暮らしの歳時記(9)

   トラマルハナバチとホトトギス。

 秋ですね。横浜と伊豆高原の二地域居住も三年を過ぎ、四季折々の花の開花時期も大体分かるようになってきました。そうなると今か今かと花が咲くのが待ち遠しいんですよね。まあ、こうして待っている時間もいい時間だと思えるようになってきました。ようやく私の時間軸が自然界の営みに近づいてきたのかもしれません。我が家の秋の花はホトトギスです。日陰を好む植物で葉やけを起こしやすく、葉も花もきれいな株はあまりありませんが私に秋を感じさせてくれる代表的な花です。そんなに見栄えも良いわけではないのですがなぜなんでしょうね、花の色、姿ですかね。ああ、大事なことを忘れていました。トラマルハナバチです。私の頭の中はトラマルハナバチとホトトギスで秋なんです。ホトトギスのような花蜜が奥に隠された花には他の昆虫はあまり訪れませんので咲き始めたホトトギスの花だけを訪ねて花蜜を吸い、花粉を運ぶトラマルハナバチは目立ちます。しかもブーンと羽音が聞こえる大きな蜂(体長約2cm)なのですが良く見ると丸々としていてなかなかかわいくて一所懸命花から花へと花粉を運び、密を吸っている姿は感動もので、見ていると時間もあっという間に過ぎてしまいます。夢中で花蜜を吸っている彼らには近寄ってジッと見詰めている私には無関心です。実は花蜜が奥に隠されたホトトギスにはトラマルハナバチが大事な訪花昆虫なんですよね。トラマルハナバチは長い中舌(口器)を舌のように伸ばして(「今月の写真」)密を吸い花粉を運んでくれます。飛び回るマルハナバチを飽きもせず眺めながら、彼らはホトトギスと共生関係にあるんだな、ダーウインの進化論が我が家の庭でも、なんて柄にもないことを考えたりしている伊豆高原での四季折々の日々です。ちょっと気をつけてみるとこのホームページを見ている皆さんの秋の庭でもトラマルハナバチがきっと飛び回っていると思いますよ。かわいいやつです。

2006/9/24記
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