
暮らしの歳時記(69)
炭火のはなし。
寒いですね、今の季節。現代の生活はとても便利になり過ぎて、つい安易な生活に流れます。忙しい世の中ですから仕方ないのかもしれませんが、人間本来の生きる力が落ちているような気がします。寒い寒いといってもエアコンのボタンを押すだけで快適な設定温度で暮らすことが出来る生活です。伊豆高原の我が家もご多分に漏れず、というか我慢できなくなって2年ほど前に暖房用としてエアコンを設置しました。昔と比べて随分と省エネになり、暖をとるコストとしてはエアコンが一番コストパフォーマンスがよろしいのだそうです。でもちょっと物足りないんですよね。冬には冬らしい生活があるだろうにと思います。日が暮れると日中の暖かさはいずこへ、あっという間に冷えてきます。冬らしい生活との思いがあり、我が家では今の時期、気が向くと炭火を熾します。DIYで作ったテーブル囲炉裏に炭火を入れ、風炉釜を載せます。釜の水が沸騰するまで結構、時間が掛かりますが手を掛けた分だけ気分が和みます。そうですね、まず、炭火の匂いですね。部屋に微かな炭火の匂いが漂います。そして、湯が沸けば沸騰する湯の振動で風炉釜からかすかな音が鳴ります。炭火で部屋の温度がどの位上がるのか分りませんが、まあ、ほんの少しでしょうね。でも輻射熱によるほんのりとした温かさと炭火の火の色がいいですね。生物の中で火を制御できるのは人間だけです。この人間の特権を有効に使って楽しまない手はないですよね。炭火、昔の懐かしい暮らしです。炭火の効用は一言で言えば、なぜか、ほっとした気分になれることでしょうかね。風炉釜の湯でお茶を点てれば人間の五官の機能(目、耳、鼻、舌、皮膚))の全てを使って楽しんでいることに気が付きます。これぞまさにOFF TIMEだなと思う伊豆高原での四季折々の日々です。
2009/1/18記
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