■■■ 連絡先 ■■■
広島低肺友の会
会長・事務局 下田 忠義
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広島・東京 |
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呼吸器疾患講演会・交流会
広島難病講演会
[広島県医師会禁煙推進委員会]
共催 広島市南保健センター 広島低肺友の会 |
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講師:津谷内科呼吸器科クリニック いびき睡眠障害センター
津谷 隆史 先生 |
1. |
COPDは肺の生活習慣病Chronic(慢性) Obstructive(閉塞性) Pulmonary(肺)Disease(疾患)の頭文字をとってCOPDと呼ばれる疾患が増えてきています。WHOでは今後,死亡原因となる疾患として増加してくるだろうと予測しています。 |
(図1)
この疾患は「気道」に障害が起こって、ゆっくりと呼吸機能が低下する疾患の総称で,「肺気腫」「慢性気管支炎」などが含まれます。
原因は喫煙がほとんどですが、図2に示すように大気汚染なども考えられます。
(図2)
この疾患の治療は包括的リハビリテーション(図3)という,さまざまな方面からのアプローチによって行われます。すなわち生活の質,日常生活動作の向上,病態の安定,入院日数,再入院回数の軽減,不安の解消などを目的としているものです。
(図3)
今回は,症状を悪化させないための,筋肉ストレッチ,症状をコントロールするための日常生活における留意点,急性増悪の注意を中心にお話しします。
(図4)
ここでご紹介するのは昭和大学,本間生夫先生が監修された“呼吸筋ストレッチ体操”です。独立行政法人環境再生保全機構のホームページ
(http://www.erca.go.jp/asthma2/copd/index.html)よりビデオ,DVDを申し込むことができます。
(図5)
3. |
呼吸訓練と症状をコントロールするための日常生活における留意点呼吸方法でマスターしていただきたいのは,腹式呼吸と口すぼめ呼吸です。腹式呼吸は上半身の力を抜いておなかが盛り上がるように息を吸い込みます。1日2回(朝晩)10分間づつ,寝ころんでお腹に砂のうをのせて訓練を行ったり、歩行、階段昇降、入浴時などに呼気と呼吸動作を同調させる訓練をすればいいでしょう。口すぼめ呼吸は口をすぼめて「スー(s)」 または「フー(f)」の音をさせながらゆっくりと息を吐ききるのがこつです。
さまざまの場面で,この呼吸法は活躍します。
- 口すぼめ呼吸と腹式呼吸を組み合わせた呼吸をしましょう。
- 息をはく回数が吸う回数より多くなるようにしましょう。
- 動作は連続して行わず、休み休み行いましょう。
- 動作中は息を止めないように。
次に,労作時の呼吸のポイントをお話しします。
- 荷物を持ち上げるとき・・・中腰のままものを拾ったり、持ち上げたりすると腰を痛めます。ものを持ち上げるときは、息苦しさが増しますので、息を吸い、はきながら動作を行います。
- 着替えの時・・・ズボンや靴下をはくときは、できるだけかがまず、肺を圧迫しないよう、いすに腰かけて着替えましょう。シャツや上着を着るときは、腕を上げすぎないことがポイントです。
- 入浴するとき・・・浴槽は胸に水圧がかからない横長タイプが望ましく、お湯が胸の高さより上にならないようにしましょう。深い浴槽ではいすを利用します。
※髪を洗うときは、前かがみにならないよう注意します。
- トイレの時・・・和式トイレはかがんだり立ち上がったりの動作が負担となりますので、できるだけ洋式タイプにしましょう。排便時に無理に力むと、息切れなどの原因となるので、息をはきながら動作するように。
- 運動を控えるとき・・・
- 食後1時間以内
- 顔や手足にむくみがある
- かぜ気味のとき
- 疲労感が強いとき
- 安静にしていても脈が速く、強く動悸を感じるとき
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4. |
急性増悪の予防 これは感染の予防が重要です。急性増悪のきっかけの約3分の2は、インフルエンザやかぜなどの呼吸器感染症です。うがいや手洗い、人混みをさけるなど一般的なかぜ対策はもちろんのこと,インフルエンザワクチン,肺炎球菌ワクチンは積極的に接種しておきましょう。
基本的治療はきちんとできていますか?持続的な治療によって急性増悪の頻度は減少します。また,急性増悪の徴候を見逃さないこと。COPDの急性増悪は、呼吸困難が急にひどくなったように感じるところから始まります。その他、喘鳴や胸部狭窄感、セキおよびタンの増強、タンの色と粘度の変化、発熱などの症状をともないます。
最後に一度試していただきたいのが,腹臥位療法です。うつぶせ寝のおすすめです。最近,聖路加病院の日野原重明先生もさかんにすすめておられる健康法です。図6のようにときどきうつぶせになってください。こうすることにより,背側障害肺に多く分布した血流が健常肺へ再分配され換気血流比が改善し,肺機能の活性に役立ちます。横隔膜運動の変化や心臓により圧排される左肺下葉換気の改善,体位ドレナージによる気道分泌物の排出の改善などが期待できます。
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(図6)
最後に,呼吸器疾患の大きな原因である喫煙を社会からなくすために,みなさまからの,喫煙者への助言,社会環境の改善へ向けての助言をお願いし,タバコの煙のない社会が1日でもはやく来ることを願ってやみません。
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今回の講演会・交流会を開催にあたり、広島低肺友の会の下田会長さんにご相談し、ご協力を得、また、難病対策センターの助言を受け、津谷内科呼吸器科クリニック理事長 津谷隆史先生に講師をお願いしたところ快く引き受けていただきました。
当日はチラシ、患者会の広報、新聞の記事を見て、市内はもちろん市外県外から、勉強したいと患者、家族、医療福祉関係者等の多くの参加がありました。
講演では津谷先生から、肺の機能、深呼吸の大切さの説明後、よりよい日常生活を送るための留意点、口すぼめ呼吸、動作をするときの注意、呼吸リハビリテーション(呼吸訓練、呼吸筋ストレッチ体操、胸部可動域訓練、排痰法)を具体的に示されるとともに、感染症の予防や食事の大切さについても話がありました。参加者は、先生の話に合わせて呼吸したり体を動かしたりと、熱心に聴講されていました。また、先生はイラン・イラク戦争の毒ガス被害者への医療交流にも参加しておられ、多くの患者さんが積極的に被爆都市ヒロシマとの交流をされる中で、QOLを向上させている事例を紹介しながら、交流の大切さを話されました。
交流会では、「患者会には入っていないけれど、どんな会なのか知りたい」と、関心を寄せておられる方の参加もあり、下田会長さんからは、この病気との付き合いは17年、当初動けない時期もあったが、会の活動を通して、いろいろな情報を得ることもでき、自分の体調に合わせた活動をすることによって、今はこのように動けるようになっているという体験談もあり、多くの参加者の方が勇気づけられたことと思います。
今後ともこのような講演会を通して多くの方と出会い、多くのことを学ぶことができればと思います。
広島低肺友の会のますますのご発展を祈念致します。
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2007年9月21日
広島市南区保健センター保健所と広島低肺友の会「共催」
編集者 下田 忠義 |
去る9月21日広島市南区保健センターに於いて医療講演会が行われました。昨年好評だった西区保健センターに続いての保健所と広島低肺友の会の共催による呼吸器リハビリ教室です。保健師 岸田玉恵様、広島市役所厚生部保健福祉課長 上田勝彦様、患者団体から広島低肺友の会会長 下田忠義と広島支部長・原田利行と会員が出席しました。そして大勢の皆さんが聴講のためご来場くださいました。
私も会場にきてうれしい邂逅がありました。当南区保健センター長・医学博士・だい(だいし)まる(まるし) 尚子先生であります。先生には以前医療講演の講師をしてもらったり原稿依頼など快く協力していただいた思い出があり不思議なご縁を感じました。
今回の講師は津谷内科呼吸器科理事長
津谷隆史先生です。先生のお話の内容は肺機能の知識、呼吸リハビリテェイション、低肺患者の日常生活ケアなど、ひとつひとつ分かりやすく講義されて、患者にとっては自らの療養生活に程よい自己啓発になりました。参加された患者さんからも多く質問が出て有意義な時間を過ごしました。
私も先生のお話の後、紹介を受けて挨拶を致しました。主に現在の広島低肺友の会の活動における中で、障害者自立支援法の良い面より悪い面に苦渋している事を申し述べました。ただ残念な事に先生のお話が終了と同時に聴講者の大半は退席されました。このことによって患者会がいちばん力を入れている交流会、すなわち療養者同士の知恵、個人個人の体験談が楽しみのひとつなのですがその機会が全く取れませんでした。進行議事の中に患者交流会の時間を確保して頂きたい。そのための一考を切に要望するものであります。
現在広島市から広島低肺友の会に対し四輪車酸素ボンベ運搬車給付助成を得ています。引き続き福山市に続いてパルスオキシメーターを障害者日常生活用具に認めてもらうために、あわせて酸素濃縮器の電気料助成の請願をしていきます。
上記酸素ボンベ運搬車はボンベを乗せてリハビリテェイションを目的とするものでありそれ以外には使用されませんようお願いいたします。
万一危険な行動による負傷の対応は行政には出来ませんので特に注意されますようお願いいたします。
無事講演会は終了し幾分涼しくなった広島の街を後にしました。
くれぐれも注意して使用して下さい。
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