木質ペレット国内の先進地

木質ペレット国内の先進地

事業化に向けておこなってきた、これまでの視察結果を中心に紹介していきます。
（※記載の内容は視察時又は聞き取り時のものです。現在とは異なる場合があります。）


Ⅰ．木質ペレット生産工場
①(株)グリーン渡
工事の支障木や松クイ被害木を原料にホワイトペレットと混合ペレットを生産しています。　グリーン渡会の工場機械の8割が中古です。中古の機械を導入したため，新品機械を導入するよりも8割イニシャルコストが下がっています。生産において、減価償却と破砕の電気代にコストがかかっており、工場を維持するためには電気代を安くすることが必須となります。グリーン渡会では電気代は最盛で100万円/月（普段は50万円程度）を超えます。工場内にバーカーもあり、ホワイトペレット・混合ペレットの２種類を生産しています。　原料は、ダム流木の産業廃棄物（マツ・スギ）や松クイ被害木を使用しています。ダム流木の産業廃棄物だけでは原料が足りないので，松クイ被害木を購入しています。木質ペレットは工場渡しで，25円/kgで販売しています。グリーン渡会の木質ペレットは見かけ比重が大きいため硬く，着火スピードが遅いが、発生する灰量が少ない特徴があります。　また、木質ペレット生産過程で生産されるチップを、菌床栽培用に約1,500 m³/年で売っています。菌床栽培用のチップは，6,000～7,000円/m³程度で取引されています。値段が高いのは庄内にはあまりないナラを使用しているためです。

②(協)山形ウッドエネルギー

　雑木や間伐材や松クイ被害木を原料に混合ペレットを生産しています。
　2004年12月20日に、めざみの里協議会と新エネルギービジョン策定委員会が、町内産の針葉樹・広葉樹を原料とした木質ペレット試験製造と、その視察をおこないました。事業開始に向けて、木質ペレットの生産システムの状況が確認できました。
　2003年から木質ペレット製造事業を開始しました。村山地域の、製材・木材業者＝18社、建設・建築業者＝５社、造林業者＝1社、運送業者＝１社。合計25社で組織しています。事業費21500万円のうち、国50％県14.5％合計64.5％の補助を受けました（林業・木材産業構造改革事業）。イニシャルコストは、木質ペレット製造機械13600万円（１ｔ/１ｈ）、工場建物2600万円、原料貯蔵庫・事務所2700万円、工場電気設備2500万円。木屑、木枝や建築産廃等は木質ペレットの乾燥用として燃焼させています。産廃は組合員5000円/ｔ、非組合員10,000円/ｔで引き取っています。廃材は商品ではなく、木質ペレットの乾燥用に使用しています。木質ペレット製造工程は、難しい工程はありません。燃料以外の木質ペレット使用を模索中であり、オガ粉でも売っています。ペレットストーブ、ペレットボイラーの代理店販売もおこなっています。

Ⅱ．県内産ペレットストーブ

③(株)山本製作所

　県内唯一の国産ペレットストーブ生産工場。2003年１月21日に、木質バイオマス起業化研究会が、
ペレットストーブ生産工場を視察しています。

Ⅲ．県内のボイラー等設置状況

④森林情報館　もり～な天童

　山形県内の公共施設では、はじめて導入されたペレットボイラーが見学できます。

⑤真下慶治記念美術館（森と水の文化館）

　地元出身の真下慶治の作品が飾られる館内の床暖房にペレットボイラーを利用しています。


Ⅰ．木質ペレット生産工場
①(株)アグリパワー : 新潟県
町からもっとも近圏にある木質ペレット生産工場の見学をおこないました。(株)アグリパワーは、東北電力の社内ベンチャー会社としてダム流木（バークがない）を原料に、木質ペレットを生産しています。なお、同じ原料を用いて、堆肥やキノコの培地（オガ粉）の生産もおこなっています。生産量は、流木の量によります。　2003年3月8日に、木質バイオマス起業化研究会が、木質ペレット生産工場を視察しています。

②西川地域木質資源活用センター（もくねん工房） : 埼玉県飯能市

　中津川財産区管理委員が2003年11月5に、埼玉県飯能市にある西川地域木質資源活用センター（もくねん工房）の木質ペレット生産工程の見学のほか、現在の木質ペレット市場の現状について学びました。この地域では需要が小規模であり、木質ペレット以外の製品を開発し、販路開拓などに努めても事業を維持することが困難であるとのことでした。なお、地元の名栗村の協力によって、温泉施設という大口需要が生まれたとのことでした。

③気仙プレカット事業協同組合 : 岩手県住田町

　2004年1月には役場職員が、同年11月24～26日の岩手県内の視察においては、めざみの里協議会・新エネルギービジョン策定委員会が木質ペレット生産工程の見学のほか、現在の木質ペレット市場の現状について学びました。
　気仙プレカット事業協同組合は、木質ペレット試験製造を平成14年11月から初め、本格的な木質ペレット生産は、平成15年12月から開始しました。木質ペレット製造能力は1t/h。木質ペレットの原材料は木材加工団地で発生した、木の削りくずや端材など。木質ペレットの材料は工場内の、木の削りくずや端材などのため、すでに乾燥済みであり、現在使用している木質ペレット製造機械は乾燥工程を含まない機械。ちなみに、原料の水分含有率15％です。本業のパネル加工・造作材加工・金具締めプレカットの作業行い、木質ペレット1t分の原料が貯まった時に製造すします。1回あたり1tの製造。木質ペレット製造機械をフル稼働して1～2時間稼動し木質ペレット生産すします。ただし、注文状況、袋詰めの状況により異なります。価格は、住田交運の店舗販売で473円/15kg。配達すると720円/15kg。

Ⅱ．国産ペレットストーブ

Ⅲ．国内のボイラー等設置状況

①介護老健施設アットホームくずまき : 岩手県葛巻町

　平成15年にペレットボイラー（50万kw＊2基＝4,000万円）を設置。木質ペレット使用予想量は413，667ｋｇ/年だったが、実際昨年度実績で247t/年使用。理由は、灰の余熱効果のためとのこと。灰出しは毎日30分～1時間くらいかけておこなっています。
　2004年11月24～26日の岩手県内の視察において、めざみの里協議会・新エネルギービジョン策定委員会が視察しています。

②住田町立世田米保育園 : 岩手県住田町

　2004年1月に役場職員が，2004年11月24～26日の岩手県内の視察において、めざみの里協議会・新エネルギービジョン策定委員会がペレットボイラーの使用に関する留意点などを、現場担当者に学びました。
　平成14年2月に日本初の児童施設穂のペレットボイラー（ニ光エンジニアリング）を導入しています。木質ペレットは、酪農用の資料タンク（5t）に入れ、2週間に1度、3t補給する。ペレット使用量は，約29t/年＝77万円です。夜間は完全に消火せず種火を残しています。完全消火すると着火まで20分かかります。燃料の供給に15分、着火し火力が安定するまで5分ほどかかります。種火を残した場合でも、点火後に部屋が暖かく感じ始めるまで１時間ほどかかります。理想は連続運転だが、防火管理上やむなく種火を残すという方法をとっています。ペレットボイラーの灰出しは2週間に1回。灰は融雪材、土壌改良剤として使用しています。

③住田町立上平沢小学校 : 岩手県住田町

　木質バイオマスの地産池消、資源循環に対する町の取り組みについて説明を受けました。現在、木質ペレットは、葛巻林業からの供給を受けているものの、ペレットボイラー使用は今後、拡大する計画です。なお、今回は学校施設に導入したため、今後教育面での活用も検討しています。町内では、将来の木質ペレット生産に向けた検討も始まっています。
　2004年1月14～15日に役場職員が視察しています。