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古代中国に於いて、人の身体には、生命エネルギーを循環させる“経絡”があるとし、その内外を気血が流れていると考えられていました。生命エネルギーである気血が“経絡”という身体の通路を、滞りなく循環していることがとても重要だとされていました。
生命エネルギー(気血)の流れが悪くなり、経絡のバランスが崩れ、身体の五臓六腑(※)へ生命エネルギー(気血)が行きわたらなくなり、五臓六腑の働きが乱れ、その結果様々な病の症状が発生します。
※五臓(肝・心・脾・肺・腎) 六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)
生命エネルギー(気血)が足りない経絡には「補法」といって生命エネルギー(気血)を補い、生命エネルギー(気血)が過剰になって飽和状態にある経絡には「瀉法(しゃほう)」といって余分な生命エネルギー(気血)を取り除く鍼をします。
脉診流経絡治療では脉診を中心とした診察により身体の経絡(五臓六腑)の状態を把握し、「証」という病の根本原因(経絡の乱れ)を探り出します。その「証」に応じて、手足に「補法」や「瀉法」を行い、病の根本原因を正していきます。
つまり、経絡バランスを整えることにより、五臓六腑の働きを改善し、自然治癒力(免疫力)を高め、身体をもとの元気な状態に戻していきます。
この「証」に応じた鍼(補法や瀉法)を本治法と言い、脉診流経絡治療では、もっとも大切な部分です。ややもすると病のある局所に目がいくものですが、この本治法に主体を置くことにより、他の鍼灸術では得られない高い治療効果をもたらすことができるのです。
ーーー東洋鍼学会よりーーー
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