8.徹さんが踊る
平成14年12月某月 天気 晴れ
本日は徹さんが会社が休みのため、よしも休み滝浪家と遠藤家で出猟です。
人数が少ないため1箇所かける予定です。
8時20分民宿ふるさとを出発。
少人数でも猟が可能なところを目指します。
目的地に着くともんたを含めた4匹をつれて山に登りました。
今回の山は比較的浅い山で、鹿がいるかいないか比較的早い時間で判断できる山です。
山を登り始めること20分。犬が鳴き始めます。
犬の鳴きは私の上り始めた尾根よりも右を一度上に追い上げ、ちょっと回した後に下に下っていきます。
今回は山が浅いため、あまり登っても仕方がないのでその場にとどまり犬の鳴きを確認することにしました。
鳴きはかなり下に移動していて今にもとやに出そうです。
その旨を連絡し、私は休憩です。
しばらくすると、”どうも犬はとやに出ないで山の中を下に向かって行くようだ”との連絡が入りました。
山にいても仕方がなさそうなので私は山を下り始めることにしました。
降りていると延さんの”でた”という連絡があり、よしのいるほうに向かっているとのことでした。
鹿がUターンするとまずいので私は下まで降り、上流を閉めます。
下流のほうで何発か銃声が鳴り、”止まった”とのこと。
もんたが出ていないということなのでもんたを呼んでいると徹さんもやってきました。
下の鹿は延さんとよしが処理をしてくれるみたいで、犬の回収をすることになりました。
今回は明日遠藤家が仕事のため早めに切り上げようということでしたので時間的には早いですが、鹿の足跡もない様だし、今回は犬を回収したら終わりということになりました。
しばらくもんたを呼んでいると下のほうでは”ほかの犬を回収し、鹿の処理も終わったのでこちらに向かう”と連絡が入りました。
徹さんと今の鹿の話をして、私が道から降り、もんたを呼んでいました。
”来ないなぁ”と思って後ろを見てみると徹さんももんたを呼んでいます。
”参ったな”と思い、鉄砲を担ぎなおし、じんきちを背負いなおしました。
このことがあとで慌てることとなるとは夢にも思いませんでした。
猟は終わったと思っていたので弾は抜いてあります。
どうしてかこのときは、銃を背負ってからじんきちを背負いました。
普通はじんきちを背負ってから、銃を背負います。
じんきちはずっと背負いますが銃は何回も下ろしますのでそれが普通です。
しかし、今回だけはどうしてか・・・
”やっぱり来ないな”と思って道路の徹さんのほうをみると何か踊っています。
”何しているのかなぁ”と見ているとやっぱり踊っているように見えます。
”どうしたのかなぁ””運動でもしているのかなぁ”と思っていると、銃を構える仕草をします。
もちろん、銃は持っていません。
道路からはずれたところにそのときはいたので”撃つからどけろ”ということかなと思っていたら川上から
鹿が!
すぐあとにはもんたが!
慌てて銃を下ろそうとしますが肩から降りません。
”そうだ!、じんきちをあとから背負ったんだ”
じんきちを急いで下ろし、やっと銃を下ろし、銃に弾を入れて・・・。
”あーあ”
逃げてしまいました。
もんたが鹿のすぐ後ろにいたので鹿も急いで逃げていましたのでもたもたしているうちに遠くに逃げてしまったのです。
しかし下には延さんとよしがいるはずです。
すぐに連絡を入れると、
こちらに向かっていたところを急いで元の場所に行き、迎え撃つ準備をするとのことです。
向こうもなぜ鹿が出たのか理解はできていないようですが、とりあえず”鹿が出た”との連絡をが入ったのであせりながらわけも解らず準備です。
延さんが鹿を発見し、よしと二人でなんとか止めたのはそれから15分あとのことでした。
後で聞くと、徹さんは鹿が来るのが道路から見えたので私に”打つ準備をしろ”とジェスチャーで教えていたとのことでした。
”そうだよな。何にもなしで山で踊りはしないか”と思ったのでした。