えず進められ、相互依存関係が深まり、中日関係が両国にとって最も重要な二国間関係の1つとなった▽中日関係の正常で安定した発展は、両国の利益に符合する▽アジアおよび世界の平和、安定、発展のために、共同で建設的な貢献をしていくことは、新時代における両国と両国関係にとっての重大な責任――との考えで一致した。
(3)双方は「中日共同声明」、「中日平和友好条約」、「中日共同宣言」の原則を守り、歴史を正視し、未来へ向かい、両国関係の発展に影響する問題を適切に処理し、政治と経済という2つの車輪を力強くまわし、中日関係をさらに高いレベルへと推し進めることで合意したほか、両国の戦略的利益となる互恵関係を構築し、中日両国の平和共存、世々代々の友好、互恵協力、共同関係を実現することで合意した。
(4)双方は、指導者間の交流と対話が両国関係の発展に重要な意味を持つとの考えで一致した。日本側は中国の指導者を日本に招く意を表し、中国側はこれに対して感謝を表すとともに同意した。双方は外交ルートで話し合いを進めることで合意したほか、両国指導者が国際会議の場などで会談を続けていくことで合意した。
(5)中国側は、中国は平和的発展を進め、日本を含む各国とともに発展、繁栄していくことを強調した。日本側は、中国の平和的発展および、改革開放以来の発展が日本を含む国際社会に大きなチャンスを与えたことに積極的な評価を示した。また日本側は、戦後60年以上平和国家としての道を歩んできたこと、今後も平和国家としての道を歩んでいくことを強調。中国側はこれに対し、積極的な評価を示した。
(6)双方は、東中国海を平和、協力、友好の海とし、対話を進め、意見の違いを適切に解決していくこと、また東中国海問題をめぐる意見交換を強め、共同開発という方向を堅持し、双方にとって受け入れられる解決方法を模索することで一致した。
(7)双方は政治、経済、安全保障、社会、文化などの分野で各レベルの交流と協力を進めていくことで合意した。
――エネルギー、環境保護、金融、情報通信技術、知的財産権保護などの分野を重点とし、互恵協力関係を強める。
――経済分野では閣僚級の会談、関係部門同士の意見交換と官民対話を進める。
――中日国交正常化35周年となる2007年には、中日文化年、スポーツ交流年を行い、両国の人々、特に青少年の交流を発展させ、両国間の友好感情を促進する。
――中日の安全保障対話と防衛に関する交流を通じて安全保障分野の信頼感を促進する。
――中日の学界が共同で行う歴史研究を年内に開始する。
(8)双方は国際的、地域的に協調・協力関係を強めていくことで合意した。
双方は核実験問題を含む朝鮮半島の最近の情勢に対して憂慮を示した。双方は、関係部門と一体となって6カ国協議の共同声明に基づき6カ国協議を進め、対話を通して共同で朝鮮半島の非核化を実現し、北東アジア地域の平和と安定を維持していく。
双方は、東アジア地域での協力、中日韓の協力関係を強め、共同で東アジアの一体化を図ることで一致したほか、安全保障理事会(安保理)を含む国連が、必要かつ合理的な改革を行うことに賛同し、これについて対話をすることで一致した。
(9)日本側は安倍首相の訪中期間中における友好的な待遇に対し、感謝の意を表した。
朝鮮日報、安倍訪韓で歴史観に懸念と注目
 朝鮮日報電子版10月3日付は、安倍新首相の中韓連続訪問を報じた記事のなかで、小泉前首相が2001年10月に中国・韓国を訪問した際のことを想起しながら、「当時、小泉首相は7時間30分にわたってソウルに滞在し、『芳しくない歴史』、『互いに反省しよう』といった『責任転嫁』ともいえる発言を残して帰国した。その結果、靖国神社参拝を強行することになった」とのべ、今回の首脳会談が「やはり似た結果となるのだろうか」と懸念を示し、「安倍首相が一体どのような歴史観を示すのか、注目される」と結んでいる。
朝鮮日報紙、「『慰安婦妄言』」中川昭一、政調会長に」と報道
 朝鮮日報電子版26日付は、自民党の党内人事について、「『慰安婦妄言』の中川昭一、政調会長に」との見出しで報じ、中川氏について、「理念的に安倍総裁と最も近いタカ派の政治家」と指摘し、「従軍慰安婦を否定するなど、過去の歴史に対して屈折した発言を続けてきた人物である」ときびしく批判している。
ワシントン・ポスト紙、安倍首相の歴史認識を批判
 韓国・中央日報紙電子版26日付によると、米の有力紙ワシントン・ポストは25日付社説「日本の未来と過去」のなかで、安倍首相が小泉純一郎前首相よりももっと過去についてあいまいにしていると指摘した。同社説は、とくにに安倍氏が東京戦犯裁判の正当性に疑問を提起して、敗戦50周年に日本政府が発表した謝罪を支持しない点を批判し、「日本が過去の誤りを認めれば力強い外交政策の正当性を認められるが、何の誤りもないといえば隣国との対立を引き起こし、地域安保を害する」と警告している。
平頂山事件74周年、中日の民間団体が犠牲者に献花
 人民網日本語版」17日付けによると、旧日本軍による住民虐殺事件「平頂山事件」から74周年に当たる9月16日、当時事件が起きた遼寧省撫順市に、中日の民間5団体から代表者40人が訪れ、「平頂山虐殺遺跡記念館」で犠牲者3千人に献花、哀悼の意を表した。 九一八(満州事変)戦争研究会の王建学教授は中国側を代表してスピーチし、「犠牲になった同胞を追悼することは、恨みを晴らすためでも、続けるためでもなく、歴史を心に刻むためだ。私たちは一衣帯水の日本と、善隣友好国として付き合っていきたいと心から望んでいる。だが、日本の軍国主義の亡霊が当時の中国侵略の歴史を覆そうと、本当に起こった血生臭い虐殺の真実を隠そうとしていることは絶対に容認できない」と述べた。74年前の1932年9月16日、旧日本軍は撫順市平頂山村を包囲した。村民が抗日部隊に協力を提供したとの理由から、女性や子どもを含む3千人以上の罪のない住民を虐殺、住居800軒以上を焼き払うなどの蛮行をおこなった。
朝鮮日報、日本の従軍慰安婦問題で社説
 朝鮮日報電子版15日付は「日本は慰安婦強制動員の事実を後世に伝えるべき」との社説を掲げ、米下院の国際関係委員会が13日、日本が第2次世界大戦下でアジアの若い女性を従軍慰安婦として強制動員したことについて、「日本政府は慰安婦の性奴隷化についての歴史的責任を明確に認め、現在と未来の世代にこうしたおぞましい犯罪の事実を教えるべきだ」という決議案を全員一致で採択したことをとりあげ、「今回の決議案は法的な拘束力こそないものの、日本が行った反人道主義的蛮行を国際社会に再認識させ、日本国内が右傾化を強めるなか、日本政府と右翼勢力が協力して押し進めている歴史歪曲(わいきょく)や歴史隠ぺい工作に対する国際社会の関心を喚起する意味がある」と指摘し、「今回の決議案の特徴は、過去に日本が犯した犯罪について日本政府が歴史教育を行う責任を明示したという点にある」と強調している。同社説はまた、「次期首相就任が確実視されている安倍晋三官房長官は、問題の『新しい歴史教科書』の採択を支持する『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会』の事務局長を務め、いわゆる『自虐史観の清算』を主張してきた人物だ」とものべている。
仏警察高官、国際反テロ中核組織のパリ存在を認める
 仏紙ル・モンド電子版13日付によると、フランス警察の高官は、12日、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、オーストラリアの6ヵ国からなる共同の反テロ組織がパリで活動していることを認めた。これは、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の質問に答え、反テロ闘争調整組織(UCLAT)責任者のクリストフ・シャブーが明らかにしたもので、同氏は「情報交換実行のための措置」だとのべている。「連合基地」と名づけられたこうした組織の存在は、2005年に米紙ワシントン・ポストによって暴露されている。
盧大統領、「北ミサイル発射は”政治目的”」
 韓国中央日報紙電子版10日付がヘルシンキ発特派員電で報ずるところによると、ヨーロッパを歴訪中の盧武鉉(ノムヒョン)大統領は、7日夜(日本時間)韓国・フィンランド首脳会談直後に開いた共同記者会見で、北朝鮮のミサイル発射実験を「政治的目的」と規定し、「軍事的脅威」とみなさい立場を明らかにした。 盧大統領は「(北朝鮮の)テポドンミサイルが米国へ向かうにはあまりにもみすぼらしく、韓国に向けて発射するにはあまりにも大きい」とし、「武力攻撃のためのものではなく政治的目的で発射した政治的行動とみる」と述べた。 同特派員電は、この発言が14日に行われる韓米首脳会談を1週間後に控えて出てきた点を重視し、「盧大統領の対北朝鮮認識は、ブッシュ米大統領と向かい合って座る席でそのまま表出される可能性が高い。米国は最近、北朝鮮のミサイル発射と核実験の徴候などを連係し、対北朝鮮追加制裁という圧力手段を警告している。 特に、米国国内の強硬派の一部はブッシュ政権に対し、対北朝鮮先制攻撃論までも注文している」とのべ、こうした点で「盧大統領の発言は、対北朝鮮先制攻撃論と真っ向から対立する」ものと指摘している。
ベルギー当局、ネオ・ナチの軍事テロ組織網を破壊
 仏紙ル・モンド8日付電子版によれば、ベルギー当局は、7日、テロ活動によりベルギーの安全を脅かそうとしていたネオ・ナチの軍事組織網を破壊したと発表した。具体的な標的はまだ確定されていなかったが、行動に移ることがこの軍事組織の日程に上っていた。警官150人を動員した一斉検挙により17人の容疑者が逮捕され、このなかにはフランドル地方にある5ヵ所の兵営から来た11人のフランドル人兵士がふくまれていた。
中国、靖国参拝問題で安倍氏の姿勢を非難
 朝鮮日報電子版8日付が中国国営新華社通信が7日伝えたとして報ずるところによると、中国政府は、日本の次期首相選出が確実視されている安倍晋三官房長官が、自らの靖国神社参拝についての立場をあいまいにしている姿勢を非難しはじめている。 中国政府は安倍長官に対し、中国との関係正常化を望んでいるのなら、靖国神社参拝についての立場を明確にしなければならないと要求した。 中国の人民日報もこの日、1面トップ記事で「安倍長官側の政策顧問やブレーンは、(靖国神社参拝に関して)あいまいな態度をとり続ける戦略が成功につながるとみているようだが、“誠実であれば数多くの権謀術策にも打ち勝つことができる”という教訓が分かっていない」とし、安倍長官のあいまいな姿勢は通用しないだろうと報じた。 同紙はさらに、「安倍長官が中日関係の改善を本気で考えているという態度を見せなければならない」と付け加えた。
韓国野党議員ら、日本極右団体の資金で訪日
 韓国中央日報紙のデジタルニュース7日付が、京郷新聞(キョンヒャンシンムン)7日付報道として伝えるところによると、野党ハンナラ党の事務総長を務める黄祐呂(ファン・ウリョ)議員と同党・宋永仙(ソン・ヨンソン)議員らが今年5月に日本を訪れた際、日本の極右団体から航空料金と宿泊費など滞在費の支援を受けていたことが分かった。 黄議員と宋議員の一行は、金英男さん(キム・ヨンナム、44)と横田めぐみさんなど北朝鮮によるら致被害問題が浮上した当時、支援組織「救う会」の西岡力副会長の招待で日本を訪問したもの。黄議員は日帰りで、宋議員は2泊3日間の日程でそれぞれ日本に滞在した後、帰国したという。同紙によると、両議員だけでなく月刊朝鮮(チョソン)の趙甲濟(チョ・カブジェ)編集委員とハンナラ党のキム・チョルギ京畿道(キョンギド)党副委員長も同行しており、それらもやはり滞在費全額の支援を受けたという。なお、同ニュースは西岡力氏について、 「従軍慰安婦を強制に連行したことが韓国のねつ造によるものだと主張してきた『新しい歴史教科書をつくる会』の初期メンバー」であると紹介している。
「東京裁判]高群書監督とのインターネット対談(1)
 人民網日文版5日付は、映画「東京裁判」の高群書監督が4日午後、人民網の掲示板「中日論壇」を訪れ、同作品についてネットユーザーと交流した際のネット対談について、要旨次のとおり報道した。
―監督は、この映画を撮影したことの効果をどうとらえていますか?
高監督:この映画は、真実の歴史をみなさんに伝えるものです。あの時代の歴史は、わたしたちの過去の時間の中で、余りにも多くが埋もれ、忘れられてしまいました。この映画には多くの欠陥があるかもしれませんが、わたしたちは誠実に取り組んだといえます。誠実に歴史に向きあい、誠実に中日両国の人民に向き合いました。
―映画の出資者は誰ですか?政府関係からの出資はありますか?政府の活動ですか、それとも純粋な民間の活動ですか?
高監督:湖北沙隆達集団と北京国立創投公司からの出資で、いかなる政府関係の資金もありません。
―小泉氏の靖国神社参拝についてどう思いますか?
高監督:わたしも大多数の中国人と同じで、小泉氏の靖国参拝に怒りを覚えています。
―映画を観るべき理由と、考えられる欠陥について教えてください。
高監督:中国人がみな関心を持つべき歴史であるということでしょう。実際、みなさん当時の歴史の真相を理解するために映画を観に行っています。映画は、わたしたちの歴史に対する姿勢、戦争に対する姿勢を表現しています。わたしたちはできるだけ客観的で冷静な姿勢を保ち、可能な限りの真実を用いて、当時の歴史を再現しました。時間や資金の関係で、多くの欠陥があります。たとえば場面、俳優、あるいは裁判の展開においても、満足でない部分があります。将来、これを補う機会があればと思います。
中国映画「東京裁判」、日本上映へ交渉中
 中国では、極東軍事裁判を再現した映画「東京裁判」の全国上映が1日から始まっているが、人民網日本語版9月4日付が報ずるところによると、同映画の高群書監督は8月31日、主演俳優らとともに上海で記者会見を開き、戦犯を演じた日本人俳優を高く評価するとともに、日本上映に関連して、「配給サイドが努力しており、成功すると信じている」とのべ、「この映画のもっとも最も重要な点は、歴史的角度から問題を捉え、歴史的・法律的な公正性に努めたことだ。撮影中も、多くの日本の友人から強い支持を得られた」と語った。
韓国外交通商部、韓日首脳会談再開関連報道を否定
 ソウル4日発の韓国聯合通信によれば、韓国外交通商部は4日、韓国政府が日本の次期首相として有力視される安倍晋三官房長官に、昨年11月から中断されている韓日首脳会談の早期開催を打診したと日本の一部マスコミが報じたことについて、「事実と異なる」と否定した。 同電によれば、外交通商部は報道資料を通じ、潘基文(パン・ギムン)長官が先月9日、故・橋本龍太郎元首相の葬儀に弔問使節として訪日した際に安倍官房長官と会い、「韓日関係の困難と対立要因が早期に解消され、政府間で正常な交流が再開されることを期待する」と言及したと説明している。この際、潘長官は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)を機とする韓日首脳会談の開催や日本の次期首相の訪韓について言及していないとしている。 これは、日本の各紙が韓日消息筋の言葉として、韓日首脳会談を再開しようという盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の意向を潘長官が伝えるとともに、安倍官房長官に対し首相就任後の早期訪韓を要請したと報じていたことを否定するものである。
NYタイムズ紙、「日本の次期首相はタカ派」と報道
 ニューヨーク・タイムズ紙3日付は、東京発電で、「日本の次期首相はタカ派」との見出しで安倍長官の自民党総裁選出馬宣言を報じ、「日本の次期首相に予定されている国家主義的政治家はアメリカによって押しつけられた平和憲法を変えるべきだ」と表明したと伝えている。同記事は、「第2次世界大戦後の占領下でアメリカ人により起草された現在の戦争放棄憲法は、日本が真の軍隊をもつことを認めていない」とのべ、安倍長官が戦時中(東条)内閣の閣僚でありA級戦犯容疑者として収監されたが、裁判は受けず、1957年に首相となった岸信介氏の孫であることにもふれている。また安倍長官が靖国神社参拝の頑強な支持者であることを指摘し、「日本では小泉首相よりも強硬派とみなされている。小泉氏が、日本の戦時指導者たちを裁いた東京裁判の有効性を認めているのに対し、安倍氏はこれを認めていない」とのべている。
韓国中央日報紙、「安倍政権は戦後最右派政権」と報道
 韓国中央日報9月2日付は、金玄基(キム・ヒョンギ)東京特派員電により、安倍晋三官房長官の自民党総裁選出馬宣言について、「<安倍の日本>憲法改正で自衛権行使、<強い日本>に野心」との見出しで報じた。同電は、安倍長官が発表した公約について、「一言で要約すると<強い日本>だ。実現手段には<全面的な憲法改正>と<教育改革>を全面に押し出した」とのべ、「小泉純一郎政権が<郵政民営化政権><旧政治打破政権>だったなら、安倍政権は<自主改憲推進政権><愛国心政権>と表現でき}、「理念的には戦後政権のうち最も右派となる公算が大きい」と指摘している。同電は、また、靖国問題に触れ、「靖国神社参拝問題については『(靖国神社に行くか行かないかによって首脳会談ができる、できないというのは間違っている』と小泉首相の持論を擁護しながらも、『首脳会談を復活させるためお互いに努力していかなければならない』と強調した。 アジア外交を等閑視してきた小泉政権とは違うというメッセージを投じたのだ」とのべている。
ホンジュラス人400人、米へ越境の途中で行方不明
 キューバ国営通信プレンサ・ラティーナが8月31日テグチガルパ発電で報ずるところによると、過去4年間に、アメリカ合州国へ不法移住をはかったホンジュラス人400人が、行方不明となっている。ホンジュラスのエドゥアルド・エンリケ・クイーン副首相が明らかにしたもので、同副首相によれば、政府は行方不明者の関係者から400通以上の抗議文を受けとっているという。行方不明者のうちには誘拐されたとみられるものも多い。こうした背景には、組織的犯罪と麻薬取引があるという。社会団体によれば、ホンジュラスの人口の70%は貧困状態にあり、非識字率も高く、暴力がはびこるなかで、毎年数千人の人びとがホンジュラスを去っているという。ホンジュラスの全人口85万人中12%が国外で暮らしているといわれる。
日本政府が仏テレビ局に放送中止求めた番組を韓国で緊急再上映
 朝鮮日報9月1日付によると、日本の右傾化の動きを扱い、竹島ではなく独島であると明示したとして、日本が放送中止の圧力を加えたというフランスのドキュメンタリー「日本、過去の影」が韓国EBS教育放送で1日に緊急再放送される。 このドキュメンタリーは、フランスの公営テレビ「FRANCE5]が先月18日に放送したもので、韓半島(朝鮮半島)とアジアの国々を緊張させている日本の憲法改正問題から歴史教科書の問題、独島の問題まで、日本に生まれ始めている歴史修正主義について全般的に調べ、その原因と問題点を指摘している。このドキュメンタリーは、また、戦争犯罪者に公式的に敬意を表する首相など、靖国神社をはいかいする過去の影を批判し、これまで日本に最も大きな被害を受けた韓国と中国、そしてアジア各国の反応をそのまま描いており、日本政府は1カ月半にわたりこのドキュメンタリーの放送を中止させようとしたという。EBS は既に先月14日、光復節(日本の植民地支配から解放された日)特集としてこのドキュメンタリーを放送しているが、日本政府の放送阻止の試みが明らかになると、ネチズンの関心がこのドキュメンタリー番組に集中したため、これを受け、EBSは緊急に1日午後11時55分から再放送することに決定したもの。
スリランカ、国際休戦監視団が政府軍の虐殺行為を非難
 仏紙ル・モンド31日付がAFP電として伝えるところによると、スリランカ休戦監視団の一員であるスカンディナビア監視団は、30日、スリランカ政府軍が8月4日、スリランカ北東部のムッチュールで、飢餓救援組織の現地人要員17人を殺害したと非難した。同監視団は、「この殺害は、スリランカの治安部隊による重大な休戦協定違反とみなされる」とコミュニケでのべている。
マニラ国際会議、小泉首相の靖国参拝を批判
 中国人民日報のインターネット版「人民網」8月28日付によると、第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪に関して戦後補償を求める国際会議が、26から29日までの予定で、マニラで開かれた。会議は27日に共同声明を出し、日本の小泉純一郎首相が靖国神社を参拝することは、侵略を美化するものだとして批判した。また日本政府に対して、すべての被害国とその国民に謝罪し、歴史の歪曲(わいきょく)と日本の再軍事化をやめるよう求めた。 韓国、朝鮮、中国、オランダ、ニュージーランド、フィリピン、日本などから訪れた学者、記者、法律専門家および戦災者ら約100人の参加者は、声明のなかで、小泉首相が靖国神社を参拝することは、日本政府が日本が過去に犯した戦争犯罪を認めない、非常に悪質な行為だと訴えたほか、日本政府は生き残った戦災者の賠償を求める声を無視し、国民に日本が過去に犯した戦争犯罪をしだいに忘れさせようと企んでいると指摘した。
靖国参拝:小泉流の「詭弁」 へ5つの反論(中国・人民網日本語版)
 中国の人民網日本語版8月15日付けは、「靖国参拝:小泉流の『詭弁』 へ5つの反論」と題し、要旨次のような論評をおこなった(各項目冒頭の数字は引用者)。
 この5年間、小泉首相は靖国参拝について、散々「詭弁」を用いてきた。例えば、参拝は「個人」の自由だと言ったかと思えば、日本の「内政」であるから「日中関係には関係がない」と言ったり、また「中国と韓国だけが(参拝に)反対している」、「(参拝は)平和のため」と主張するなどだ。しかし、詭弁は公理に勝つことはできない。以下、これら「詭弁」に対する反論である。
 @靖国神社参拝は小泉首相の「個人」の自由だろうか?―そんなことはない。
 一般人にとっては「個人」の自由かもしれないが、小泉首相は一国のリーダーだ。彼が靖国神社を参拝するという行為は、それ自体が日本国全体の意志を代表し、日本政府のさきの侵略戦争とA級戦犯に対する態度を体現する行為となる。この重大な政治原則問題を「個人」の自由と表現することは、まったく無責任な行為である。
 小泉首相は2001年4月18日、自民党総裁選挙の討論会で、「首相に就任したら、8月15日にいかなる批判があろうとも必ず参拝する」と公約した。このことからも、小泉首相は首相になる前から、すでに内心では靖国神社参拝を一種の政治行為と見なしていたことが明らかである。むしろ、完全な「私用」での参拝ならば、当選後の公約とする必要があるだろうか?小泉首相が靖国参拝を「個人」の自由とする主張は、詭弁でしかない。彼自身が内心どう考えようと自由だが、靖国参拝という直接的行為で戦争被害国の人々の感情を傷つけていいという自由は一切ない。
 A「首相の参拝も日本内政」だろうか?―そんなことはない。
 靖国神社には極東国際軍事裁判で有罪となった東条英機など14人のA級戦犯が祭られている。従って、日本の政治家による靖国参拝問題は単に日本の内政だけでなく、国際正義と人類の良識に及ぶ問題で、これは内政の範囲をはるかに超えている。日本が起こした侵略戦争によって、アジア諸国の人々は計り知れないほどの苦痛を味わった。よって、アジア諸国の人々が小泉首相に対し、首相の立場での靖国参拝中止を求める権利があるのは当然のことだ。
 B「参拝は中日関係と関係がない」だろうか?―そんなことはない。
 東条英機ほか14人のA級戦犯は、そのほとんどが中国に対する侵略戦争に関係があり、そのうちの多くは中国侵略部隊において要職についていた。関東軍参謀長、司令官だった者も4人いる。彼らは中国人民に対し、きわめて残酷な犯罪行為を行った。中国の人々が、これら戦犯の祭られている靖国神社への首相参拝に反対するのは当然であり、小泉首相の参拝が中日の友好・協力関係にマイナス影響をもたらさないわけがない。また参拝をめぐる言動で中国の人々の感情を傷つけ続ける日本の首相を、中国人が好きになれるはずもない。
 C「中国と韓国だけが参拝に反対している」のだろうか?―そんなことはない。
 米下院のハイド議員が今年4月、小泉首相が6月の訪米期間中の米議会での首相演説を実現するには「演説後、小泉首相が二度と靖国神社を参拝しないことを日本側が表明する必要がある」とする趣旨の書簡を同党のハスタート下院議長に提出している。世界中にはハイド議員のような、日本の政治家による靖国神社参拝を反対する人はいくらでもいる。小泉首相の言う、「中国と韓国だけが反対している」という主張はまったく根拠のないものだ。小泉首相が靖国神社参拝を続ける行為は、日本の軍国主義の犠牲になったアジア諸国の人々、および多くの日本国民からの批判を受けるにとどまらず、米国、欧州、アフリカの多くの国々の政治家、民衆およびマスコミによる批判を浴びているというのが事実だ。これは良識のある人なら誰もが、さきの日本軍国主義者が人類に対して犯した犯罪の数々を忘れることができないからだ。
 D「参拝は平和のため」だろうか?―そんなことはない。
 日本の首相がこれまで千鳥ヶ淵戦没者墓地で死者の追悼を行ったり、広島・長崎での記念活動に参加したりすることについて、国際社会はいかなる異義も唱えたことがない。しかし靖国神社は違う。靖国神社は終戦までは軍国主義の国家施設であった。しかも戦後、A級戦犯を祭っているばかりか、「遊就館」という軍事博物館のような施設まであり、「大東亜戦争は自衛のための戦争です」と宣言している。アジアの人々の血で染まったA級戦犯が、ここでは「英霊」とされているのだ。まるで、今日の平和は彼らの「犠牲」の上に成り立っているかのようである。これは世界に向けた一種の詐欺であり、人類の良識への冒とくだ。小泉首相の靖国神社参拝は事実上、「大東亜共栄圏」思想を蘇らせたいと願う一部の人々や、歴史を否定する極右勢力を助長したことになった。このほか、小泉首相の靖国参拝の目的として、いわゆる「中国と韓国の圧力に屈しない」という強い外交態度を人々に示すというものがある。政治的な元手を手にし、「歴史に残る」首相となるためだ。
 小泉首相の思惑は明らかに外れた。8月15日、小泉はまちがった考えに固執して、再び靖国神社を参拝し、アジアの人々の彼に対する印象にいっそう深い闇を落とした。日本と中国、日本とアジア諸国との関係の歴史の中で、小泉首相は将来、立派な「悪役」となって残るだろう。
 近年、中日関係はとても困難な局面を迎えている。両国の国民はこれを憂い、国際社会はこれに注目している。中国の責任ではなく、また、日本国民の責任でもない。問題は小泉首相がA級戦犯の祭られている靖国神社を参拝し続けることにある。このことが中国人民を含む被害国の人々の感情を傷つけ、中日関係の政治的基礎を損なったのだ。
 中国政府はこれまで中日関係を一貫して重視し続けてきた。中日関係が双方にとって最も重要な二国間関係の一つであるとし、両国関係の改善と発展のためにたゆまぬ努力をしてきた。中国の人々は、日本側も同様の努力を行い、中日関係の発展に悪影響を与える政治的な障害ができるだけ早く取り去られ、両国関係が一刻も早く正常な発展の軌道に乗ることを願っている。(編集SN)
青瓦台、「次期首相靖国参拝する限り首脳会談ない」
 韓国中央日報16日付によれば、徐柱錫(ソ・ジュソク)青瓦台(チョンワデ、大統領府)統一外交安保政策首席は16日、安倍晋三日本官房長官が来月次期首相が就任しても靖国神社を参拝する限り、韓日首脳会談をしない方針であることを明らかにした。 徐首席はこの日午前、KBS1ラジオ「こんにちはイ・モンリョンです」に出演「靖国神社参拝をする首相とは首脳会談をしないという政府基調は、安倍官房長官が首相に就任しても適用されるか」という質問に「される」と答えた。徐首席は「次期日本首相が誰になろうが我々は国際社会の信頼を得るための努力を日本が行動で示すことを期待するという立場」とし「靖国神社問題も同じ」と強調した。
韓国政府声明、「靖国参拝に失望と憤怒」
 ソウル15日発韓国聯合通信によると、韓国政府は15日、日本の小泉純一郎首相が靖国神社を参拝したことに対し、「深い失望と憤怒を表明する」との声明を発表した。 外交通商部の秋圭昊(チュ・ギュホ)報道官名義の声明は、「小泉首相が国際社会の度重なる懸念と反対にもかかわらず国粋主義的な姿勢で靖国神社を参拝したことが、韓日関係をぎくしゃくさせ北東アジア域内の友好協力関係を損なってきた点を厳重に指摘する」と強調している。
朝鮮日報紙、日本従軍看護師による中国人2青年の生体解剖事件を報道
 韓国の朝鮮日報紙14日付は、東京13日発の特派員電で、日本の東京新聞が13日、従軍看護師だったムラヤマ・マチコさん(82)の「生体解剖」体験を報じたことを伝えている。それによると、ムラヤマさんは1943年10月、ソ連国境に近い旧満州(中国東北部)の陸軍病院で中国人青年2人を生きたまま解剖したと証言した。ムラヤマさんは、 「医師と衛生兵、看護師が集まった。憲兵が両腕を縛られた20代の中国人青年2人を手術台の前に連れてきた。坊主頭に黒い人民服で共産党の青年だと直感した。青年たちは、手術台を見ても毅然(きぜん)としていた。医師は青年に麻酔を打った。生きているまま頭からつま先まで解剖した」と語っている。また、「助手を務めた」と証言し、「(今は)言葉で表せないほど後悔している。しかし、当時、共産党は泥棒の集団だと習った。憎悪と敵対心しかなかった。(解剖のときも、)何とも思わなかった。思想統制とはそんなものだ」とのべている。
小泉靖国参拝すれば、韓国政府は公式声明などで強く抗議
 韓国の聯合通信13日ソウル発電によれば、韓国政府当局者は13日、日本の小泉純一郎首相が15日に靖国神社を参拝する可能性が高いとの見方を示すと同時に、参拝した場合には公式声明を発表するなど、政府として日本側に強く抗議する方針を明らかにしたと伝えている。同公式声明では、韓国をはじめ周辺国の度重なる警告にもかかわらず日本の首相がA級戦犯を合祀(ごうし)した靖国神社参拝を敢行することは、過去の侵略の歴史を美化するものとの認識を明確にするという。また、別の政府当局者によると、韓国政府が日本側に、安倍晋三官房長官が新首相に就任した場合、靖国神社参拝を繰り返さないという条件で初めの1回だけは参拝を受け入れる立場を提案したと、日本のメディアが報道したことについては、「話にもならない憶測」とコメントしたといわれる。さらに、同電は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は8月15日の植民地解放記念のあいさつで、韓日関係の望ましい未来について、韓国政府の立場を盛り込んだ内容を発表する可能性が高いとみられると報じている。
韓国中央日報紙、安倍長官の歴史観をきびしく批判
 韓国の保守系紙中央日報11日付は、「自負心をもてる国」と題する「時評」欄で、日本の次期首相として最も有力視されている安倍晋三官房長官の近著『美しい日本へ』をとりあげ、安倍氏がかつて「新世代総理宣言」というセミナーで「安倍内閣が誕生するならば、国民に提案する国家像は『自負心を持つことができる国』だ」とのべたことにふれ、安倍氏の歴史認識は、「東南アジア諸国の戦後独立は日本軍の南方への進出が契機」だったとする扶桑社のいわゆる「極右教科書」と脈を共にしていると、きびしく批判している。同「時評」は、さらに、「日本がもう少し知るべきことは、満州侵略以来日本が繰り広げた15年間の侵略戦争で、罪もなく命を失ったアジア諸国の生霊2000万人と、戦場に追い出され死んでいった自国民300万人の不幸な歴史」であると強調している。また、「時評」は、「小泉氏はA級戦犯に関係なく追悼の気持ちを捧げたいとの考え方だが、安倍氏は東京戦犯裁判への否定が根底にあることから深刻」という加藤紘一自民党前幹事長の言を紹介し、改憲をかかげる安倍総理の誕生に強い警戒を示している。
韓国保守系紙、「4月参拝公開は安倍陣営のメディア操作」と報道
 韓国の保守系紙中央日報6日付は、東京特派員発電で安倍官房長官の「4月靖国参拝」がなぜこの時期に公開されたのかについて、「安倍陣営が特定のメディアに情報を先に流したという説が有力」とのべ、その理由を「安倍長官の支持者の中には参拝を積極的に擁護する勢力が多い。もし小泉純一郎首相が第2次世界大戦終戦の15日に参拝を強行した場合『安倍はどうして参拝しないのか』という反論が支持勢力から出る可能性が高い。4月の参拝公開はこのような批判を事前に遮断する効果がある。首相就任後、靖国問題に足を引っ張られない外交活動を展開しようとする戦略としても解釈することができる」と指摘している。また消息筋の話として、「4月の参拝を公開することで首相就任後、しばらく参拝を慎みながら韓国や中国との関係改善のための突破口を見つけようとする計画の1つで見る見方も少なくない」とのべている。
安倍長官の靖国参拝、韓国与野党が強い遺憾表明
 ソウル4日発聯合通信が報ずるところによると、韓国の与野党は4日、日本の次期首相候補として有力視される安倍晋三官房長官が4月に靖国神社に参拝していた事実が明らかになったことについて、強い遺憾の意を表明した。 与党開かれたウリ党の禹相虎(ウ・サンホ)報道官は聯合ニュースの電話取材に対し、「とても遺憾だ。日本の主要閣僚による相次ぐ靖国神社参拝は、韓日関係を悪化させる要因だという点を明らかにする。これ以上こうしたことが起きるべきではない」と述べた。 また、最大野党ハンナラ党の兪奇濬(ユ・ギジュン)報道官は口頭での論評を通じ「日本の官吏、とくに次期首相と目される安倍長官が靖国神社を参拝したことは間違いだ。日本のこうした行動は韓日関係を悪化させるだけでなく、これまで築いてきた北東アジア各国との善隣外交を一瞬にして水の泡にするものだ」と指摘している。また、 民主党の李相烈(イ・サンヨル)報道官は論評で「日本が過去の過ちを本当に反省し悔い改める姿を見せなければ、隣国との善隣関係を維持するのは困難だ。未来志向的で建設的な外交関係を維持できるよう日本の態度変化を期待する」と述べた。
朝鮮日報紙、小泉首相、終戦記念日に靖国参拝強行と報ずる
 韓国紙朝鮮日報3日付が、特派員電で東京の外交消息筋の話として伝えるところによると、小泉純一郎首相が国内外の反発にもかかわらず、終戦記念日の今月15日に靖国神社への参拝を強行する可能性が強いという。同筋によると、小泉首相の参拝に備え、首相官邸は当日の警護の準備や記者会見などの日程の調整を極秘裏に進めているといわれる。さらに、ある消息筋は、「小泉首相は8月15日午前に靖国神社に参拝し、靖国神社と道路をはさんだ向かい側にある日本武道館で日本政府主催の戦没者追悼式に出席した後、首相官邸に戻り記者会見を開くというシナリオを用意しているようだ」と語っている。戦没者追悼式に先立って午前中に参拝する理由は、午後は神社境内に人波が押し寄せ、警護上の問題が生じることに備えたためだという。同紙は、先月20日、昭和天皇が1978年のA級戦犯の合祀に不快感を示し、それを理由に参拝を取りやめたという側近のメモが日本経済新聞で報じられ、これによって小泉首相の参拝が難しくなったと予想する声も出たが、小泉首相は意に介さないという反応を見せているとのべている。小泉首相が終戦記念日に靖国神社に参拝した場合、日本の首相としては1985年8月15日に中曽根首相が参拝して以来、21年ぶりとなる。
北朝鮮軍、韓国軍前方観測所を銃撃
 韓国紙中央日報・朝鮮日報などが8月1日付で報ずるとjころによると、7月31日夜、北朝鮮軍が韓国軍前方観測所(GOP)に向かい銃撃、韓国軍がこれに応じて射撃したという。韓国合同参謀本部が1日明らかにしたところでは、7月31日午後7時35分ごろ、江原道楊口東部戦線非武装地帯(DMZ)内北朝鮮軍GP(前方小哨)から南方2キロメートル足らずの韓国軍 GOPに向かって実弾2発が撃たれ、韓国軍もこれに応じて6発射撃した。北朝鮮軍が発射した2発のうち1発は韓国軍GOPボイラー室の壁に当たったが、韓国軍の人命や装備には被害がなかった。北朝鮮軍は今回の銃撃について、1日午前現在まで何の反応を示しておらず、韓国軍は万一の事態に備えて境界線勤務・監視活動を強化している。 合同参謀本部関係者は「GOP境界規則上、北朝鮮が挑発してきた場合、韓国軍は直ちに応射することになっている。GOP地域は南北とも銃器を相手に向けているため、今回の北朝鮮軍銃撃が韓国側GOPを狙った照準射撃なのか、暴発なのかは、きちんと調査してみなければ分からない」と説明している。
中国、新任の北朝鮮大使に若手の米国通起用へ
 韓国の朝鮮日報紙7月31日付によれば、中国外交部が新任の駐北朝鮮大使に、中国外交部内で米国通として知られる劉暁明氏(現・甘粛省省長助理)を内定したことが明らかになった。 これは、中国の内部事情に明るいソウルの消息筋のが伝えたもので、劉暁明氏は米ボストンのタフツ大学フレッチャー・スクールで国際政治学修士号を取得し、主に駐米中国大使館に勤務した米国通の外交官だという。中国が駐北朝鮮大使に米国専門家を派遣するのは今回が初めて。 このことについて、先の消息筋は、中国外交部が米国への留学経験を持つ外交官を駐北朝鮮大使に内定したことは、中国外交の最大の懸案である北朝鮮核・ミサイル問題を含めた対北朝鮮外交の基調を全面的に修正し、これまで最大の社会主義同盟国であり、善隣友好国であった北朝鮮との関係を米中関係の延長線上で処理する方向に政策転換することを意味していると、指摘している。
スペイン最高裁、元グアンタナモ囚人に無実を宣告
 仏ル・モンド紙25日付によれば、スペイン最高裁は、24日、アルカイーダに属しているという理由で10年の禁固刑を宣告されていた、元グアンタナモ囚人ハメド・アブデッラマーヌ・アフメドに関し、「具体的な証拠をまったく欠いている」として無実を宣告した
中国、5カ国協議開催には否定的
 朝鮮日報25日付が北京発聯合通信により報ずるところによると、中国は、来週マレーシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)を機に浮上している5カ国協議の可能性について、6カ国協議のすべての当事国の外相が参加する会談を検討すべきだとし、否定的な姿勢を見せたと日本の外務省関係者が21日明らかにした。 中国の李肇星外交部長はこの日、日本の西田恒夫外務次官と北京で会談した。西田次官によると、李肇星外交部長は来週のARF年例会の際に、6カ国協議のすべての当事国の外相が会談することを検討すべきだと語ったという。 しかし李肇星長官は、6カ国協議の当事国の一部から出ている「協議を開くことが重要であり、北朝鮮が交渉復帰を拒否し続けるなら5カ国協議を開催すべきだ」という提案について、否定的な立場を明らかにしたと西田次官は伝えた。
韓国紙が報道、日本「08年にイージス艦2隻の前倒し追加配備」
 韓国紙中央日報24日付が報ずるところによると、日本の海上自衛隊は、先端ミサイルを搭載したイージス艦(7700トン)2隻を長崎県の佐世保基地に追加で配備する計画を08年春に前倒しする方針を決めた。 海上自衛隊の消息筋が23日語ったとされ、それによると、日本は、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した6隻目のイージス艦を08年春の配備に向け長崎県で建造中であり、長崎県の佐世保基地に配備する予定といわれる。来春には、もう1隻のイージス艦を東海(トンへ、日本名・日本海)に面した京都府の舞鶴基地に就役させる方針だが、搭載するミサイル詳細についてはまだ分かっていない。 このとおり実行されれば、現在、戦闘機迎撃システムを備えて活動中の7250トンの4隻を含めて、日本はイージス艦6隻を保有するようになり、これら4隻と5番目のイージス艦など計5隻が、東海と東シナ海に面した基地に集中することになる。
韓国統一部長官、米の「大義名分」に疑問投げかける
 朝鮮日報23日付によれば、韓国のイ・ジョンソク統一部長官は21日午前に放送されたMBCラジオ「孫石熙(ソン・ソクヒ)の視線集中」に出演したが、韓米協調体制が揺らいでいるのではないかとの指摘に対し、「米国がとっている行動のほとんどに韓国はついて行っているが、米国の行動が全て国際社会の大義名分に合致しているかは考察する必要がある」と述べた。「アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひく」とまで言われるわが国政府の対米追従ぶりとは異なり、国際見識に富んだ発言である。
アムネスティー、アルジェリアにおける拷問を非難
 近着のル・モンド国際週刊版7月15日号によれば、アムネスティー・インターナショナルは、10日、ロンドンで、「野放しの権力:アルジェリア治安部隊による拷問の実態」と題する報告書を公表し、アルジェリア情報治安部が、「反テロリズムのための戦争」を口実におこなっている拷問の実態を明らかにした。同報告によれば、カナダ、スペイン、フランス、イタリア、マレーシア、オランダなどの諸国から強制送還されたテロリスト容疑者にたいし、電気ショック、汚水や小便、化学液体などをむりやり飲みこませるなどの拷問が繰り返されているという。同報告は、これらの容疑者にたいする拷問は秘密の場所でおこなわれ、容疑者たちは弁護士、医師、家族などとの接触をいっさい断たれ、民間によるいかなる監督の恩恵も受けていないと伝えている。
カナダ在住華人 南京大虐殺を地元教科書に盛り込む
 人民日報7月21日付によれば、2005年、カナダ国籍の華人王裕佳氏が創設した「カナダ抗日戦争史実保全会」は、南京大虐殺、旧日本軍従軍慰安婦、細菌戦など、日本帝国主義の中国侵略の歴史を初めてカナダのオンタリオ州の中等学校の歴史教科書に盛り込むことに成功した。王裕佳氏の職業は開業医で、「カナダ抗日戦争史実保全会」の創設者でもある。王裕佳氏はその初志について、「第二次世界大戦期に、日本は中国を含む数多くのアジア諸国ですさまじい罪を犯し、全人類の怒りを引き起こした。しかし、日本当局はこれまでこれらの侵略の歴史を認めようとしていない。より多くの人々、特に欧米の人々にこの歴史の真実を知ってもらうため、人々に直接の資料を提供する必要がある。その目的は新たな憎しみを生み出すのではなく、歴史の真実をすべて明らかにし、歴史のトラウマをよく認識したうえでそれを癒した後、平和を再建することを目指している」と述べている。王裕佳氏らの努力の結果、今や、オンタリオ州の900余ヵ所の中等学校では「日本の中国侵略」が歴史の必修課程と定められている。
朝鮮日報社説、「昭和天皇も靖国参拝問題視」
 朝鮮日報7月21日付は、「昭和天皇も問題視していた靖国参拝」と題する社説を掲げ、靖国神社が太平洋戦争を引き起こした東条英機らA級戦犯らまで1978年に合祀したため、昭和天皇がこれを不快に思って以後の靖国神社参拝を止めていたという内容の日本経済新聞の記事を引用し、靖国参拝を公言する小泉首相や安倍官房長官らの名前を挙げ、「もう日本の政治指導者らが靖国神社の参拝に固執する名分はない。天皇の言葉通り、靖国神社参拝は日本の戦争責任を否認するいびつな歴史認識を反映したものだ。 日本の政治指導者による靖国参拝は、今年9月に退く小泉と一緒に姿を消すべきだ」と論評を加えた。
盧大統領、「不必要な対決局面」回避方針示す
  韓国聯合通信ソウル19日発電によれば、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は19日、北朝鮮のミサイル発射に関する今後の対策について、状況の実体以上の行き過ぎた対応で不必要な緊張と対決局面を生み出す動きは問題の解決には役立たないとの考えを示した。これは、この日午前、青瓦台(大統領府)で、同大統領主宰のもと、北朝鮮のミサイル発射と国連安全保障理事会が採択した対北朝鮮非難決議に関する今後の対策を話し合うため開かれた安保関係閣僚会議で述べられたもの。
ナチスの悪魔の遺産、戦時強制労働賃金の不払い問題
 ワシントンタイムズ7月17日付に掲載されたバート・アロルセン(ドイツ)発ジェイ・ブシンスキー記者の記事によれば、第二次世界大戦中、ナチスにより奴隷労働を強制された数十万人のポーランド人、チェコ人、ウクライナ人、その他のヨーロッパ諸国の人びとが、かれらが従事した強制労働にたいする賠償金をほとんど受けとっていないか、まったく受けとるチャンスがないという。多くの場合、かれらの労働記録はバート・アロルセンにある国際複写サービス(ITS)――ホロコーストに関する世界最大の記録保管所――に存在しており、これら強制労働者が月給27旧ドイツマルク(8ドル)もの低賃金で、工場労働者、炭坑夫、召使いなどとしてつらい労働に耐えしのんだことを証明する十分な証拠があるにもかかわらず、ITSによるデータの提供が遅々として進まないため、こうしたことが起きているという。日本でも、かつて朝鮮・中国などから強制連行されてきた人びとへの賠償未払いが問題になっているが、その点では、日本もナチスも同列だといえよう。
中国・王国連大使の安保理決議採択後の発言
 人民日報16日付によれば、国連安全保障理事会が15日午後、全会一致により、朝鮮のミサイル試射問題に間する決議1695号を採択した後、中国の王光亜国連大使は発言の中で、次のように述べた。
 朝鮮が7月初めにミサイルを試射したことは、国際社会から広く注目されている。朝鮮の近隣国として、中国は朝鮮半島情勢に現れた新たな複雑な要素に対し、強い懸念を表明する。中国はずっと朝鮮半島の平和・安定の維持に尽力し、対話と交渉による半島問題の平和的解決を堅持しており、半島の情勢を緊張させるいかなる行動にも反対する。中国は各国が大局を重んじ、自制を保ち、朝鮮半島の平和と安定に役立つことを多く行うよう望む。中国は各国とともに努力し、困難を克服し、条件を作り、6カ国協議のプロセスを進め、半島と北東アジア地域の平和と安定を共同で守って行きたい。
 安保理で朝鮮のミサイル試射問題が取り上げられて以来、中国は朝鮮半島の平和と安定の維持、安保理の団結という二つの大局を踏まえ、安保理が対外的に一致したサインを出すことで新たな外交努力を活性化させるよう、終始主張してきた。朝鮮半島の平和と安定を守ることは、国際社会や北東アジア各国の共通の利益にかなうことであり、中国が朝鮮半島問題に対応していく上での根本的な出発点となる。中国はこのために確固たる姿勢で努力する。
 日本などの国が先に安保理に提出した決議案は、「国連憲章」第7 章の引用が含まれており、朝鮮に対する経済制裁や武力行使につながり得る内容だった。中国などの国が断固として反対した結果、新たな決議案からはこうした内容がすべて削除され、これにより安保理の理事国全体から一致した支持が得られた。
中国外交部、「中ロ善隣友好協力条約」締結5周年で談話
 人民日報14日付が報ずるところによると、13日に開かれた中国外交部の定例記者会見上、姜瑜報道官は、「中ロ善隣友好協力条約」締結5周年について、次のような談話を発表した。
 今年は「中ロ善隣友好協力条約」締結5周年にあたる。両国の元首は2001年7月16日にモスクワで同条約に署名し、「同盟を結ばず、対抗せず、第3国を標的にせず」を基礎とした、両国間の長期安定的な善隣友好・互恵協力関係の発展における趣旨と原則を定め、「世々代々の友好、永遠に敵対せず」の平和思想を法的な形で打ち固めた。これは、両国の戦略的パートナーシップの発展を導く綱領的文書である。同条約を全面的に履行するため、両国元首は2004年に「中ロ善隣友好協力条約実施綱要(2005〜2008年)」を批准し、各分野における協力の発展の原則と方向を示した。
 この5年間、中ロ関係は同条約が定めた原則と精神に導かれ、双方の共同努力の下、盛んで健全な発展という良好な流れを保ってきた。ハイレベルの交流も緊密で、政治的な相互信頼は深まり続けている。双方は対等な協議、相互理解と相互譲歩を基礎に、歴史が残した国境問題を徹底的に解決し、互利互恵の原則に基づいて各分野の実務協力を全面的に拡大かつ深化し、地域・国際問題において緊密な意思疎通と協調を保っている。中ロ関係はかつてない高いレベルに達しており、両国民に多大な利益をもたらし、地域と世界の平和と安定の維持に重要な役割を発揮している。われわれはロシア側と共に努力し、同条約を引き続き全面的に履行し、戦略的パートナーシップの水準をたゆまず高め、両国民および全人類に幸福をもたらしていく決意だ。
中国政府、次期国連事務総長、アジアからの選出を断固支持
  中国人民日報14日付によれば、中国外交部姜瑜報道官は、13日開かれた定例記者会見で、「中国政府は次期国連事務総長の候補者選出において、どのようにアジア諸国の認識共有を促していくか」との質問に答え、「次期国連事務総長の選出における中国の立場はきわめて明確だ。アジアからの選出を断固として支持する。アジアは、能力と威信があり、各国に受け入れられる候補者を選出することができると信じている。アジア諸国が団結と協力を保つことを望む」と言明した。
韓国国会統一外交委員長、「日本の6カ国協議資格、再検討すべき」
  韓国中央日報紙14日付けによれば、韓国国会の金元雄(キム・ウォンウン)統一外交通商委員長は、14日、北朝鮮のミサイルについて、「米国・ロシア・中国は数千、数万個の長距離ミサイルを持っているがこんなに大騒ぎしたりしない。(北朝鮮に対し)一部国家が過剰に対応しているのは問題」としたうえ、北朝鮮に対し強硬姿勢を示している日本について「日本が核問題とは全く関係のない日本人ら致被害者問題を取りあげ続け、6カ国協議を成功裏に展開させるうえで障害物となっている」とし、 「(6カ国協議の)当事国としての資格を再検討すべき」だとの認識を示した。同氏はまた「北朝鮮のミサイルが韓国を狙うこともあり得る」と警告したベル韓米連合司令官について、「責任ある軍人として軽率だという気がする」とも述べた。
韓国与党議員43人、日本の北制裁案を侵略主義と非難
 朝鮮日報14日付によれば、 韓国の与党ヨルリン・ウリ党議員43人は13日、「日本主導による国連の対北制裁決議案は明白な侵略主義」という声明を発表し、「日本が露骨に軍事大国化を試みている。膨張戦略を中断せよ」と主張した。
サミットで、中日首脳会談予定なし
  人民日報13日付によれば、胡錦涛国家主席は、16、17の両日、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれる主要8ヵ国と発展途上国の首脳による対話会議に出席するが、この期間中に中日間の首脳会談は今のところ予定されていない。これは外交部の崔天凱部長代理(次官補に相当)が12日に述べ、新華社のウエブサイトとが伝えたもの。崔部長代理は、「われわれは、一連の二国間会見を予定している。しかし今のところ、これら二国間会見には中日二国間の会見は含まれていない」と述べ、さらに、中日関係は現在、重大な困難があると指摘し、その問題点や障害については周知の通りだと述べた。小泉首相の靖国参拝がつづく限り、両国間の首脳会談はないことを改めて明らかにしたものといえよう。
韓国大統領府、日本の侵略的性向を批判
 韓国の中央日報紙11日付が報ずるところによると、青瓦台(大統領府)スポークスマンの鄭泰浩(チョン・テホ)スポークスマンは、11日、日本の中心閣僚らが北朝鮮ミサイル発射により、「対北先制攻撃、武力使用の正当性」を公論化しているのに対し「日本が侵略的性向を表したことに深く警戒しなければならない」と語った。鄭スポークスマンは特に「過去、日本が韓半島に居留する自国民保護を侵略のきっかけとした痛恨の歴史的事実に映してみたとき、これは韓半島と東北アジアの平和を阻害する重大な脅迫的発言といわざるをえない」と批判した。同スポークスマンは、さらに「韓国政府は、北朝鮮のミサイル発射は北東アジアの平和と安定を深刻に阻害する挑発的行為としてこれを容認することができないと明らかにしている」とのべながら、「しかしこれをきっかけに『先制攻撃』のような危険で挑発的な妄言により韓半島の危機を増幅させ、軍事大国化の名分にしようとする日本の政治指導者たちの傲慢さと妄発に対しては強力に対応していく」とのべている。
韓国、日本に「一方的な決議案推進は望ましくない」
  韓国聯合通信10日発電によれば、韓国外交通商部当局者は、10日、北朝鮮のミサイル発射は北東アジアの地域情勢を害する挑発行為という点から、安保理でこれを非難し再発防止に努力することは評価するとした上で、「北朝鮮へのメッセージは段階的に進めるべきで、あまりに一方的に決議案を推進することは望ましくないという韓国政府の立場を外交ルートをつうじて日本側に伝えた」と明らかにした。同電によると、これは、日本が進めている決議案が、安保理理事国間の意見の衝突により採択できないとの判断から、安保理議長声明など他の方法で北朝鮮にメッセージを伝えることを勧告したものと見られるとしている。同電はまた、別の政府当局者の言明として、「日本国内で一部高官らが北朝鮮のミサイル問題を国内政治に利用するような行動をしたり、先制攻撃論が出るなど外交的解決の原則を否定するような言動があることも望ましくないという考えを日本側に伝えた」ことを明らかにしている。
グアテマラで、マヤ族婦人会議開催へ
 プレンサ・ラティーナ(キューバ国営通信)8日付が報ずるところによると、11、12の両日、グアテマラ国内および中南米諸国から250以上の婦人団体の代表の参加により、第6回マヤ族婦人会議が開催される。同会議の組織委員会が公表した文書によれば、「スペインによる植民地化以来500年以上にわたり、先住民婦人は貧困下におかれ、自分たちの民族的衣装と言語の使用を排除されている」と非難している。先住民で、全国コーディネータで農民でもあるフベンティーナ・ロベスさんは、この集会でマヤ文化の救済と市民参加の権利のためたたかうとのべている。
テポドン発射、金正日総書記が直接指示
 韓国中央日報紙8日付が韓国情報当局の観測として伝えるところによれば、北朝鮮のミサイル発射については、金正日国防委員長の決定を通じて発射命令が下りたといわれる。それによれば、情報当局は、金正日国防委員長兼人民軍最高司令官はミサイル発射命令を人民武力部と総参謀部を経由せず、「ミサイル指導局」に直接下したものと観測している。「ミサイル指導局」はミサイルの開発と生産、作戦配置任務を担当しているものといわれ、テポドン2号を製造した箴進(チャムジン)軍需工場の技術開発人材もミサイル指導局所属であるという。
人民日報、「:盧溝橋事件から69年」を報ず
  人民日報7月7日付は、「歴史上の7月7日:盧溝橋事件から69年」と題し、以下の記事を掲載した。
 1937年、資本主義世界は新たな経済危機に陥った。難局を打開し、侵略・拡張政策を継続するため、日本の帝国主義者らは「7・7事変」(盧溝橋事件)を起こし、中国への全面的な侵略戦争を発動した。
 盧溝橋は北京市中心部の南西15キロの永定河のほとりに位置し、北京と各地を結ぶ交通の要だ。1937年6月、日本の侵略軍はほとんど毎日のように盧溝橋付近で挑発的な軍事訓練を行った。7月7日、日本軍は兵士1人の失踪を口実に、橋のそばにある宛平県城の捜査を要求したが、中国側の守備軍はこれを拒否。同日午後8時ごろ、日本軍は盧溝橋への侵攻を開始した。中国の守備軍は忍びがたきを忍びつつ、奮起して自衛のため戦った。日本帝国主義の侵略に反対する中国の人民の抗日戦争は、ここに始まった。
ミサイル発射、北朝鮮外務省報道官発言全文
 韓国の聯合通信が7月6日付で報ずるところによれば、北朝鮮は、同日、朝鮮中央通信記者の質問に答える形で、ミサイル発射の事実を公式に認めた。以下は北朝鮮が発表した外務省報道官発言の全文である。資料として掲載する。これを読む限り、正否はともかくとして、それなりの論理をもっており、少なくとも「権力中枢に異変か」などという「消息筋」の無責任な憶測が当たらないことだけは明白である。
 「わが軍隊がミサイルを発射したことと関連し、現在米国とそれに追従する日本のような一部の国が、違反だ、挑発だ、制裁だ、国連安全保障理事会に付託だ、などと言いながら、なにか大きなことでも起きたかのように奔走している。
 今回行われた成功的なミサイル発射は、自衛的国防力強化のため、わが軍隊が正常的におこなった軍事訓練の一環だ。
 主権国家としてのわれわれのこうした合法的権利は、どのような国際法や日朝平壌宣言、6ヵ国協議共同声明のような二国間あるいは多国合意に拘束されない。われわれはミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に加入した加盟国でもなく、したがってこの制度によるどのような拘束も受けるととはない。
 1999年にわれわれが米国と合意した長距離ミサイル試験発射の一時凍結(モラトリアム)について述べるなら、それは米朝間で対話が進行する期間に限ったものだ。しかしブッシュ政権は、先の政権がわれわれと交わしたすべての合意を無効化し、米朝間の対話を全面的に遮断した。すでにわれわれは2005年3月にミサイル発射一時凍結合意がどのような効力もないことを明らかにした。
 2002年にわれわれが日朝平壌宣言で日本と合意した長距離ミサイルの試験発射凍結も同様だ。われわれは日朝平壌宣言で、「宣言の精神に基づき2003年以降さらに延長する意向」を示した。これは日朝間の国交が正常化され、われわれにたいする日本の過去清算が行われることを前提としたものだ。しかし日本当局は、われわれが拉致問題を完全に解決してやったにもかかわらず、みずからの義務はなにひとつ履行しなかっただけでなく、むしろ米国の対北朝鮮敵視政策に積極的に便乗し、拉致問題を国際化するなどわれわれの善意を悪用し、日朝関係全般を原点に戻した。こうした中でわれわれがこれまでミサイル発射を保留してきたことは大変な度量の表示だ。
 2005年9月19日の6ヵ国協議共同声明は、朝鮮半島の非核化実現のため各国がすべき義務を規定している。しかし米国は共同声明が採択されすぐにわれわれにたいする金融制裁を実施し、これを通じた圧迫をさまざまな面から加えており、われわれを標的とした大規模な軍事演習のような脅威で共同声明の履行過程を全面的に妨げている。こうした中でわれわれだけが一方的にミサイル発射を保留する必要がないというのは、だれにとっても明白 だ。
 事態がこうなったにもかかわらず、わが軍隊が自衛のため正常的に行うミサイル発射が、地域情勢を緊張させ、対話進展を妨げているという主張は完全に現実から目をそらした無理強いの論理だ。
 力の均衡が破壊されるとき、不安定と危機が造成され、戦争まで起きるということは歴史の教訓であり、今日のイラク情勢が見せる国際関係の冷酷な現実だ。万一われわれに強大な自衛的抑止力がなかったなら、米国は、悪の枢軸、核先制攻撃対象に指定したわれわれを何回も攻撃しただけでなく、朝鮮半島と地域の平和が完全に破壊されていたはずだ。
 結局われわれのミサイル開発と試験、生産と配備は、北東アジア地域の力のバランスを保障し、平和と安定を保障する主な要因となってい る。
 われわれがミサイル発射について事前に通報しなかったと、挑発だなんだと言うことも言語道断だ。われわれと交戦関係、技術的に戦争状態にある米国が日本と組んで、すでに1ヵ月前からわれわれがミサイルを発射すれば迎撃すると騒いでいる中で、彼らにミサイル発射をあらかじめ通報することは実に愚かなことだ。米国と日本はわれわれの周辺で多くのミサイルを発射しながら、一度でもわれわれに通報したことがあるだろうか。
 6ヵ国協議の共同声明で公約した通り、朝鮮半島の非核化を対話と交渉を通じ平和的に実現しようというわれわれの意志は今も変わりがない。しかし、わが軍隊のミサイル発射訓練は、最初から6ヵ国協議とは無関係だ。
 わが軍隊は今回と同様に今後も自衛的抑止力強化の一環としてミサイル発射訓練を継続していくだろう。万一だれかがこれに文句をつけ圧力を加えようとするならば、われわれはやむを得ず他の形態のより強硬な物理的行動さえ取らずにはいられないだろう。」

米空軍、韓国・烏山基地に最新型U−2偵察機を配備
 朝鮮日報6月26日付によれば、米軍は、北朝鮮の軍事情報収集にあたり偵察衛星と並んで中心的な役割を担う偵察機U−2の最新型機「ドラゴン・レディー」を、23日、京畿道烏山市の米空軍基地に配備した。これまでの「ブロック10型」といわれる機種はディスプレーをダイヤル操作する方式だったが新型機はタッチスクリーンを備えた最先端のデジタル方式により、操縦士がさまざまな飛行情報、偵察情報を一目で把握できるという。同機の配備により北朝鮮の長距離弾道弾ミサイル「テポドン2型」の発射情報収集機能が強化されると見られている。
グアンタナモ「自殺囚」の家族、死因に強い疑念
 ワシントンポスト紙がメディナ(サウジアラビア)14日発電で伝えるところによれば、アメリカがキューバのグアンタナモア基地に設けている収容所内で去る10日自殺したとされる、ヤッシャー・タラル・アル・ザラニ(21歳)の家族たちは、その死因が自殺ではなく、アメリカ兵による絞殺または殴殺ではないかとの強い疑念を表明した。ザラニの姉のソハイラは、自殺を禁じたイスラムの教えにふれ、「ザラニはコーラン(イスラム教典)を暗記していた。熱心な信者だった。その彼がどうして(コーランの教えに背いて)自殺をし、永遠に地獄に落ちるようなことをする訳があろうか」と疑問を呈している。ザラニの父タラル(52歳)は、遺体がまだ戻されていないとのべ、サウディ政府に対し、第三者による遺体解剖と調査を要求すると言明した。グアンタナモア基地には主としてアラブ人・イスラム教徒450人が正式な告発も受けずに、アメリカの法の枠外で拘留され、不法な尋問や拷問を受けている。欧州議会も先に同収容所の閉鎖を求める決議をしており、イラクのハディタで起きた米海兵隊による市民虐殺事件の波紋と並んで、今後、ブッシュ政権に対する責任追及の声が高まることは必至である。
アムネスティー・インターナショナル、中国の武器輸出を非難
 仏紙ル・モンドによれば、アムネスティー・インターナショナルは、11日に公表した報告書のなかで、中国は世界でもっとも「無責任な」武器輸出国の一つであり、スーダン、ネパール、ミャンマーなどの紛争の火に油を注いでいると指摘している。同報告書に付随する人権擁護組織のコミュニケは、「中国は武器輸出に関しもっとも隠れた無責任な国の一つである」と非難している。報告書は、「中国は、人権の重大な侵害を招くような武器輸出を禁ずるいかなる多国間条約にも調印せずに武器輸出をおこなっている唯一の大国である」と言明している。アムネスティー・インターナショナルによれば、中国の年間武器輸出額は10億ドルに達するという。
スリランカ、「汚い戦争」で500人が殺される
 仏紙ル・モンドが6日2日コロンボ発特派員電で伝えるところによると、スリランカでは、昨年12月から5月18日までに、政府軍治安部隊と反政府ゲリラ「イーラム解放の虎」とのあいだの宣戦布告なき戦闘で、市民267人を含む510人が殺害された。これは、北欧諸国から派遣された停戦監視団の計算によるもので、ある人権活動家は、ほとんど毎日のように起きる停戦違反について、「ひじょうに汚い戦争がおこなわれており、だれがどの事件に責任があるのか正確に知ることはほとんど不可能である」と言明している。
独諜報機関、米によるドイツ人誘拐事件を認める
 
ニューヨークタイムズ紙6月2日付によれば、ドイツの対外諜報機関(BND)は、1日、ドイツが公式に誤認逮捕だと知らされる16ヵ月前に、あるドイツ市民がアメリカによって逮捕抑留されていた事実を知っていたと語った。ドイツは、これまでは、このドイツ市民カレド・エル・マスリの誘拐について、2004年5月にマスリが帰国するまで知らなかったと主張していた。1日に議会の調査委員会で明らかにされたこの事実はヨーロッパの各国政府、少なくともその諜報機関が、アメリカへの「特別引き渡し」を教唆していたのではないかとの疑惑を深めさせている。「特別引き渡し」というこの言葉は、アメリカ諜報機関によるテロ容疑者の誘拐を指しており、そのあとアメリカの法の枠外で尋問するため、容疑者は秘密裏に第三国へ移送されることを意味している。
コスタリカ労組、アメリカとの自由貿易協定反対で、来週全国スト
 プレンサ・ラティーナ(キューバ国営通信)が6月1日サンホセ発電で伝えるところによれば、コスタリカの労働組合は、アメリカとの自由貿易協定(CAFTA)がコスタリカの労働者の労働条件を悪化させるとの理由で、7日に全国規模の反対ストライキをおこなう。

カブール、反米暴動燃え広がる
 仏紙ル・モンド5月30日付が、アフガニスタンの首都カブール特派員発電で伝えるところによると、米軍トラックによる交通死亡事故に端を発したカブールの暴動は、2001年11月のタリバン政権崩壊以来もっとも激しいものとなり、その矛先はアメリカとかいらい政権カルザイ大統領に向けられている。すべての交差点に警察と軍隊が展開され、商人たちは略奪を受けた店のガラスの破片を取り片付けている。暴動発生以来の犠牲者は死者14人、負傷者約100人に及んでいる。カブール北部からなだれ込んだデモ隊は、小グループに分散してカブールの各街区に広がり、警察はこれにたいし大規模に武器を使用している。

イラク、テロ攻撃でジャーナリスト2人を含む約50人が死傷
 仏紙ル・モンドがAP電の報道として伝えるところによれば、29日、イラクの首都バグダッドで8回にわたるテロ攻撃により、CBSの記者2人を含む33人が殺され、10数名が負傷した。CBSの記者2人はアメリカ軍のパトロール隊を目標にした爆弾攻撃の犠牲となったもの。2人はともにイギリス人で1人はカメラマン、1人は録音技師だった

アムネスティー年次報告、日本の人種差別を批判
 仏紙ル・モンドによれば、アムネスティー・インターナショナルは、最新の年次報告のなかで、日本の人権問題を取り上げ、死刑を存続していることと、難民に対する制限政策を続けていることとを非難している。同紙は、日本における人種差別の調査のため東京を訪問した国連の調査官ドゥードゥー・ディエーヌ氏が、16歳以上の外国人にディジタル指紋と写真の登録を義務づける日本の新法律の適用方法に懸念を示し、「テロリズムと戦うことを口実に外国人を差別する傾向」に警戒を促していると伝えている。

アントワープで人種差別反対の「白いデモ」に2万人参加
 仏紙ル・モンドによれば、5月26日、ベルギー北部の中心都市アントワープ(別名アンベルス)で、人種差別主義者による2歳の幼女とその乳母のマリ人妊婦の殺害(既報)に抗議するデモ行進がおこなわれた。市当局も共催に加わり、当初、5万人の参加が見込まれていたこのデモには、悪天候にもかかわらず2万人が参加した。デモ行進の先頭に「アントワープは悲しみにおおわれている」「ストップ人種差別主義 多様性こそ現実」という2本の横断幕が子どもたちの手でかかげられている以外は、プラカードも横断幕もなく、「白いデモ行進」といわれている。

仏軍筋、アフガニスタン情勢の「イラク化」を懸念
 仏紙ル・モンド5月25日付によれば、フランス軍筋は、この数日来の戦闘の激化はアフガニスタン情勢がますます「イラク化」しつつあることを示すものと懸念している。同筋によれば、アフガニスタンのタリバンとこれに類似する武装勢力の行動は、テロ攻撃に訴えている点や、西欧の軍隊に対する慣れという点で、二重に変化しているという。20日にフランス軍海兵隊パラシュート隊員2名が殺されたのは、こうしたことの現れであると同筋は強調している。

朝中両国間の短期ノービザ措置が廃止
 韓国紙中央日報5月26日付が報ずるところによれば、北朝鮮と中国間に1949年の修好以後適用されてきた「短期滞留者査証免除」措置が撤回されたことが確認された。同紙によれば、措置の撤回を最初に求めたのは北朝鮮側で、これに応じて中国側も4月18日から同様の措置をとったと言われる。北朝鮮はこれまで北朝鮮に自由に出入りしていた公務の中国人についても、これからは事前に査証発給を受けるよう要求しているという。同紙は、その背景について、北京の消息筋の話として、「平壌その他の主要都市にあまりにも多くの中国人がいて統制しにくいと判断したからと聞いている」と伝えている。

AP通信系列社、平壌に常設支局開設
 
韓国紙朝鮮日報5月23日付によれば、アメリカのAP通信系列で映像ニュース媒体のAPTNが、22日、平壌に常設の支局を開設した。APTNは国際ニュース・スポーツ・芸能などの映像コンテンツをテレビとインターネットなどに供給している会社で、これまで、4年間にわたり北朝鮮の官営ラジオ、朝鮮中央放送・朝鮮中央テレビ、外務省などと交渉を続けてきた。この日開設式に出席したAPTNの総責任者ナイジェル・ベイキー氏は、「APは世界のすべての地域から権威ある公平なニュースを伝達できるようになった」と語っている。この時期に北朝鮮が支局開設を認めた理由について、世宗研究所の白鶴淳(ペク・ハクスン)南北朝鮮関係研究室長は、朝鮮日報紙上で、「外部世界と交流協力をしなければならないという原則は、北朝鮮も十分に認識しているだろう」とし、「特に米国との関係改善なしでは国際社会への進出が難しいだけに、欧米メディアを受け入れたようだ」と語っている。

メキシコ・アメリカ国境で3人死亡、16人負傷
 
プレンサ・ラティーナ(キューバ国営通信)がメキシコ20日発電で報ずるところによれば、ブッシュ米大統領の命令による国境警備強化の結果、20日までの一週間に、3人が殺され、16人が負傷した。いずれも、「不法入国」を防止するため派遣された米国境警備パトロール隊の発砲によるもの。

国連の拷問に反対する委員会、アメリカを非難
 
仏紙ル・モンド5月20日付けによれば、19日公表された、国連の拷問に反対する委員会の報告は、アメリカはアフガニスタンやイラクで米軍によっておこなわれた「あらゆる形態の拷問を根絶するため断固たる措置をとるべきである」と指摘している。同報告は、「アメリカは、自国領内であれアメリカの裁判権下にある領域内であれ、あるいは、事実上支配下にある場所であれ、人びとを秘密の収容所に拘禁することをやめるべきである」と勧告している。同報告は、「秘密の施設に人びとを拘禁すること自体、一種の拷問ないしは残酷かつ非人間的・恥ずべき待遇・刑罰であるである」と結論づけている。国連の拷問に反対する条約は、1984年に採択され、1987年に効力を発したもので、これまでに141ヵ国が批准している。アメリカは1994年にいくつかの留保条件をつけて同条約を批准したが、それ以来、たった1回、2000年に同委員会に出席しただけである。

CIA ヨーロッパで30〜50人を拉致
 仏紙ル・モンド18日付によれば、2001年の9.11事件以後、米CIAはヨーロッパで30〜50人を「特別移送」の対象として拉致したといわれる。 これはCIAに関するヨーロッパ議会の調査委員会報告者である欧州議員クラウディオ・ファバ(イタリア社会党)が、17日、ストラスブールでおこなった記者会見で明らかにしたもの。同調査委員会の議員たちは、5月8日から12日にかけワシントンを訪問し米政府代表だけでなく、元CIA要員にも匿名を条件に面接している。 30〜50人という数字は、元CIA要員の一人が、調査委員会議長のカルロス・コエルホ(ポルトガル)とクラウディオ・ファバに語ったもので、この元CIA要員によれば、これらの人びとは移送先の国ぐにで拷問の危険にさらされていたという。また、この数字には、キューバのグアンタナモア収容所や、アフガニスタン収容所の収容人員は含まれていない。

欧州委、ブルガリア、ルーマニアの欧州連合加入承認を延期
仏紙ル・モンド18日付によれば、欧州委員会は、16日、ブルガリア、ルーマニア両国の欧州連合加入を予定どおり2007年1月1日以降認めるか、それとも1年先送りするかどうかを検討した結果、結論をこの秋まで持ち越すことに決めた。欧州委員会は、とりわけ汚職克服という点で両国が加入条件を満たすことができるかどうか、10月初めに開かれる委員会で改めて検討するとしている。両国はいずれも旧共産圏に属する国だが、イラク戦争ではアメリカに協力している。

アントワープで、マリ人妊婦と幼女が人種差別主義者に殺害される
仏紙ル・モンド12日付によれば、ベルギー北部の都市アントワープ(別名アンベルス)の中心部で、11日、24歳のマリ人妊婦とこの女性がお手伝いとして面倒を見ていた2歳の幼女が、18歳の青年ハンス・バン・テムスケによって殺害された。同青年は過激な人種差別主義者で、以前にも、46歳のトルコ人女性を殺そうとして、重傷を負わせている。ベルギーでは、この数日来、同様の事件が頻発しており、いずれも極右の民族主義政党との関わりが指摘されている。

韓国紙、小泉首相の8月15日靖国参拝を報ずる
 韓国の中央日報紙8日付は、同日付日経新聞の「小泉首相が終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝する案を具体的に検討しはじめた」との報道を取り上げ、韓国や中国は「首相の終戦記念日参拝は、すなわちA級戦犯に対する参拝」とし、強力に反発することが確実とのべ、日経紙の「日本の政界では小泉首相が終戦記念日に参拝するという観測はあったが、政府が本気で検討しているという事実が明らかになったことで、韓国や中国との関係がいっそう悪化することが確実視される」との記事を引用している

世界で6億9400万人がインターネットに接続
 仏紙ル・モンド5月5日付けによれば、世界で15歳以上の人口の14%にあたる約6億9400万人がインターネットを利用している。これは、コムスコア・ネットワークスが4日公表した調査結果によるもの。うち、1億5200万人がアメリカ合州国、2390万人がフランスで、この調査は、中国・インドをふくめ、2006年3月の接続サービス数に基づいており、コムスコア・メディア・メトリックス社のピーター・ダボール社長は、「インターネットに接続しているアメリカ人の数は、10年前には世界の3分の2だったが、今日ではもはや4分の1しか占めていない」と強調している。なお、米・仏以外の国では、中国7200万人、日本5200万人、ドイツ3200万人、イギリス3000万人、韓国2460万人、インド1670万人、ロシア1080万人などとなっている。

盧武鉉大統領、「いつまでも米国に頼っては生きられない」と強調
 韓国の中央日報紙5月4日付によれば、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、3日午後開かれた民主平和統一・米州地域諮問会議の席上、韓米関係に関連して、「そろそろ独自の進路を選び成功する戦略を考えなければならない」とのべた。同大統領は、こうした認識につづいて、「この50年間、韓国が(米国に)非常にお世話になり感謝している」とし「米国とは顔を赤らめることなく永遠に友達関係を続ける考え」と前置きしたうえで「だが、いつまでも頼っては生きられないと」強調したといわれる。アメリカとの軍事的一体化に血道をあげるどこかの国の首相に、爪の垢を煎じて飲ませたい発言である。

アブグレイブでの捕虜虐待で、米陸軍中佐が取り調べを受ける
 仏紙ル・モンド4月29日付によれば、2年前に米CBS放送で報じられたイラクのアブグレイブ収容所の捕虜虐待にかかわり、これまでで最高位の軍人であるスティーブン・ジョーダン米陸軍中佐が取り調べを受けた。米陸軍当局が28日発表したもので、ジョーダン中佐は捕虜尋問の中心人物として、捕虜を裸にし、攻撃犬をけしかけて脅したなどの罪を問われている。

CIAチャーター機、「容疑者」移送のため、1000回以上もヨーロッパを通過
 仏紙ル・モンド4月27日付が報ずるところによれば、2001年9月以降、米CIAチャーター機 は、「容疑者」を第三国へ特別移送し、拷問を含む尋問をおこなうため、1000回以上もヨーロッパを通過している。これは、4月26日に発表された欧州議会調査委員会の中間報告書により明らかにされたもの。

米、国連枠外でのイラン制裁求める
 
仏紙ル・モンド4月22日付が報ずるところによれば、胡錦涛・中国国家主席の訪米がまだ終わってもいない21日、米国務省のナンバースリーといわれるニコラス・バーンズは、ワシントンでの記者会見で、ヨーロッパとロシアに向け、イランに対する一方的な制裁を準備するよう求め、「もし国連安全保障理事会が適切な期間内に行動に移ることができない場合、いくつかの有志国が連合して、イランを外交面・経済面で孤立させるため、いっしょに行動を起こすべきだろう」と言明した。

全世界で20,000人以上が、死刑執行待機中
 仏紙ル・モンド4月20日付が、アムネスティー・インターナショナルの報告を引用して報ずるところによれば、全世界で、20,000人以上の死刑囚が死刑の執行を待っているという。また、2005年中に刑が執行された2,148人中の94%が、アメリカ、イラン、中国、サウジアラビアの4ヵ国で執行された。その内訳は中国が1,770人、イランが94人、サウジアラビアが86人、アメリカが60人となっている。しかしながら、同報告によれば、実際は、とりわけ死刑執行が秘密にされている中国ではこの数字を上回るものとみられている