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おんなのしんぶんかながわ | 女のしんぶん

 HP版 おんなのしんぶんかながわ 2006年6月


報告
「米海軍兵士による日本女性惨殺事件に抗議し、
              米軍基地撤去を求める集会」

     〜彼女はどうしてこのような目に遭わなければならなかったのか〜

 日時 6月16日(金)
 会場 神奈川県民センター2Fホール
 主催 沖縄と連帯するかながわ女性の集会実行委員会

事件の概要
今年(2006年)1月3日早朝、横須賀市米が浜通り1丁目の雑居ビル前で、出勤途上の佐藤好重さん(当時56才)が、米空母キティーホークの乗員、一等空兵ウイリアム・リース被告に激しく暴行を加えられ、金を奪われて惨殺された事件。わずか2回の公判で結審し、
6月2日の3回目の公判でリース被告に無期懲役の判決が言い渡された。

 集会では始めに横須賀で数多くの米兵犯罪に関わってこられた呉東正彦弁護士に講演していただいた。
 呉東さんは、判決要旨にそって事件の概要を説明したうえで、年間2000件近くの米兵の事件が起きているが、日米地位協定17条(刑事裁判権)で公務執行中(米軍の活動上生じた)の犯罪・事故の第1裁判権は米軍にあると規定されており、「日本人が殺されても裁判権は及ばず米軍は兵士をほとんど処罰せず帰国させてしまう」と、本来裁かれるべき米軍自体が裁く不当性を指摘された。
 また、公務外(兵士のプライベートな時間中)の事件の場合は日本に裁判権があるものの充分な捜査ができないことから加害者を特定できない事件も多く、起訴にまで持ち込めずに泣き寝入りする数多くの被害者が存在していることを明らかにされた。
このように米軍犯罪が繰り返し起こるのは、軍隊の非人間的な体質そのものに起因し、この危険な軍隊に日本政府が特権を与え、犯罪を放置してきたこと。また軍隊には女性蔑視の伝統的体質があり、隊内で受ける強いストレスから麻薬やアルコール中毒者を生む退廃的な体質があり、故郷ではやらないが外国だからするという側面もある。 
従って私たちが基地撤去を求めるのは当然のことで、これまで政治家が米軍となれあって真剣に取り組んでこなかったことを厳しく問い、米軍に対して「『地位協定をなくすか、犯罪をなくすか』と迫るような厳しい姿勢をもって改定させるよう私たちの力を合わせていこう」と呼びかけられた。
 次に「米軍人・軍属による犯罪被害者の会」共同代表の一人で、19才の息子さんを米軍にひき殺された海老原大祐さんは、米軍と防衛施設局から示談を前提にした執拗な説得攻撃を受けて苦しんだ体験から、佐藤さんの遺族が同じ思いをするのではないかと心配していると語り、米軍犯罪被害者の心のサポートから裁判支援までを行える「被害者支援センター」をぜひ神奈川につくってほしいと訴えられた。続いて同会の沖縄の村上有慶さんは、日本政府が今回の日米再編で地位協定改定を主張せず「運用改善」を盛り込んで事足りるとしたことは、泣き寝入りせざるを得ない被害者の苦しみを無視したものだと非難し、被害者の心情に共感をもって実態を掘り下げ、いっしょにたたかってほしいと訴えられた。
 さらに相模原市議会議員で、「キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を歓迎しない会」の事務局を務める岩本香苗さんから、駐韓米軍戦車による女子中学生轢殺事件で米兵が無罪になったことが韓国民の怒りを呼び、大きなデモが行われたとの報告を受け、最後に、米軍再編への協力を拒否し、在日米軍基地の撤廃を求め、当面の問題として日米地位協定の改定を政府に求める集会アピールを採択した。
 私たちは佐藤さんが惨殺されたことに対する抗議を表したい一心で集会を開いたが、約190名の参加を得ることができ、また今後運動を進めるうえでたくさんの示唆を与えられた集会になったと思っている。 (報告者:小泉 喜子)

米海軍兵士による日本女性惨殺事件に抗議し、
             
米軍基地撤去を求める集会 アピール

 今年の1月、アメリカ海軍の基地となっている横須賀で、出勤途上の女性が米兵によって惨殺されました。家族さえ顔を判別できないほどの無惨な遺体でした。沖縄に次ぐ基地県神森川の住民として、武力によらない平和の建設をめざし、軍事基地の撤去を求め続けてきた私たちは、驚きと悲しみと怒りに震えました。
 米軍の地位に関する協定は、締結以来半世紀近い現在も不平等なままで、政府はこれを是正しようとはせず、「運用の改善」が行われたのみです。これによってどれほど多くの被害者が口惜しい思いをしてきたかしれません。今回の殺害事件で、容疑者は起訴前に神奈川県警に引き渡されはしましたが、僅か2回の公判で結審してしまったのは、米軍への配慮としか言いようがありません。着衣の乱れ等重要な情況についても詳細な事実認定は行われず、私たちには様々な疑問が残されたままです。私たちは、こうした司法の在り方にとうてい納得することはできません。
 基地があるための米兵による事件・事故は、防衛施設庁が把握しているものだけでも年々増え続け、2002年から2004年には1900件前後という多さを数えています。中でも沖縄はその5〜6割を占め、2割前後が神奈川で起きています。犯罪の中でも女性や子どもへの性暴力は表面に表れにくく、隠れた被害はどれほどあるか知れません。私たちの生活圏に接して軍事基地があるかぎり、市民の生活と女性の性と人権の侵害は無くなりません。
 いま政府は、沖縄の負担軽減と称して、その実、沖縄に新たな米軍基地の建設を、神奈川には米軍の新司令部の設置と原子力空母の母港を押しつけようとするほか、日本をアメリカの軍事体系の中により深く組みこみ、基地を恒久化しようとしています。
生命を奪うことで成り立つ戦争と軍事基地の機能は、彼我の人間惟を否定し、市民を脅かすものでしかありません。軍事力は安全ではなく、危険をもたらすものでしかないのです。私たちは沖縄にも神奈川にも世界の何処にも軍事基地を置きたくはありません。
 被害者はなぜこのような目に遭わなければならなかったのか、被害者の無念を晴らし、今後二度とこのような事件を起こさせないために、私たちは今日、ここに集いました。
 私たちは、アメリカの世界制覇の戦略である米軍再編への協力を拒否し、日本から米軍基地を撤去することと、そこにいたる過程で、まず在日米軍に所属する者の裁判権について不平等な規定をしている地位協定第17条の改訂を政府に求めます。そして、軍事力によらない平和の建設に一層努力することを確認してアピールとします。
2006年6月16日
                        米海軍兵士による田本女性惨殺事件に抗議し、
                                        米軍基地撤去を求める集会参加者一同

 

 
 
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